営業事務と一般事務の違い|業務範囲・年収・求人倍率を比較

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営業事務と一般事務の違い|業務範囲・年収・求人倍率を比較

はじめに

「営業事務と一般事務は何が違うのか」「どちらを選んだほうが転職しやすいのか」と迷っている方は少なくありません。求人票ではどちらも「事務」とひとくくりにされやすく、事前に違いを把握しづらいのが実情といえます。
この記事では、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)と賃金構造基本統計調査という公的データをもとに、業務範囲、配属部署、平均年収、有効求人倍率、就業形態の構成を並べて比較します。求人倍率には見過ごせない差があるため、応募先を決める前に確認しておきたい内容です。

営業事務と一般事務の違い|結論と比較表

営業事務と一般事務の違い|結論と比較表

最初に結論をまとめます。この章では、両者を分ける本質的な軸と、公的データで確認できる違いを一覧で示します。

一言でいえば「誰を支えるか」が違う

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、それぞれ独立した職業として整理されています。営業事務は営業担当者を支える職種、一般事務は部署を問わず社内全体の定型事務を担う職種です。支える相手が特定の部門に絞られているかどうかが、業務内容や必要なスキルの違いを生みます。

同データの記載では、営業事務の別名は「営業アシスタント」「受発注管理事務員」、一般事務の別名は「一般事務員」「庶務係事務員」です。営業事務は営業活動に直結する事務、一般事務は定型的な事務全般という区分が、職業分類の段階から設けられています。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

比較表で見る主な違い

公的データで確認できる項目を並べると、両者の性格の違いがはっきりします。数値はいずれも職業情報提供サイト(job tag)に掲載されているものです。

 

項目

営業事務

一般事務

配属部署

主に営業部門

部門を問わず配属

平均年収

525.1万円

541.4万円

ハローワーク求人賃金(月額)

23.8万円

21.6万円

有効求人倍率

1.31倍

0.29倍

就業者数

87万2,440人

263万9,330人

平均年齢

43.3歳

44.6歳

正規の職員・従業員の比率

77.8%

60.4%

大学卒の比率

57.8%

41.7%

 

平均年収では一般事務のほうが高く出ていますが、求人賃金と有効求人倍率では営業事務が上回ります。この一見矛盾する結果には理由があり、後の章で数値の性質を踏まえて解説します。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

業務範囲と配属部署の違い

数値の比較の前に、実際に何をする仕事なのかを整理します。この章では、それぞれの業務範囲、配属される部署、社外との接点の有無を順に確認します。

営業事務の業務範囲

営業事務は、営業担当者の指示を受けて営業活動を支える事務を担当します。同サイトの記載によると、主な業務は資料・見積書の作成、クライアント対応、契約・売上・入金管理、納品書発行などです。

実務上はこれに加えて、受発注業務、顧客情報や案件の管理、売上データの集計、営業資料やプレゼン資料の作成、電話とメールの対応も含まれます。営業担当者が外出している時間帯には、顧客からの問い合わせへの一次対応やアポイントの調整を代わりに担うケースも少なくありません。業界によっては出荷指示や在庫管理、棚卸作業まで業務範囲に入る場合もあります。受発注と請求に関わる業務が中心にあるため、数字の正確さと締切管理が成果に直結する職種です。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

一般事務の業務範囲

一般事務は、職業情報提供サイト(job tag)で「様々な定型的な事務の仕事を行う」職業として定義されています。具体的には、文書の作成と整理、伝票の作成、台帳の管理といった業務が挙げられています。

実務では、データ入力、ファイリング、郵便物の仕分けと発送、備品の管理と発注、電話やメールの対応、来客応対などが加わります。配属先によっては、経費精算、勤怠管理、契約書の管理といった部署固有の業務を担当することもあります。定型業務の幅が広く、配属される部署によって担当範囲が変わるのが一般事務の特徴としてあげられます。

同サイトによれば、平均労働時間は月157時間となっています。定型業務が中心のため、業務の進め方を標準化しやすい職種といえるでしょう。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

配属部署と担当領域の違い

営業事務は営業部門に配属されるのが基本とされます。担当する営業チームや特定の営業担当者に紐づいて業務が発生するため、部署の目標や繁忙期の波をそのまま受けがちです。四半期末や決算期に受発注と請求が集中する点は、事前に把握しておきたいポイントといえます。

