紹介予定派遣と一般派遣の違いとは?期間・面接・雇用形態を徹底比較

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紹介予定派遣と一般派遣の違いとは?期間・面接・雇用形態を徹底比較

はじめに

紹介予定派遣と一般派遣は、どちらも派遣会社に雇用されて派遣先で働く点は同じですが、「直接雇用を前提とするかどうか」をはじめ、派遣期間・選考方法・契約終了後の流れなどが大きく異なります。この記事では、両者の違いを5つの観点から徹底比較し、人材紹介との違いや、それぞれに向いている人の特徴も解説します。厚生労働省が示す制度上のルールや、直接雇用に至った割合・利用規模がわかる最新の公的統計も紹介するため、自分に合った働き方を選ぶ際にお役立てください。

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣とは、派遣期間の終了後に、派遣先企業から直接雇用されることを前提とした働き方です。求職者は派遣会社と雇用契約を結び、最長6か月の派遣期間中、派遣社員として勤務します。その後、企業と本人の意思が一致すれば、正社員や契約社員などの直接雇用へ切り替わります。

一方、一般派遣(通常の労働者派遣)は、派遣会社との雇用契約を続けたまま派遣先で働く制度であり、派遣先での直接雇用を前提としていません。どちらも労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律、1985年(昭和60年)公布)に基づく制度ですが、その目的とルールは大きく異なります。

紹介予定派遣と一般派遣の5つの違い

紹介予定派遣と一般派遣の5つの違い

紹介予定派遣と一般派遣の違いは、大きく「目的」「派遣期間」「選考方法」「派遣終了後の流れ」「求人数・規模」の5つに整理できます。順番に確認しましょう。

紹介予定派遣と一般派遣の違い

比較項目

紹介予定派遣

一般派遣

主な目的

派遣先での直接雇用を目指す

派遣社員として就業する

直接雇用

制度上の前提に含まれる

原則として前提ではない

派遣期間

最長6か月

原則最長3年(3年ルール)

就業前の面接・書類選考

実施可能

原則禁止

派遣終了後

双方の合意により直接雇用へ移行

契約終了または契約更新

求人数

少ない

多い

雇用主

(派遣期間中)

派遣会社

派遣会社

違い①:直接雇用を前提とするかどうか(制度の目的)

最も本質的な違いは、派遣先企業による直接雇用を前提としているかどうかです。

紹介予定派遣は、企業と求職者が派遣期間中にお互いの適性や相性を確認し、合意すれば直接雇用へ進む「採用のミスマッチを防ぐための制度」です。派遣会社は労働者派遣と職業紹介の両方を行うため、職業紹介事業の許可を受けている必要があります。

一方、一般派遣は「必要な期間、派遣社員として働くための制度」です。雇用主はあくまで派遣会社であり、派遣先が変わっても雇用関係が続くため、柔軟に働きやすいのが特徴です。その反面、派遣先企業との雇用契約や直接雇用は前提とされていません。

違い②:派遣期間の上限(最長6か月と3年ルール)

派遣期間のルールも大きく異なります。

紹介予定派遣の派遣期間は、法令(労働者派遣法)により、同一の派遣労働者について最長6か月と定められています。直接雇用へ進むかを判断する「見極め期間」と位置づけられているため、長期間の派遣就業は想定されていません。なお、企業と本人が早い段階で合意すれば、6か月を待たずに直接雇用へ切り替えることもあります。

一方、一般派遣には、2015年(平成27年)の労働者派遣法改正で導入された、いわゆる「3年ルール」が適用されます。同じ派遣社員が派遣先の同一の組織単位(課など)で働ける期間は原則最長3年(個人単位の期間制限)で、派遣先の同一事業所が派遣を受け入れられる期間も原則3年(事業所単位の期間制限)です。3年を超えて働き続けるには、部署の変更や、派遣先への直接雇用の依頼などの雇用安定措置が必要になります。

 

期間の比較

紹介予定派遣

一般派遣

派遣期間の上限

最長6か月

原則最長3年(同一組織単位)

