情報セキュリティとは?3要素や対策をわかりやすく解説!
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はじめに
「情報セキュリティって一体何?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。企業や日常生活においても、情報セキュリティは欠かせないものです。しかし、その概念や実際にどんな対策が必要なのか、理解するのは少し難しいかもしれません。この記事では、情報セキュリティの基本である「機密性」「可用性」「完全性」の3つの要素に加え、セキュリティ対策やポリシー、企業が気をつけるべきポイントまで、簡単に解説します。これを読めば、情報セキュリティについての理解が深まり、実践的な対策を知ることができるでしょう。
情報セキュリティとは?基本的な概念と重要性
情報セキュリティは、情報を保護するための技術、プロセス、ポリシーを指し、企業や個人が安全にデータを管理するために欠かせません。情報漏洩や不正アクセスなど、セキュリティ侵害を防ぐために、企業や個人はセキュリティの基盤を固める必要があります。
情報セキュリティの目的
情報セキュリティは、一般に「情報の機密性・完全性・可用性(CIA)を確保すること」を中心概念とし、必要に応じて真正性、責任追跡性、否認防止、信頼性などの特性も含めて扱われます。
また、ISO/IEC 27001は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項を定めた規格であり、ISMSはリスクマネジメントを通じて情報の機密性・完全性・可用性の確保を目的とします。
情報は、企業にとって非常に大切な資産であり、その安全性を確保することは、信頼性の向上や法的コンプライアンスにも繋がります。
情報セキュリティの役割は、データの機密性、完全性、可用性を守り、企業活動の継続性を確保することです。企業が直面するリスクを最小化し、競争力を高めるためにも、情報セキュリティの強化が不可欠です。
情報セキュリティの定義
- データの機密性、完全性、可用性を保護するための技術的、物理的、または管理的手段
- 不正アクセス、情報漏洩、データの改竄、消失から情報を守る
- 組織の全体的な安全文化の一環として実施される
情報セキュリティの役割
- 機密性:認可された人のみ情報にアクセスできるよう制限すること
- 完全性:情報が正確かつ改ざんされていない状態を保つこと
- 可用性:必要なタイミングで情報が利用できる状態を維持すること
出典:ISO IEC 27001解説|ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)
出典:情報セキュリティ10大脅威2025|情報処理推進機構(IPA)
企業が守るべき情報資産とは?
企業が守るべき情報資産について解説します。企業の情報資産には、顧客情報、社員データ、財務情報、知的財産などが含まれます。また、企業は、個人情報保護法・GDPR等の法令を遵守し、クラウドサービスやIoTデバイスに関する情報も含め多様な資産を管理・保護する必要があります。
これらは企業の運営に欠かせない要素であり、外部からの不正アクセスや内部からの漏洩を防ぐために厳重に管理しなければなりません。
さらに、企業の機密情報は、競合他社との競争においても重要な要素となるため、その保護は企業の持続的成長にとって極めて大切です。
企業が守るべき情報資産の例
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種類 |
内容 |
|---|---|
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顧客情報 |
顧客の個人情報、取引履歴、連絡先など、顧客に関するデータ |
|
社員データ |
従業員の個人情報、給与情報、評価記録など |
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財務情報 |
会計データ、銀行口座情報、財務報告書など |
|
知的財産 |
特許、商標、著作権、ノウハウなどの企業独自の知識や技術 |
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取引先情報 |
取引先の契約内容、商談履歴、協力関係の詳細 |
情報資産の保護方法
- アクセス制御:情報にアクセスできる人物を制限する
- データ暗号化:データを暗号化して不正アクセスを防ぐ
- バックアップ:データを定期的にバックアップして消失に備える
- 定期的な監査:セキュリティポリシーの遵守を確認するための監査実施
出典:国民のためのサイバーセキュリティサイト 用語集|総務省
出典:情報セキュリティの最新動向「情報セキュリティ10大脅威」|厚生労働省
情報セキュリティの3大要素

情報セキュリティにおける3大要素である「機密性」「完全性」「可用性」は、情報が適切に管理され、保護されるための基本的な柱となります。企業や組織が情報セキュリティを強化するためには、これらの要素を理解し、実行可能な対策を講じることが不可欠です。
機密性(Confidentiality)の重要性
