情報セキュリティマネジメント試験徹底ガイド
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はじめに
情報セキュリティマネジメント試験は、企業や組織の情報セキュリティを守るために必要な知識とスキルを認定する国家試験です。サイバー攻撃などの脅威から組織を継続的に守る人材の育成を目的に、経済産業省が所管し、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施しています。IT部門だけでなく、個人情報を扱うすべての業務担当者や管理部門にも推奨され、情報セキュリティの基礎力を証明できる資格として注目を集めています。
情報セキュリティマネジメント試験ってどんな資格?

サイバー攻撃や情報漏えいといったリスクが年々増加している現代社会では、組織の情報を守るための知識やスキルがますます重要視されています。そんな中、情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティ分野の基礎力を身につけたい方や、組織のセキュリティ対策を担う人材にとって魅力的な選択肢となっています。
国家資格としての位置づけ
情報セキュリティマネジメント試験は、経済産業省が所管し、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家試験です。この資格は、情報漏えいやサイバー攻撃、内部不正などのリスクに対応できる人材を育成することを目的に創設されました。企業や組織の情報資産を守るために必要な基礎知識と実践力を持つ人材を認定するもので、情報セキュリティ管理の専門家だけでなく、幅広いビジネスパーソンに求められる国家資格です。
サイバー攻撃から会社を守るための知識とスキル
この試験では、情報セキュリティの計画、運用、評価、改善に関する基礎知識と実践力が問われます。具体的には、情報資産管理やリスクアセスメント、インシデント対応、法令遵守など、組織の情報セキュリティを総合的に管理するためのスキルが必要とされます。試験問題は、身近な事例をもとにしたケーススタディ形式でも出題され、実務で直面する課題に対応できる能力を測ります。これにより、企業の情報セキュリティ担当者はもちろん、セキュリティ意識が求められるすべてのビジネスパーソンにとって有益な資格といえます。
情報セキュリティマネジメント試験が注目されている理由
デジタル化が急速に進む現代社会において、私たちの生活やビジネスはますます便利になりました。しかしその一方で、サイバー攻撃や情報漏えいといったリスクも年々増加しており、従来以上に情報セキュリティ対策の重要性を実感する企業が増加しています。特に近年は、テレワークの普及やクラウドサービスの活用拡大によって社内外のネットワークが複雑化し、攻撃の手口も巧妙化しているため、これまでの手法だけでは十分に対応できないケースが増えています。こうした背景から、情報セキュリティに関する知識やスキルを持ち、現場で実際にリスクに対応できる人材の育成が急務です。情報セキュリティマネジメント試験は、まさにこのような時代の要請に応える資格として注目されています。
サイバー攻撃や情報漏えいが増えている背景
サイバー攻撃や情報漏えい事件は、今や大企業だけでなく中小企業や自治体、学校などあらゆる組織で発生しています。標的型攻撃やランサムウェア、内部不正による情報漏えいなど、被害の内容も多様化・深刻化しており、一度事故が起きれば経営に大きなダメージを与えることも少なくありません。また、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)などの法規制も強化され、組織としての責任も重くなっています。そのため、単にIT部門だけが対策を講じるのではなく、組織全体で情報セキュリティ意識を高め、日常業務の中でリスクを発見・対応できる体制づくりが求められています。
企業が求める「守れる人材」
このような状況の中で、企業が今求めているのは、情報セキュリティの基礎知識を持ち、実際にリスクが発生した際に適切な判断や対応ができる「守れる人材」です。情報セキュリティマネジメント試験は、こうした人材を客観的に評価・認定できる資格として、企業の採用や人材育成の現場で評価されています。実際に多くの企業が、社員の資格取得を推奨したり、昇進・昇格の条件に取り入れたりしています。加えて、転職や就職活動においても「情報を守る力」を証明できるため、履歴書や面接でのアピールポイントとなります。このように本試験は、単なる知識の習得にとどまらず、実際のビジネス現場で役立つ実践的なスキルを身につけられる資格として、多くの方から注目されています。
どんな人におすすめ?