期間の位置づけ

直接雇用前の見極め期間

派遣就業そのものの期間

期間満了前の変化

合意すれば早期に直接雇用も可

契約更新を繰り返して就業

違い③:就業前の面接・書類選考の可否

選考方法の違いも重要なポイントです。

一般派遣では、派遣社員を選ぶのは雇用主である派遣会社の役割とされています。そのため、派遣先企業による就業開始前の面接や履歴書の提出要求など、「派遣労働者を特定することを目的とする行為」は、労働者派遣法上で原則として禁止されています。

ただし、業務内容や就業環境の確認を目的として、派遣労働者本人の自由意思に基づく職場見学や顔合わせが行われる場合はあります(※派遣先による選考や採否判断を目的とする実施は違法となります)。

一方、紹介予定派遣は将来の直接雇用を前提としているため、労働者派遣法上の例外として、派遣開始前の面接や履歴書・職務経歴書による選考が認められています。企業は応募者の経験やスキル、人柄、就業意欲を確認し、求職者も面接の場で仕事内容や雇用条件を質問できます。

選考に関する比較

紹介予定派遣

一般派遣

事前面接

実施可能

原則禁止

履歴書・職務経歴書の提出

実施可能

原則禁止

適性検査

実施される場合がある

原則実施されない

職場見学・顔合わせ

実施される場合がある

実施される場合がある

(※労働者本人の希望・任意に基づく場合に限る)

なお、紹介予定派遣の面接では、志望動機や就業意欲、コミュニケーション能力、長く働く意思などが重視されます。面接だけでなく派遣期間中の勤務態度も直接雇用の判断材料となるため、就業開始後も誠実に業務へ取り組むことが大切です。

違い④:派遣期間が終わった後の流れ

派遣期間終了後の「出口」も両者で異なります。

一般派遣では、契約期間が満了すると「契約更新」または「契約終了(別の派遣先の紹介など)」となるのが基本です。派遣先で長く評価されれば直接雇用に声がかかるケースもありますが、制度上の前提ではありません。

紹介予定派遣では、派遣期間の終了前に企業と本人が直接雇用へ進むかを確認し、双方が合意すれば派遣契約を終了して、正社員や契約社員として派遣先企業と雇用契約を結びます。条件に合意できなければ辞退することも可能で、その場合は派遣会社から別の求人を紹介してもらえることがあります。

厚生労働省が2026年(令和8年)3月に公表した「労働者派遣事業報告書(令和6年度報告)集計結果(速報)」によると、2024年度(令和6年度)に紹介予定派遣で働いた25,535人のうち、直接雇用に結びついた人は13,881人(約54%)でした。前年の2023年度(令和5年度)も約52%(26,012人中13,619人)と、おおむね半数強で推移しています。「利用すれば必ず直接雇用される」わけではないものの、高い割合で直接雇用へ移行している実績があります。

派遣終了後の比較

紹介予定派遣

一般派遣

基本の流れ

双方の合意により直接雇用へ移行

契約更新または契約終了

直接雇用への移行実績

派遣された人の約54%(2024年度(令和6年度))

制度上の前提ではない

合意できない場合

辞退・採用見送りが可能

―(雇用は派遣会社と継続)

出典:令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果|厚生労働省

 

違い⑤:求人数・利用者の規模【公的データで比較】

求人の探しやすさにも違いがあります。結論からいえば、紹介予定派遣の求人は一般派遣より大幅に少ない傾向にあります。

同集計によると、2024年度(令和6年度)に紹介予定派遣で働いた人は25,535人と、派遣労働者全体(約220万人)の約1%にとどまります。また、紹介予定派遣を実施した派遣会社(派遣元事業所)は2,322事業所で、労働者派遣の実績があった事業所の7.0%でした。

紹介予定派遣は、直接雇用を前提に募集する企業に限られ、採用人数も絞られます。そのため、職種や勤務地によっては希望に合う求人がすぐに見つからないことがあります。選択肢を増やしたい場合は、複数の派遣会社への登録や、転職サイト・人材紹介(転職エージェント)の併用が有効です。