情報の機密性は、許可された人だけがアクセスできることを意味します。企業にとって、顧客データや従業員情報など、機密情報を適切に保護することは極めて大切です。
機密性が守られない場合、データ漏洩や不正アクセスなどのリスクが高まります。これを防ぐためには、強固なアクセス制御、データの暗号化、パスワード管理、そして従業員教育などの対策が必要です。
また、機密情報を取り扱う従業員やパートナーに対しても、明確な守秘義務を課し、ポリシーを遵守させることが求められます。
機密性を守るための主な方法
- アクセス制御:機密情報へのアクセス権を厳密に制限し、必要な人だけにアクセスを許可する。
- データ暗号化:データが外部に漏洩しても読み取れないように暗号化する。
- パスワード管理:強力なパスワードポリシーを設定する。
- 二段階認証:ユーザー認証のセキュリティを強化するために二段階認証を実施する。
- セキュリティ教育:従業員に対して定期的なセキュリティ教育を実施し、機密情報の取り扱いについて周知する。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
完全性(Integrity)を保つための方法
完全性は、情報が正確であり、変更されていないことを保証することを意味します。情報が改竄されていないことを確保するためには、データの検証、バックアップ、監査機能の導入が効果的です。
企業は、データの変更履歴を追跡できるシステムを導入し、不正な変更があった場合に即座に発見できる体制を整えるべきです。また、データ送信時には、暗号化と検証手段を用いることが求められます。これにより、情報の整合性を保ち、信頼性を向上させることができます。
完全性を守るための主な方法
- データ検証:受け取ったデータが正しいかをチェックするため、データ検証ツールを使用する。
- バックアップ:定期的にデータをバックアップし、情報が損失した際に迅速に復元できるようにする。
- アクセスログの監視:すべてのデータへのアクセスをログとして記録し、不正な変更がないか監視する。
- 暗号化:データが改ざんされないよう、送信時にデータを暗号化して保護する。
- ハッシュ関数:ファイルやデータの整合性をチェックするため、ハッシュ関数を用いて検証する。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
可用性(Availability)確保の重要性
可用性は、必要なときに情報が利用可能であることを意味します。システムやデータが障害などで利用できなくなることを防ぐために、冗長化やバックアップ、災害対策が大切です。
特に、ビジネスにおいては情報の可用性が重要で、ダウンタイムが発生すると業務に支障をきたすことになります。定期的なバックアップ、サーバーやネットワークの冗長化、障害発生時の早急な復旧手順を確立することで、可用性を確保し、事業継続性を支えることができます。
可用性を確保するための主な方法
- 冗長化:システムの重要な部分(サーバー、ネットワークなど)を複製して、障害時にもサービスが停止しないようにする。
- バックアップ:データの定期的なバックアップを行い、障害発生時に迅速に復元できる体制を整える。
- 災害対策:自然災害や人為的な障害に備えた、災害復旧計画(DRP)を策定し、定期的にテストを実施する。
- 監視システム:システムの状態を常に監視し、障害や問題を早期に検出して対応する。
- 負荷分散:複数のサーバーやネットワークを活用して、トラフィックを分散させ、過負荷状態を防ぐ。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
情報セキュリティにおける7つの要素
ここでは、情報セキュリティにおける7つの要素について解説します。情報セキュリティは、情報の保護とその管理に関する基本的な概念に加え、技術的・管理的手段を組み合わせて運用されます。
これらの要素は、企業や組織が安全な情報管理体制を確立するために不可欠です。7つの要素を理解し、実行可能な対策を講じることが、情報セキュリティを強化するための鍵となります。
基本の3要素(機密性、完全性、可用性)
情報セキュリティの3要素(CIA:Confidentiality 機密性・Integrity 完全性・Availability 可用性)は、ISO/IEC 27001等公式規格で基本とされています。
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要素 |
定義と対策の概要 |
|---|---|
|
機密性(Confidentiality) |
許可された人物にのみ情報がアクセスできる状態を維持すること。アクセス制御やデータ暗号化が必要です。 |
|
完全性(Integrity) |
情報が改ざんされず、正確かつ一貫性を保つことを保証すること。監視体制、検証方法の強化、データ変更履歴の追跡などが有効です。 |
|
可用性(Availability) |
必要なときに情報がアクセス可能であることを保証すること。システム障害や災害に備えたバックアップ、冗長化が大切です。 |
出典:情報セキュリティの3要素 情報セキュリティ対策の基礎|NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)
追加の4要素:真正性、信頼性、責任追跡性、否認防止