情報セキュリティマネジメント試験は、ITの専門家だけでなく、さまざまな職種や立場の方に広くおすすめできる資格です。現代のビジネスでは、情報セキュリティの知識が求められる場面が増えており、組織全体でセキュリティ意識を高めることが重要になっています。そのため、IT部門に限らず、日常業務で情報を扱う方にとって有益な内容となっています。
【IT部門以外の方も対象】この試験は、IT部門のスタッフはもちろん、営業や総務、経理など、普段ITに直接関わらない職種の方にも適しています。パソコンやネットワークを使う機会がある方であれば、幅広く役立つ知識を身につけられます。
【管理部門や個人情報を扱う方に】特に管理部門や人事部、経理部など、個人情報や機密情報を日常的に扱う業務担当者にとっては、情報セキュリティの基礎を理解し、実践できる力が重要です。情報漏えいや不正アクセスを未然に防ぐためにも、この資格で得られる知識は大きな支えとなります。
【ITパスポートからのステップアップにも】また、ITパスポートを取得した方が、さらに専門性を高めたい場合のステップアップ資格としても適しています。ITパスポートで学んだ基礎知識をベースに、より実践的なセキュリティ対策やリスクマネジメントについて学べるため、キャリアの幅を広げたい方や、将来的に情報管理の責任者を目指す方に最適です。こうした点から、本試験は幅広いビジネスパーソンにとって価値ある資格といえます。
情報セキュリティマネジメント試験の基本情報
情報セキュリティマネジメント試験を受ける際に知っておきたい、試験日程や会場、受験料や申込方法などの基本情報をまとめました。忙しい方や初めて受験する方でも、スムーズに準備できるようポイントを整理しています。
情報セキュリティマネジメント試験の概要
|
項目 |
内容 |
|---|---|
|
試験名称 |
情報セキュリティマネジメント試験(SG) |
|
実施団体 |
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)/経済産業省所管 |
|
実施方式 |
CBT(Computer Based Testing)方式 |
|
試験日程 |
通年(随時。年末年始など一部期間を除く) |
|
試験時間 |
120分 |
|
出題数 |
全60問(科目A48問+科目B12問) |
|
合格基準 |
総合評価点1,000点満点中600点以上(IRT方式) |
|
受験料 |
7,500円(税込) |
|
受験資格 |
年齢・国籍などの制限なし |
※上記は2026年(令和8年)7月時点の情報です。最新情報はIPA公式サイトでご確認ください。
出典:情報セキュリティマネジメント試験とは|試験情報|IPA独立行政法人情報処理推進機構
試験はいつ?どこで受けられる?
実施方式
情報セキュリティマネジメント試験は、CBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。これは、全国の専用会場に設置されたパソコンを使って受験する方式です。なお、CBT方式自体は2020年(令和2年)12月から導入されています。
受験日・会場
年末年始など一部期間を除き、ほぼ通年で受験が可能です。ご自身の都合に合わせて、日時や会場を選ぶことができます。会場は全国各地にあり、最寄りの会場をマイページから検索・予約できます。
申込方法
インターネットから随時申し込みが可能です。申し込み後、空席状況に応じて受験日を予約できます(予約可能となる時期の詳細はIPA公式・株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズの案内をご確認ください)。
特別措置試験
身体の不自由などによりCBT方式での受験が難しい場合は、春期(4月)と秋期(10月)の年2回、筆記方式による特別措置試験を受けられます(申込には受験が困難であることを証明する書類が必要です)。
どんな内容が出題されるの?