規模の比較(2024年度(令和6年度))

人数・事業所数

派遣労働者数(全体)

約220万人

うち紹介予定派遣により派遣された労働者数

25,535人(全体の約1%)

紹介予定派遣を実施した事業所

2,322事業所(実績のあった事業所の7.0%)

出典:令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果|厚生労働省

 

紹介予定派遣・一般派遣と人材紹介の違い

直接雇用を目指す方法としては、人材紹介(転職エージェント)も選択肢になります。人材紹介は、書類選考や面接を経て採用が決まると、派遣期間を挟まずに採用企業と直接雇用契約を結ぶサービスです。「働いてから判断できる」紹介予定派遣と、「最初から直接雇用で入社する」人材紹介という違いがあります。

3つの働き方の特徴を比較表で整理します。

比較項目

紹介予定派遣

一般派遣

人材紹介

就業開始時の雇用主

派遣会社

派遣会社

採用企業

就業前の面接

実施可能

原則禁止

実施される

直接雇用前の就業経験

派遣期間中に確認できる

派遣社員として勤務する

原則としてなし

直接雇用

双方の合意により移行

原則として前提ではない

採用時から直接雇用

向いている人

ミスマッチを防ぎたい人

柔軟に働きたい人

早く直接雇用で働きたい人

紹介予定派遣で直接雇用されるまでの流れ

紹介予定派遣で直接雇用されるまでの流れ

両制度の違いを踏まえたうえで、紹介予定派遣を利用する場合の流れを確認しましょう。登録から就業開始までは一般派遣とほぼ同じですが、事前選考がある点と、派遣期間の終盤に直接雇用の意思確認がある点が異なります。

  1. 派遣会社へ登録し、希望条件(職種・勤務地・給与など)を伝える
  2. 紹介予定派遣の求人を紹介してもらう
  3. 書類選考・派遣先企業との面接を受ける(※一般派遣にはないステップ)
  4. 派遣会社と雇用契約を結び、派遣社員として勤務を開始する
  5. 派遣期間中に、求職者は職場との相性を、企業は適性・勤務態度を確認する
  6. 派遣期間の終了前に、双方が直接雇用への意思を確認する
  7. 合意した場合、正社員や契約社員などとして雇用契約を結ぶ

派遣期間中の給与支払いや労務管理、就業上の相談対応は、雇用主である派遣会社が担当します。問題や疑問が生じた場合は、派遣先企業ではなく、まず派遣会社の担当者に相談しましょう。

紹介予定派遣のメリット

一般派遣と比較した場合、紹介予定派遣には次のようなメリットがあります。

働きながら直接雇用を判断できる

紹介予定派遣では、実際に働きながら仕事内容や職場の雰囲気、残業の状況、人間関係を確認したうえで、直接雇用へ進むかを判断できます。求人票や面接だけでは分かりにくい実態を把握でき、直接雇用後に「想像していた仕事と違った」と感じるリスクを減らせます。企業側も働きぶりを見て採用を判断できるため、双方のミスマッチや早期離職を防ぎやすい仕組みです。

未経験から直接雇用を目指しやすい

紹介予定派遣には未経験者を対象とした求人もあります。企業は派遣期間中の仕事への姿勢や成長を見られることから、経験だけでなく意欲や人柄も含めて採用を判断します。異業種・未経験職種へ挑戦しながら直接雇用を目指せる点は、一般派遣にはない特徴です。ただし、すべての求人が未経験者を受け入れているとは限らないため、事前に応募条件を確認しましょう。

利用前に確認しておきたい注意点

利用前に確認しておきたい注意点

紹介予定派遣では、派遣期間中と直接雇用後で雇用主や労働条件が変わります。契約前に次の点を確認しておきましょう。

  • 派遣期間中と直接雇用後の給与(基本給・賞与・昇給・各種手当)
  • 直接雇用後の雇用形態(正社員か契約社員か)
  • 勤務時間・休日・残業時間
  • 社会保険・福利厚生
  • 直接雇用後の労働条件(※紹介予定派遣からの直接雇用では原則として試用期間は設けられない点も確認)