ここでは、情報セキュリティにおける追加の4要素について解説します。これらの要素は、基本の3要素に加えて、さらに高度なセキュリティ対策を求めるものです。
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要素 |
定義/特性 |
|---|---|
|
真正性 |
通信やデータ、利用者等が偽装されていないこと (正当であること)を確からしくする特性。 |
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信頼性 |
システムやサービス等が意図したとおり一貫して動作すること(期待した結果が得られること)に関する特性。 |
|
責任追跡性 |
情報へのアクセス履歴や操作履歴を記録し、誰がいつどのように情報を操作したかを追跡できる体制を作ること。アクセスログの管理が必須です。 |
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否認防止 |
情報の送信者が後で送信を否認できないようにし、情報の送信や処理が証明できるようにすること。これには、電子署名やタイムスタンプが効果的です。 |
出典:クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)|総務省
出典:暗号鍵管理ガイダンス Part 1|情報処理推進機構(IPA)
出典: ISO/IEC 27001
情報セキュリティリスクと企業への影響

企業は顧客データや機密情報を保護する必要があり、リスクには漏洩、改竄、損失、不正アクセスなどがあります。これらのリスクは企業の信頼性や業務継続性に直接影響を及ぼし、適切なリスク管理は競争力維持や法的コンプライアンス遵守に不可欠です。
情報セキュリティにおけるリスクとは?脅威と脆弱性
情報セキュリティにおけるリスクは、脅威と脆弱性の組み合わせから成り立っています。脅威は、情報資産に対して悪影響を及ぼす可能性がある出来事や行為(例えば、サイバー攻撃や自然災害)を指します。
一方、脆弱性は、情報資産を脅威から守るための防御が不十分である状態を意味します。例えば、システムにセキュリティホールがあったり、パスワードが弱かったりする場合です。
リスク管理では、これらの脅威と脆弱性を評価し、企業に適した対策を講じることが求められます。企業は、脅威と脆弱性を識別して、リスクを最小限に抑えるための計画を立てる必要があります。
脅威と脆弱性を管理するための対策
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要素 |
定義 |
例 |
対策 |
|---|---|---|---|
|
脅威 |
情報資産に悪影響を及ぼす可能性がある出来事や行為 |
サイバー攻撃、自然災害、内部の不正行為 |
セキュリティ対策(防火壁、監視システム、訓練) |
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脆弱性 |
情報資産を保護する防御手段が不十分である状態 |
古いソフトウェア、セキュリティパッチ未適用、弱いパスワード |
定期的なセキュリティ更新、アクセス管理の強化、強力なパスワード |
|
リスク |
脅威と脆弱性の組み合わせによる潜在的な危険 |
ハッキングによる情報漏洩、業務の中断 |
リスク評価、リスク対応計画の策定、バックアップ対策 |
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
企業のセキュリティ事故事例とその影響
情報セキュリティインシデントが発生した場合、企業には深刻な影響が及ぶ可能性があります。
例えば、ある大手企業が顧客データベースに不正アクセスされ、数百万件の個人情報が漏洩したケースがあります。このような事例では、企業の信頼性が損なわれ、顧客の信用を失うだけでなく、法的責任や賠償金が発生することもあります。
さらに、企業の業務が一時的に停止し、金銭的な損失が大きくなることもあります。これらのリスクを回避するためには、事前に対策を講じ、インシデント発生時に迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。
事故事例とその影響
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事故事例 |
発生したリスク |
影響 |
対策 |
|---|---|---|---|
|
顧客データ漏洩(企業名不明) |
顧客の個人情報が外部に流出 |
顧客の信頼失墜、ブランドイメージの低下、法的責任、賠償金 |
顧客データの暗号化、アクセス制限、セキュリティ監査 |
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ランサムウェア攻撃(大手企業) |
システムがロックされ、業務が停止 |
事業継続性への影響、データ損失、金銭的損害、運営コストの増加 |
定期的なバックアップ、マルウェア対策、社員教育 |
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内部不正(金融機関) |
従業員による不正アクセスと情報漏洩 |