情報セキュリティマネジメント試験では、現場で実際に役立つ知識やスキルが幅広く問われます。試験は「科目A」と「科目B」の2つに分かれており、それぞれ出題範囲や問題形式に特徴があります。ここでは、どのような内容が出題されるのか、具体的に見ていきましょう。
セキュリティの基礎知識
まず科目Aでは、情報セキュリティに関する幅広い基礎知識が問われます。理論だけでなく実践的な知識もバランスよく出題されるのが特徴です。
科目Aの主な出題範囲
|
分野 |
主な内容 |
|---|---|
|
情報セキュリティ全般 |
機密性・完全性・可用性(情報セキュリティの3要素)、脅威や脆弱性の種類、サイバー攻撃の手法(マルウェア、不正アクセスなど)、暗号や認証の仕組み |
|
情報セキュリティ管理 |
情報資産の管理方法、リスクアセスメントやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、インシデント管理、CSIRT(インシデント対応組織) |
|
情報セキュリティ対策 |
マルウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アクセス管理、セキュリティ教育や啓発活動 |
|
情報セキュリティ関連法規 |
サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法など |
|
テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系 |
ネットワークやデータベースの基礎、システム監査、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、システム戦略や企業活動、法務 |
法律やリスク管理、インシデント対応など
科目Bでは、より実践的な内容が問われます。実際の業務で起こりうるケーススタディをもとに、情報セキュリティ管理の実践力が求められます。
科目Bの主な出題範囲
|
分野 |
主な内容 |
|---|---|
|
情報資産管理 |
情報資産の特定や価値の明確化、管理責任の設定、情報資産台帳の作成・維持など |
|
リスクアセスメント |
リスクの特定・分析・評価、リスク対応策の検討と計画策定 |
|
インシデント対応 |
セキュリティインシデントの発見、初動対応、分析・復旧、再発防止策の提案・実施 |
|
委託先管理 |
外部委託先のセキュリティ調査や管理、契約終了時の対応 |
|
教育・訓練 |
情報セキュリティ教育・訓練の実施、意識向上活動 |
|
コンプライアンス |
法令遵守のための指導や評価、組織内規程の見直し |
|
継続的改善 |
情報セキュリティマネジメントの運用と改善、最新動向の把握と対応 |
以上のように、情報セキュリティマネジメント試験は、単なる知識だけでなく、現場での実践力や問題解決能力も問われる内容です。国際規格や最新のガイドラインに基づいた出題も多く、時代の変化に対応できる人材の育成を目的としています。
問題の形式や合格ラインは?

情報セキュリティマネジメント試験は、出題形式や合格基準が明確に定められており、受験前にしっかりと把握しておくことが重要です。ここでは、実際の問題の出題形式や配点、合格ラインについて詳しく解説します。
四肢択一式・多肢選択式の特徴
科目Aと科目Bの違いを整理すると、以下のとおりです。
|
項目 |
科目A |
科目B |
|---|---|---|
|
出題形式 |
四肢択一式(4つの選択肢から1つ選ぶ) |
多肢選択式(選択肢から最適なものを選ぶ) |
|
問題数 |
48問 |
12問 |
|
出題内容 |
知識を問う小問形式(セキュリティ分野約30問、法務約4問、その他テクノロジ・マネジメント・ストラテジ系分野から約14問) |
実際の業務を想定したケーススタディ形式(情報漏えい事故の初動対応、リスクアセスメントの進め方、委託先管理、教育・訓練の方法など) |
|
特徴 |
短い問題文が多く、1問ごとに独立。用語の意味や違いなど基礎知識の正確さが求められる |
状況把握力・判断力・応用力が問われる。文章量が多い問題もあり、実務での対応力・問題解決力が重視される |
CBT(Computer Based Testing)方式で実施されるため、会場のパソコンを使って解答します。身体の事情などでCBT方式が難しい場合は、年2回の筆記方式による特別措置試験も用意されています。
出典:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2025年度(令和7年度))|試験情報|IPA独立行政法人情報処理推進機構
合格点や配点の仕組み
採点はIRT(項目応答理論)方式で行われ、科目A・Bを合わせた総合評価点(1,000点満点)が600点以上で合格となります。現行制度では、旧制度(午前・午後)のように各区分で基準点を満たす方式ではなく、両科目を合わせた総合評価点のみで判定されます。各問題の配点は公開されていませんが、難易度や正答率などに応じて評価される仕組みです。試験は通年で実施されており、受験者の都合に合わせて日時や会場を選べるため、忙しい方でも挑戦しやすいのが特徴です。