一般事務は総務部、人事部、経理部など、配属先が幅広く分かれます。配属先次第で担当領域が大きく変化するため、同じ「一般事務」でも得られるスキルは様々です。そのため転職時に前職の経験が評価されるかどうかは、直近の業務内容に大きく左右されます。

この違いは、応募時の情報収集にも直結します。営業事務は取扱商材と受発注の流れを、一般事務は配属予定部署と担当範囲を、あらかじめ確認しておくと入社後のミスマッチを防げるはずです。

両者が重なりやすい領域

求人票を読むときに混乱しやすいのが、両者の業務が重なる部分です。受発注管理、契約書の管理、経費精算、売上データの入力といった業務は、企業によってどちらの担当にもなります。

職業情報提供サイト(job tag)では、営業事務の業務として契約・売上・入金の管理が挙げられ、一般事務の業務としては台帳管理や伝票作成が挙げられています。受発注に関わる業務をどちらが担うかは、企業の組織設計によって変わります。営業部門に事務担当を置く企業では営業事務が担い、管理部門で一括処理する企業では一般事務の業務になります。

この重なりがあるため、職種名だけで業務内容を判断するには不十分です。応募先を比較する際は、職種名ではなく担当業務の内訳を並べて確認すると実態をつかみやすくなります。

顧客対応と社外業務の有無

営業事務は、電話、メール、ビジネスチャットを通じて顧客や取引先と直接やり取りする機会が多い職種です。営業担当者が不在のときには代理で問い合わせに対応し、納期の調整を行うケースも少なくありません。ただし業務の中心はあくまでデスクワークであり、外回りの営業活動まで担うことは原則ありません。

一般事務も顧客対応は業務の一部に含まれます。電話やメールでの問い合わせ対応、来客時の受付と案内、担当者への取次ぎなどが該当します。企業の窓口として最初に顧客と接する役割を担う場面があり、社内業務だけで完結するわけではありません。

両者の差は対応の性質にあります。営業事務は取引に関わる判断を伴うのに対し、一般事務は取次ぎや案内が中心となるため、求められるコミュニケーションの深さが異なります。

年収と求人状況の違い|公的データで比較

ここからは数値の比較に入ります。この章では、平均年収、求人賃金、有効求人倍率、就業形態の構成を確認し、それぞれの数値が何を表しているのかも整理します。

平均年収を職業情報提供サイトで比較

職業情報提供サイト(job tag)によると、営業事務の平均年収は525.1万円、一般事務の平均年収は541.4万円です。いずれも2025年(令和7年)賃金構造基本統計調査を算出元としています。一般労働者の時給換算では営業事務が2,605円、一般事務が2,718円です。

営業事務には短時間労働者の時給も掲載されており、1,530円と示されています。一般事務のほうが平均年収は高いという結果ですが、これは職種の待遇が良いことを意味するとは限りません。次の項で理由を確認します。

 

項目

営業事務

一般事務

平均年収

525.1万円

541.4万円

時給(一般労働者)

2,605円

2,718円

就業者数

87万2,440人

263万9,330人

 

一般事務の就業者数は263万9,330人で、営業事務の約3倍です。母集団が大きく、勤続年数の長い層を多く含むため、平均値が押し上げられている可能性があります。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

ハローワーク求人賃金で見る差

平均年収と対になるもうひとつの数値が、ハローワークに登録された求人の賃金です。同サイトによると、2025年度(令和7年度)の求人賃金は営業事務が月額23.8万円、一般事務が月額21.6万円で、営業事務が2.2万円上回ります。

この2つの数値は意味が異なります。平均年収は現に働いている人の賃金を集計した結果であり、勤続年数や役職を反映します。一方の求人賃金は、これから採用する人に提示している金額です。転職で提示される条件に近いのは求人賃金のほうだと考えるのが実務的です。

 

数値の種類

何を表すか

営業事務

一般事務

平均年収

現在の在職者の賃金水準

525.1万円

541.4万円

求人賃金(月額)

募集時に提示される金額

23.8万円

21.6万円

 

平均年収では一般事務が上、求人賃金では営業事務が上という結果は、この性質の違いによって説明できます。応募を検討する段階では、両方の数値を分けて見ることが誤解を避けるうえで重要です。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