なお、途中での辞退も可能です。派遣期間中の退職や直接雇用の辞退を希望する場合は、派遣先企業へ直接伝えるのではなく、雇用主である派遣会社の担当者へ早めに相談しましょう。

紹介予定派遣と一般派遣が向いている人

最後に、それぞれの働き方が向いている人を整理します。

紹介予定派遣が向いている人

一般派遣が向いている人

実際に働いてから直接雇用を判断したい人

派遣という働き方を続けたい人

職場の雰囲気や仕事との相性を確認したい人

勤務地・期間・時間を柔軟に選びたい人

未経験職種への転職を検討している人

さまざまな職場で経験を積みたい人

直接雇用後のミスマッチを避けたい人

直接雇用にこだわらない人

なお、派遣期間を挟まずにすぐ直接雇用で働きたい人や、多くの求人から短期間で選びたい人には、人材紹介(転職エージェント)や転職サイトのほうが合う場合があります。

まとめ

 

紹介予定派遣と一般派遣の最も大きな違いは、「派遣先での直接雇用を前提としているかどうか」です。

 

紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間中に職場の雰囲気や実際の業務内容を見極められるため、「就職後のミスマッチを防いで直接雇用を目指したい人」や「未経験職種へ挑戦したい人」に適しています。事前面接が行われ、公的データでも約54%が直接雇用へ移行しています。

 

一方、一般派遣は原則として事前面接がなく、最長3年までライフスタイルや勤務時間・勤務地に合わせて柔軟に働ける点が大きな魅力です。

 

双方の制度にはそれぞれ明確なメリットがあります。まずは「直接雇用を目指すのか」「柔軟な働き方を重視するのか」という軸を整理し、ご自身のキャリアプランや優先順位に合った働き方を選択しましょう。

 

紹介予定派遣と一般派遣の違いに関するよくある質問

紹介派遣と一般派遣の違いに関するよくある質問

Q1.普通の派遣(一般派遣)と紹介予定派遣の違いは何ですか?

A1.最大の違いは、派遣先企業による直接雇用を前提としているかどうかです。紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間の後、企業と本人が合意すれば正社員や契約社員として直接雇用へ切り替わります。一般派遣は派遣会社との雇用契約を続けたまま働く制度で、直接雇用を前提としていません。また、紹介予定派遣では派遣開始前の面接や書類選考が認められている点、求人数が少ない点も違いです。

Q2.紹介予定派遣では面接がありますか?

A2.はい、事前の面接や書類選考があります。一般派遣では派遣先による事前面接や履歴書の提出が原則禁止されているのに対し、紹介予定派遣は将来の直接雇用を前提とする労働者派遣法上の例外として、就業前の選考が認められているためです。面接では、経験やスキルに加え、志望動機や就業意欲、長く働く意思などが確認されます。

Q3.紹介予定派遣は正社員になれないことがありますか?

A3.必ず正社員になれるとは限りません。前述の公表データによると、2024年度(令和6年度)に紹介予定派遣から直接雇用に結びついた人は13,881人(約54%)でした。残りの約46%は、企業の採用見送りや本人の辞退などにより直接雇用に至っていません。また、直接雇用後の雇用形態が契約社員となる場合もあるため、応募前に条件を確認しましょう。

Q4.一般派遣で働いていますが、紹介予定派遣に切り替えられますか?

A4.派遣先や派遣会社との契約内容によります。現在の派遣契約を紹介予定派遣へ切り替えるには、派遣先企業・派遣会社双方の合意と契約の再締結が必要です。派遣先での直接雇用を希望する場合は、まず派遣会社の担当者へ相談してみましょう。なお、一般派遣でも同一組織単位で3年働く見込みがある場合には、派遣会社が派遣先へ直接雇用を依頼するなどの雇用安定措置を講じる仕組みがあります。

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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