以上のように、情報セキュリティマネジメント試験は知識問題と実践問題の両方がバランスよく出題され、総合力が問われる試験です。合格ラインや出題形式をしっかり理解し、効率的に対策を進めましょう。
勉強に役立つ公式資料や教材
情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、出題範囲を正確に把握し、自分に合った教材で効率よく学習することが大切です。ここでは、公式資料の活用法やおすすめ教材について詳しく紹介します。
IPA公式シラバスの使い方
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開している「公式シラバス」は、試験の出題範囲や学習ポイントを体系的にまとめた公式ガイドです。シラバスには、科目A・Bそれぞれについて「求められる知識」と「求められる技能」が細かく整理されており、どの分野をどの程度学習すればよいかを明確に把握できます。
活用ポイント
- 出題範囲や重要ポイントを確認し、学習計画を立てる際の指針に活用できる
- 苦手分野や見落としがちな項目を早めに確認できる
- 試験対策の最初と最後に目を通しておくと安心
なお、シラバスは改訂されることがあるため、学習前に必ず最新版(2025年(令和7年)4月公開のVer.4.1)を確認しましょう。
おすすめテキストや過去問、オンライン教材
情報セキュリティマネジメント試験は、公式テキストや過去問題集、オンライン講座など多様な教材が用意されているため、自分の学習スタイルに合わせて選ぶことができます。
|
教材の種類 |
特徴 |
|---|---|
|
公式テキスト・参考書 |
各出版社から試験範囲に準拠したテキストが多数出版。初学者向けから解説が詳しいものまで種類が豊富 |
|
過去問・問題集 |
繰り返し解くことで出題傾向や問題形式に慣れられる。無料で利用できるWebサイトも多数 |
|
オンライン講座・動画教材 |
最新シラバスに対応した解説動画や直前対策講座が公開されている |
|
企業・専門学校の講座 |
実務経験豊富な講師による対策講座。短期間で効率よく学びたい方に適している |
このように、公式シラバスを軸に過去問やテキスト、オンライン教材を組み合わせて学習することで、効率よく合格を目指すことができます。自分に合った方法で、計画的に学習を進めましょう。
会社や学校での活用例

情報セキュリティマネジメント試験は、企業や学校などさまざまな現場で活用されています。サイバー攻撃や情報漏えいといったリスクが高まる中、組織全体のセキュリティ意識向上や人材育成の一環として、資格取得を推奨・導入する事例が増えています。
企業での資格取得推奨例
多くの企業では、情報セキュリティ対策の強化や社員のスキルアップを目的に、情報セキュリティマネジメント試験の取得を推奨しています。たとえば、営業職やエンジニア職など幅広い職種のスタッフに資格取得を奨励し、社内教育や受験サポートを行う企業もあります。また、金融機関や大手メーカーでは、顧客情報の管理や情報漏えい対策の一環として、社員の受験を促したり、合格者に奨励金を支給したりするケースも見られます。この資格を取得することで、従業員のセキュリティ意識や知識が向上し、組織全体の情報セキュリティレベルの底上げが期待できます。また、実力診断や人事評価、昇進・昇格の基準として活用するケースも見られます。
学校でのカリキュラム導入事例
大学や専門学校、高等学校でも、情報セキュリティ教育の一環として情報セキュリティマネジメント試験の対策講座やカリキュラムを導入する事例が増えています。IT系学部だけでなく、ビジネス系や文系学部でも、社会で必要となるセキュリティ知識を身につけるための教材として活用されています。学生が在学中に資格を取得することで、就職活動時のアピールポイントになるだけでなく、企業や組織で活躍するための基礎力を養えます。また、情報セキュリティに関する実践的な演習やケーススタディを通じて、現場で役立つスキルを身につけることができます。このように、情報セキュリティマネジメント試験は、企業の人材育成や学校教育の現場で幅広く活用されており、組織全体のセキュリティ強化に貢献しています。
合格率や受験者の特徴は?
情報セキュリティマネジメント試験は、他の国家試験と比べて合格率が高く、幅広い層が受験しているのが特徴です。近年の合格率は、おおむね70%前後で推移しています。
近年の合格率
|
年度 |
合格率 |
|---|---|
|
2023年度(令和5年度) |
72.6%(受験36,362名・合格26,398名) |
|
2024年度(令和6年度) |
69.0%(受験41,657名・合格28,731名) |
|
2025年度(令和7年度) |
70.0%(受験45,924名・合格32,141名) |
初回の2016年度(平成28年度)春期は約88%と高水準でしたが、その後の旧制度下では40〜50%台まで低下しました。しかし、2023年(令和5年)4月の新試験制度(科目A・B方式・通年実施)への移行後は、再び70%前後で推移しています。
しっかりと学習すれば多くの受験者が合格水準に到達できる試験といえます。
出典:統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)|試験情報|IPA独立行政法人情報処理推進機構
どんな人が受けている?