有効求人倍率は4倍以上の開き

転職を考えるうえで、もっとも差が大きい項目が有効求人倍率です。同サイトのデータでは、2025年度(令和7年度)の有効求人倍率は営業事務が1.31倍、一般事務が0.29倍で、4倍以上の開きがあります。

有効求人倍率は、求職者1人あたりの求人件数を表す指標です。営業事務は求職者1人に対して1件以上の求人がある一方、一般事務は求人1件あたり3人以上の求職者がいる計算になります。一般事務は事務職のなかでも応募が集中しやすいという構造が、この数値から読み取れます。

「どちらも未経験から始めやすい」と説明されることがありますが、応募のしやすさと採用される確率は別の問題です。一般事務を志望する場合、書類選考の通過率が低くなりやすい前提で準備を進める必要があります。

 

職業

2025年度(令和7年度)有効求人倍率

営業事務

1.31倍

一般事務

0.29倍

 

なお、この数値はハローワークに申し込まれた求人と求職者から算出されるものです。求人サイトや人材紹介経由の求人は含まれないため、市場全体の状況とは差が生じる可能性があります。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

就業形態の構成の違い

雇用の安定性を考えるうえでは、就業形態の構成が参考になります。同サイトによれば、営業事務は正規の職員・従業員が77.8%、契約社員が17.8%、派遣社員が13.3%です。一般事務は正規の職員・従業員が60.4%、パートタイマーが33.3%、派遣社員が25.0%、契約社員が18.8%となっています(いずれも複数回答のため合計は100%を超えます)。

一般事務における正規の職員・従業員比率は、営業事務を17ポイント以上下回ります。選択肢が広い反面、正社員志望者にとっては競争が厳しくなる要因です。

 

就業形態

営業事務

一般事務

正規の職員・従業員

77.8%

60.4%

契約社員

17.8%

18.8%

派遣社員

13.3%

25.0%

パートタイマー

掲載なし

33.3%

 

学歴構成にも差があります。営業事務は大学卒が57.8%、修士課程卒が11.1%、高校卒が15.6%です。一般事務は大学卒が41.7%、高校卒が20.8%、短大卒が10.4%です。営業事務のほうが大学卒の比率が高い傾向はありますが、どちらも学歴だけで決まる職種ではありません。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

短時間勤務という選択肢

働き方の幅という観点では、一般事務に特徴があります。職業情報提供サイト(job tag)によると、一般事務はパートタイマーの比率が33.3%、派遣社員が25.0%で、短時間勤務や有期の求人が一定の割合を占めます。平均労働時間は月157時間です。

営業事務の短時間労働者時給は1,530円です。一般労働者(2,605円)と差があるものの、これは所定内給与を時間換算した値であり、賞与や手当の有無を考慮する必要があります。勤務時間を抑えて働きたい場合、求人数の多さという点では一般事務のほうが選択肢が広がります。

 

項目

営業事務

一般事務

時給(一般労働者)

2,605円

2,718円

時給(短時間労働者)

1,530円

掲載なし

パートタイマー

掲載なし

33.3%

平均労働時間

掲載なし

157時間/月

 

一方で、正規の職員・従業員としての採用を前提に考える場合は、正規の職員・従業員の比率が77.8%と高い営業事務のほうが条件に合う求人を見つけやすくなります。働き方の希望と職種の求人構成を照らし合わせて選ぶことが、応募先を絞り込む実務的な方法です。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

求められるスキルと適性の違い

求められるスキルと適性の違い

業務範囲が違えば、求められる力も変わります。この章では、両者に共通するスキル、それぞれに固有のスキル、向いている人の特徴を整理します。

共通して必要なスキル

どちらの職種でも土台として、WordやExcelの操作といったPCスキル、正確で迅速な事務処理、社内外との円滑なコミュニケーションがあげられます。Excelについては、基本的な関数を使ったデータ集計ができる水準が実務の目安となるでしょう。

加えて、複数の業務を並行して進めるためのタスク管理、急な依頼やトラブルに対応する柔軟性も求められます。定型業務と突発的な依頼が混在する環境で、優先順位を判断できるかが両職種に共通する鍵です。基本的なビジネスマナーも、社内外の信頼を得るうえで欠かせません。