情報セキュリティマネジメント試験の受験者は、非常に幅広い層に広がっています。
情報セキュリティマネジメント試験の受験者と特徴
|
受験者層 |
特徴 |
|---|---|
|
社会人 |
企業の情報セキュリティ担当者やIT部門の社員に加え、営業や管理部門などIT以外の職種も多い。セキュリティ意識向上やキャリアアップを目指す層に人気 |
|
学生 |
大学生・専門学校生の受験が年々増加。就職活動のアピールや基礎的なITリテラシーの証明として活用 |
|
IT未経験者・独学受験者 |
未経験からの挑戦や独学も多い。通信講座やオンライン教材を活用して効率的に学ぶケースが増加 |
このように、情報セキュリティマネジメント試験はITの専門家だけでなく、幅広い層がチャレンジしやすい国家試験です。ご自身のキャリアやスキルアップに合わせて受験できる点が大きな魅力となっています。
他のIT系資格との違い
情報セキュリティマネジメント試験は、ITパスポートや基本情報技術者試験とよく比較されますが、それぞれに明確な違いがあります。ここでは、対象者や出題内容、重視されるスキルなどの観点から、その特徴を詳しく解説します。
ITパスポートや基本情報技術者試験との違い
3つの資格の違いを整理すると、以下のとおりです。
|
資格 |
スキルレベル |
主な対象 |
出題内容の特徴 |
|---|---|---|---|
|
ITパスポート |
レベル1 |
ITを利活用するすべての社会人 |
IT全般の基礎知識が中心。範囲は幅広く難易度は比較的低め |
|
情報セキュリティマネジメント試験 |
レベル2 |
ITの安全な利活用を推進する者 |
情報セキュリティ分野に特化。管理策・法規・リスク対応など実務寄り |
|
基本情報技術者試験 |
レベル2 |
ITエンジニア・技術者 |
アルゴリズム・プログラミング・システム開発など技術的内容が中心 |
このように、情報セキュリティマネジメント試験は「ユーザー視点」、基本情報技術者試験は「技術者視点」が強いという違いがあります。
技術者向けとユーザー向けの違い
情報セキュリティマネジメント試験は、ITを活用する現場の管理者や一般社員、情報管理担当者など「ユーザー側」に重きを置いた資格です。技術的な知識だけでなく、現場で活かせるマネジメント力やリスク対応力、法令遵守の意識などが重視されます。一方、基本情報技術者試験は、ITシステムの設計・開発・運用に携わる「技術者側」を想定しており、プログラミングやアルゴリズムなど、より専門的な技術力が問われます。このように、情報セキュリティマネジメント試験は「実務で情報を安全に扱う力」「マネジメント力」を重視し、ITパスポートや基本情報技術者試験とは対象者や学ぶ内容に明確な違いがあります。ご自身のキャリアや目指す業務内容に合わせて、最適な資格を選ぶことが大切です。
つまずきやすいポイントと対策

情報セキュリティマネジメント試験は、しっかり準備すれば合格しやすい試験ですが、油断や準備不足でつまずいてしまう方も少なくありません。ここでは、よくある失敗例とその対策、効率的な学習法を具体的にご紹介します。
よくある失敗例
|
失敗例 |
対策 |
|---|---|
|
科目Bの対策不足 |
現行制度では科目A・Bを合わせた総合評価点(1,000点満点中600点以上)で合否が判定される。ケーススタディ中心の科目Bは対策が手薄になりがちなため、両科目をバランスよく学習する |
|
苦手分野の放置 |
後回しにすると同種の問題で繰り返し失敗。セキュリティ用語・法律・マネジメントなど苦手分野は早めに把握し重点復習 |
|
時間配分のミス |
本番で解ききれないケースあり。特に科目Bは文章量が多いため、読むスピードと解答時間の配分を意識 |
|
勉強時間が足りない |
「簡単そう」と油断して不足するケースも。必要な学習時間は情報源により幅があり、前提知識によって大きく異なるため、余裕を持った計画を立てる |
最近の出題傾向やトピック
情報セキュリティマネジメント試験では、時代の変化や社会情勢に合わせて出題内容がアップデートされています。ここでは、近年よく出題されているテーマや最新の傾向について詳しく解説します。
最新の法改正やセキュリティ事情