営業事務に求められるもの

営業事務では、共通スキルに加えて取引に関わる正確性が問われます。見積書、請求書、納品書といった書類は金額と数量を誤ると取引先に直接影響するため、確認の手順を自分で組み立てられることが重要です。

コミュニケーションの面では、営業担当者、他部署、顧客という三者の間に立つ調整力が求められます。納期の確認や仕様の確認を、双方の事情を踏まえて進める場面が日常的に発生します。営業活動はイレギュラーが多く、予定の変更に落ち着いて対応できるかが評価に直結します。

PowerPointを使った営業資料の作成や、Excelでの売上データの集計と分析を任されることもあります。受発注の流れを理解していることが、他社でも通用する経験として蓄積されます。

一般事務に求められるもの

一般事務では、定型業務を安定した品質で継続できることが評価されます。データ入力や書類作成を長時間ミスなく進める集中力と、同じ手順を丁寧に繰り返せる姿勢が土台になります。

来客応対や電話応対を任される場面が多いため、丁寧な言葉遣いと落ち着いた対応も欠かせません。企業の第一印象を左右する役割を担うことがあり、所属部署の業務だけでなく、会社の窓口としての振る舞いも求められる職種です。

配属先によって担当業務が変わるため、新しい業務を覚えることへの前向きさも重要です。未経験の業務を引き受ける柔軟さが、担当範囲を広げてキャリアを伸ばす起点になります。

向いている人の特徴

両職種の適性は、次のように整理できます。どちらが優れているという話ではなく、自分の得意な働き方に近いほうを選ぶ視点が有効です。

営業事務に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 相手の意図をくみ取って丁寧に対応できる
  • 数字を扱う細かい作業を正確に続けられる
  • 急な変更やトラブルに柔軟に対応できる
  • 複数の業務に優先順位をつけて進められる
  • チームの成果に貢献することにやりがいを感じる

 

一般事務に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

 

  • 定型的で繰り返しの多い業務を正確に続けられる
  • 来客や電話への丁寧な応対を大切にできる
  • 周囲の業務を支える役割に満足感を得られる
  • 突発的な依頼にも冷静に対応できる
  • 業務のパフォーマンスを一定に保ち、安定して進められる

 

どちらの職種も、根底で問われるのは「人を支える役割にやりがいを感じられるか」という点に集約されます。この軸さえ合っていれば、配属先が変わっても十分に適応できるでしょう。

キャリアパスの違い

事務職は入口が広い一方で、その後の展開に差が出ます。この章では、それぞれのキャリアの方向性と、年齢による賃金の変化を確認します。

営業事務からのキャリア

営業事務で身につく受発注管理や顧客対応、売上データ処理といった経験は、応用先が明確にあげられます。組織内でのチームリーダー昇格や事務部門管理職へのステップアップに加え、業務知識を活かして営業職へ転じる例も珍しくありません。

専門性の高い事務職への異動も選択肢です。貿易事務、医療事務、金融事務などは、取り扱う分野の知識が加わることで担当できる業務が広がります。受発注と請求の流れを理解している経験は、業界を変えても説明しやすい強みになります。

営業企画やカスタマーサポートといった関連職種への転身も現実的な選択肢です。ただし特定のキャリアで年収がいくらになるかを示した公的データはないため、求人票の条件を個別に確認する必要があります。

営業事務の正規職員・従業員比率が77.8%と高い点は、長期的なキャリア形成を図りやすい環境の証といえます。職業情報提供サイト(job tag)の学歴構成では修士課程卒が11.1%含まれており、専門知識を扱う職場も一定数あると読み取れます。扱う商材や業界の知識が積み上がるほど、同業他社への転職で説明できる経験が増えていきます。

一般事務からのキャリア

一般事務は定型業務が中心となるため、経験を差別化するには意識的な工夫が欠かせません。基礎的なPCスキルや対人能力を土台に、経理・人事・総務といった専門性の高い領域へ進むのが一般的なキャリアパスです。

この方向を選ぶ場合、資格取得が客観的な裏づけとなり得ます。簿記や秘書検定、MOSなどは、担当できる業務範囲を証明する有効な材料です。配属先の業務を深掘りし、特定分野の担当者として認識されることが次の一歩につながるはずです。

小規模な企業では、経理、総務、人事を一人で兼任する形で幅広い経験を積めることもあります。業務範囲の広さを経験として整理しておくと、事務全般を担うポジションへの転職で説明しやすくなります。

263万9,330人という就業者数の多さは働く場の多さを示す一方、有効求人倍率0.29倍という狭き門でもあるため、他者との差別化が選考通過の鍵を握ります。担当した業務の範囲、扱った書類の種類、使用したシステムを具体的に説明できる状態にしておくことが有効です。

年齢と賃金の関係

職種別の年齢階級別年収は公的統計として公表されていません。参考として、厚生労働省の2025年(令和7年)賃金構造基本統計調査の概況による一般労働者全体の年齢階級別賃金を確認しておきます。

 

年齢階級

所定内給与額(月額)

20〜24歳

24万2,800円

25〜29歳

27万9,400円

30〜34歳

31万2,300円

35〜39歳

34万600円

40〜44歳

36万4,300円

45〜49歳

37万7,900円

50〜54歳

38万8,800円

55〜59歳

39万6,200円

※上記は全産業の平均値であり、40〜44歳(平均年齢該当層)の月額所定内給与は36万4,300円となっています 。

 

年齢が上がるにつれて賃金も上がり、35〜39歳で月額34万600円となり、55〜59歳の39万6,200円まで段階的に上昇します。営業事務の平均年齢は43.3歳、一般事務は44.6歳であり、どちらも40代が職種全体の中心層にあたります。なお、この年齢階級別の数値は職種を限定しない全産業の値です。

 

出典:2025年(令和7年)賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

どちらを選ぶべきか|見極め方

最後に、応募先を決めるための具体的な見極め方を整理します。求人票の確認項目、自己分析の観点、企業や業界による違いという3つの角度から解説します。

求人票で確認すべき項目

職種名だけでは実際の業務がわかりません。同じ「一般事務」という求人名でも、配属先によって担当業務は大きく変わります。応募前に確認しておきたい項目は次のとおりです。

 

  • 配属予定の部署と、その部署が担う役割
  • 具体的な担当業務と、その業務が占める時間の割合
  • 顧客や取引先との直接のやり取りがあるか
  • 使用するシステムやツール
  • 雇用形態、賃金、労働時間、契約期間
  • 繁忙期の時期と、そのときの業務量

 

求人票の記載が抽象的な場合は、選考書類の作成時や面接の場で担当業務の内訳を具体的に確認することが、入社後のずれを防ぐ有効な方法といえます。

なお、雇用形態や賃金といった労働条件は、書面や電子メール等のデータで事前にしっかり確認しておきましょう。職業安定法により、募集時には業務内容や賃金などの労働条件を明示することが求められています。

自己分析のチェックポイント

自分に合うほうを判断するには、業務の性質に照らして考えるのが有効です。次の項目に多く当てはまるかを確認してみてください。

 

  • 定型的で細かい作業を正確に続けられるか
  • 複数の業務を計画的に進められるか
  • 細部まで確認する丁寧さがあるか
  • 人を支える役割に満足感を得られるか
  • 突発的な依頼にも落ち着いて対応できるか
  • 社外の相手と直接やり取りすることに抵抗がないか

 

とくに最後の項目は、両職種を分ける大きな目安です。社外との折衝を前向きに捉えられるなら営業事務、社内での定型業務に専念したいなら一般事務が適しています。

企業規模・業界による違い

同じ職種名でも、企業規模によって業務範囲の切り分け方は異なります。大企業では業務が細分化され、営業・経理・総務などの担当が明確に分かれるため、特定分野の専門性を深めやすい環境といえます。

中小規模の企業では部署の区分が曖昧なことが多く、一人の事務職が経理、総務、人事、庶務などを兼任するケースが一般的です。幅広い業務を経験できる一方で、特定分野の専門性を示しにくいという側面もあります。

業界固有の事務職も存在します。貿易事務、医療事務、介護事務、学校事務、特許事務などは、それぞれ貿易実務、医療、法律といった分野の知識が求められます。語学力や専門知識が必要になる職種もあるため、志望する業界の要件を事前に調べておくとよいでしょう。