近年は、個人情報保護法などの法改正や、最新のセキュリティ動向が試験問題に反映されるケースが増えています。サイバー攻撃の高度化や多様化を背景に、法令遵守やリスクマネジメント、情報漏えい対策など、現場で直面しやすいトピックが重視される傾向です。また、マイナンバー制度やGDPR(EU一般データ保護規則)など、国際的な法規制や社会的課題についても出題されることがあります。さらに最新シラバス(Ver.4.1)では「情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダ責任制限法を改正・改称した法律)」も出題範囲となりました。
最近よく出るテーマ
インシデント対応やクラウドセキュリティ、ゼロトラスト、テレワーク環境のセキュリティ対策といった、時代に合わせた実践的なテーマが増えています。特に、クラウドサービスの普及に伴うデータ管理やアクセス制御、インシデント発生時の初動対応や報告手順など、実務で役立つ知識がよく問われます。さらに、AIやIoTといった最新技術に関連するリスクや、サプライチェーン攻撃など新手の脅威への対応策も注目されています。このように、情報セキュリティマネジメント試験は「最新の法改正」「現場での対応力」「新しい技術や脅威への理解」といった、実践的かつ時事性の高い内容が重視されています。日々変化するセキュリティ事情を意識し、最新の情報に触れながら学習を進めることが合格への近道です。
資格を取るとどんなメリットがある?
情報セキュリティマネジメント試験を取得することで、個人のスキルアップはもちろん、職場やキャリアにさまざまなプラスの効果が期待できます。ここでは、主なメリットについて詳しく解説します。
|
メリット |
内容 |
|---|---|
|
信頼度アップ・キャリアアップ |
情報セキュリティに強い人材としての信頼が高まり、昇進や転職の際にも有利。履歴書・職務経歴書での客観的なアピール材料になる |
|
他の資格へのステップアップ |
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験など、より高度なIT系資格への土台となる |
|
実務で役立つ知識の習得 |
情報セキュリティ管理・リスクアセスメント・インシデント対応など、実務に直結する知識が体系的に身につく |
このように、情報セキュリティマネジメント試験は「信頼度アップ」「キャリアアップ」「実務力向上」「さらなる資格へのステップ」といった多くのメリットがあり、今後のキャリア形成に役立つ資格です。
受験までの流れと申し込み方法
情報セキュリティマネジメント試験は、全国の会場で年間を通じて随時受験でき、申し込みもすべてWebで完結します。初めて受験する方でも迷わず手続きできるよう、具体的な流れやポイントを詳しく解説します。
利用者IDの取得方法
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の試験申込サイト(株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ運営)にアクセスします。
- 「利用者ID新規作成」または「初めての方」を選択し、個人情報保護方針や説明事項に同意します。
- メールアドレスを登録し、届いた本登録用URLから基本情報を入力して登録を完了します。
- 利用者IDとパスワードを取得したら、マイページにログインできるようになります。
IDやパスワードは今後も必要になるため、必ず控えておきましょう。
受験日や会場の選び方、申し込み手順
- マイページにログインし、「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」を選択します。
- CBT試験申込メニューから申し込みを進めます。
- 試験区分の選択、アンケートへの回答、会場・日時の選択、住所や登録情報の入力、支払い方法の選択など、画面の案内に従って手続きを行います。
- 全国の指定会場から都合の良い日程と場所を選択できます。空き状況もWeb上で確認可能です。
- 申し込みが完了すると、登録メールアドレスに受験予約完了の通知が届きます。受験票はマイページからダウンロードし、印刷して当日持参します。
申し込み内容や会場の変更、キャンセルなどもマイページから手続き可能です。ID取得から会場予約、受験票ダウンロードまですべてWeb上で完結するため、ご自身のスケジュールに合わせて柔軟に受験できるのが大きな特徴です。