まとめ

まとめ

営業事務と一般事務の違いは、支える相手の範囲にあります。営業事務は営業部門に配属され、受発注や請求、顧客対応など営業活動に直結する事務を担当します。一般事務は部署を問わず配属され、文書作成や伝票処理といった定型的な事務全般を担います。

公的データで見ると、平均年収は一般事務が541.4万円と営業事務(525.1万円)を上回る一方、ハローワーク求人賃金では営業事務(月額23.8万円)が一般事務を2.2万円上回ります。平均年収は在職者の賃金、求人賃金は募集時の提示額であり、転職で提示される条件に近いのは後者です。

もっとも差が大きいのは有効求人倍率です。営業事務は1.31倍、一般事務は0.29倍で、4倍以上の開きがあります。就業者数は一般事務が263万9,330人と営業事務の約3倍で、パートタイマーの比率も33.3%と高くなっています。一般事務を志望する場合は、応募が集中しやすい前提で準備を進める必要があります。

求められるスキルは、基本的なPCスキル、正確な事務処理、コミュニケーションという点で共通します。営業事務では取引に関わる正確性と三者間の調整力、一般事務では定型業務を安定してこなす継続力と窓口として求められる応対力がそれぞれ重視されます。職種名のみで判断せず、求人票に記載された配属先や担当業務を精査して応募先を選ぶとよいでしょう。

よくある質問

Q1.営業事務と一般事務の違いは何ですか?

A1.営業事務は営業部門に配属され、営業担当者のサポートとして受発注管理、見積書や請求書の作成、顧客対応を担当します。一般事務は部門を問わず配属され、文書作成、伝票処理、データ入力、電話や来客の応対といった定型的な事務全般を担います。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも、両者は別の職業として整理されています。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

Q2.どちらのほうが年収は高いですか?

A2.職業情報提供サイト(job tag)によると、平均年収は一般事務が541.4万円、営業事務が525.1万円で一般事務が上回ります。ただしハローワーク求人賃金では営業事務が月額23.8万円、一般事務が21.6万円で逆の順になります。平均年収は在職者の賃金を集計した値、求人賃金は募集時の提示額であり、意味が異なる数値です。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

Q3.どちらのほうが求人は多いですか?

A3.2025年度(令和7年度)の有効求人倍率は、営業事務が1.31倍、一般事務が0.29倍です。営業事務は求職者1人に対して1件以上の求人がある一方、一般事務は求人1件あたり3人以上の求職者がいる計算になります。就業者数は一般事務が263万9,330人、営業事務が87万2,440人です。

 

出典:営業事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

Q4.未経験から事務職を目指せますか?

A4.職業情報提供サイト(job tag)の学歴構成では、営業事務は大学卒が57.8%、高校卒が15.6%、一般事務は大学卒が41.7%、高校卒が20.8%となっており、学歴だけで決まる職種ではありません。ただし一般事務の有効求人倍率は0.29倍と低く、応募が集中しやすい状況です。PCスキルや関連資格など、選考で説明できる材料を用意しておくことをおすすめします。

Q5.必要な資格はありますか?

A5.必須の資格はありません。実務では、Excelを含む基本的なPCスキル、正確な事務処理、社内外とのコミュニケーションが土台になります。専門性の高い事務職へ進む場合は、簿記、秘書検定、MOSなどが担当業務の範囲を説明する材料として機能します。

Q6.顧客と直接やり取りする機会はありますか?

A6.営業事務は電話、メール、ビジネスチャットを通じて顧客や取引先と直接やり取りする機会が多く、営業担当者が不在のときには代理で対応することもあります。一般事務も電話対応や来客応対を担当しますが、取次ぎや案内が中心です。どちらも外回りの営業活動は担当しません。

Q7.就業形態に違いはありますか?

A7.職業情報提供サイト(job tag)によると、営業事務は正規の職員・従業員が77.8%、契約社員が17.8%、派遣社員が13.3%です。一般事務は正規の職員・従業員が60.4%、パートタイマーが33.3%、派遣社員が25.0%、契約社員が18.8%となっています。一般事務は短時間勤務の求人が多く、働き方の選択肢が広い一方で、正規の職員・従業員を希望する場合の競争は厳しくなります。

 

出典:一般事務-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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