出典:情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式)|試験情報|IPA独立行政法人情報処理推進機構
効率的な勉強法

情報セキュリティマネジメント試験に合格するためには、限られた時間の中で効率よく学習を進めることが重要です。ここでは、公式テキストや過去問の活用法、模擬試験やケーススタディの取り入れ方など、実践的で効果的な勉強法について詳しく解説します。
公式テキストや過去問の活用法
まずは自分に合った公式テキストや参考書を選び、基礎知識をしっかり身につけましょう。分かりやすいテキストを使うことで、学習効率が大きく向上します。その後、過去問や予想問題を繰り返し解いて出題傾向や問題形式に慣れることが大切です。実際の演習を通じて、よく出るパターンや自分の苦手分野を把握できます。本番と同じ時間で解くことで、時間配分の感覚も養われます。試験直前は特に実戦形式での反復演習を重視しましょう。
模擬試験やケーススタディのすすめ
多くの通信講座や参考書には模擬試験やケーススタディが付属しています。これらを活用して、本番さながらの環境で実践力を高めておきましょう。模擬試験を受けることで、実際の試験の流れや自分の実力を客観的に把握できます。間違えた問題や分からなかった部分は、必ず解説を読んで復習し、知識の穴を埋めていくことが不可欠です。ケーススタディ問題は、実際の業務を想定した応用力が問われるため、過去問やサンプル問題で十分に練習しておくと安心です。このように、公式テキストで基礎を固め、過去問や模擬試験で実践力を高めることが、情報セキュリティマネジメント試験合格への近道です。自分の弱点を把握し、計画的に学習を進めていきましょう。
まとめ
情報セキュリティマネジメント試験は、情報社会を生きる私たちにとって身近で実用的な国家試験です。サイバー攻撃や情報漏えいのニュースが日常的に報じられる今、情報を「守る力」はどの業界・職種でも求められるスキルになっています。この試験では、セキュリティの基本から、リスク管理やインシデント対応、法令知識まで幅広く学べるため、IT未経験からでも計画的に学習を進めれば十分に挑戦できる資格です。また、試験は通年で実施されており、ご自身のスケジュールに合わせて受験できるのも大きな魅力です。公式テキストや過去問、オンライン教材など学習リソースも充実しているので、忙しい社会人や学生でも無理なく勉強を進められます。合格すれば、社内外での信頼度が高まるだけでなく、キャリアアップや転職活動の際にもアピールポイントになります。企業によっては資格取得を推奨しているところもあり、今後も需要が高まることが予想されます。
なお、IPAは2027年度(令和9年度)から情報処理技術者試験の新試験制度への移行を予定しています。受験を検討する際は、試験時期に応じて最新の制度・出題範囲の情報を公式サイトで確認することをおすすめします。
情報セキュリティマネジメント試験は、ITパスポートからのステップアップにも適しており、「情報を守れる人材」として活躍したい方に向いている資格です。
よくある質問(FAQ)
Q1.情報セキュリティマネジメント試験とは何ですか?
A1.組織の情報セキュリティを守るための知識やスキルを認定する国家試験です。
Q2.どんな人が受験対象ですか?
A2.IT部門だけでなく、個人情報を扱う従業員や管理部門の方に広く推奨されています。
Q3.試験の実施時期はいつですか?
A3.年間を通じて随時受験できる通年試験です(システム更新などにより一部期間で休止する場合があります)。
Q4.試験の形式は?
A4.CBT方式で、120分間に全60問(科目A=四肢択一式48問、科目B=多肢選択式12問)が出題されます。
Q5.合格基準は?
A5.IRT(項目応答理論)による総合評価点が、1,000点満点中600点以上で合格です。旧制度と異なり、現在は両科目を合わせた総合評価点のみで合否が判定されます。
Q6.受験料はいくらですか?
A6.税込7,500円です。
Q7.受験資格に制限はありますか?
A7.年齢や国籍などの制限はありません。
監修者
横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。
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