内部統制の不備、企業の評判損失、監督機関からの罰則 |
内部監査、アクセス制御の強化、従業員教育 |
出典:中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査- 事例集 –|情報処理推進機構(IPA)
脅威の分類(意図的脅威、偶発的脅威、環境的脅威)
情報セキュリティの脅威は、大きく3つに分類されます。意図的脅威は、悪意を持った人物や団体による攻撃(例:ハッキングやフィッシング)で、最も深刻なリスクを引き起こします。
これらの攻撃は、企業の情報を盗むことや破壊することを目的としています。偶発的脅威は、人為的ミスや不注意によって発生するリスク(例:間違った操作によるデータ消失や誤送信)で、意図的ではないものの、企業に大きな影響を与える可能性があります。
環境的脅威は、自然災害や物理的な設備故障など、企業のシステムに外的な影響を及ぼすもの(例:地震、火災、洪水)です。これらの脅威に対しては、事前の準備や対応策を強化することが求められます。
脅威の分類と対策
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脅威の種類 |
定義 |
例 |
対策 |
|---|---|---|---|
|
意図的脅威 |
悪意のある人物や団体による攻撃 |
ハッキング、フィッシング、マルウェア攻撃 |
防火壁、暗号化、セキュリティ監視システム、社員教育 |
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偶発的脅威 |
人為的ミスや不注意によって発生するリスク |
間違った操作によるデータ消失、誤送信 |
操作手順の明確化、ユーザー認証、二段階認証 |
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環境的脅威 |
自然災害や物理的な要因によるリスク |
地震、洪水、火災、停電 |
災害復旧計画(DRP)、バックアップ、冗長化システム、耐障害設計 |
出典:地方公共団体における情報資産のリスク分析・評価に関する手引き|総務省
情報セキュリティ事故と企業の対応方法
ここでは、情報セキュリティ事故が企業に与える影響と対応方法について解説します。これらの事故は企業の信頼性やブランドイメージ、業務継続性に深刻な影響を及ぼします。事故発生後の迅速で適切な対応が重要であり、リスク管理や事前準備も欠かせません。事故後の適切な対応が損害を最小限に抑えるために不可欠です。
標的型攻撃やランサムウェアなど、実際の事故事例
近年、標的型攻撃やランサムウェア攻撃は、企業にとって深刻な脅威となっており、これらの攻撃はますます巧妙化しています。
例えば、企業の特定の部門や担当者を狙って情報を盗む標的型攻撃や、システムをロックして金銭を要求するランサムウェア攻撃は、企業のデータや業務に甚大な損害を与える可能性があります。これらの実際の事例を通じて、企業が直面するリスクやその対応策を理解することが重要です。
実際の事故事例とその影響
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事故事例 |
発生したリスク |
影響 |
対策 |
|---|---|---|---|
|
標的型攻撃(大手企業) |
特定の部門や担当者を狙った攻撃(フィッシングメール) |
機密情報の漏洩、業務停止、顧客信頼の損失 |
セキュリティ教育の強化、メールフィルタリング、アクセス制御 |
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ランサムウェア攻撃(中小企業) |
システムのロック、金銭を要求 |
データ損失、業務中断、金銭的損害 |
定期的なバックアップ、ウイルス対策ソフトの導入、ネットワーク隔離 |
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内部不正(金融機関) |
従業員による不正アクセスと情報漏洩 |
企業の評判損失、監督機関からの罰則 |
内部監査、アクセス制御の強化、従業員教育 |
出典:中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査- 事例集 –|情報処理推進機構(IPA)
事故後の対応方法と企業が行うべき初動対応
事故が発生した際、企業はまず迅速に被害状況を把握し、適切な初動対応を行うことが求められます。初動対応としては、システムの隔離やネットワークの切断、被害の拡大を防ぐための応急措置が重要です。
また、関係者への報告やコミュニケーションを早急に行い、事後の対応に備えることが必要です。さらに、事故後の対応をしっかりと記録し、将来的な改善策に繋げるための評価と報告を行うことも欠かせません。
初動対応のポイント
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初動対応項目 |
詳細 |
対応方法 |
|---|---|---|
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システムの隔離 |
感染したシステムやネットワークを切り離し、被害の拡大を防ぐ |
影響範囲を把握し、すぐにネットワーク接続を切断する |
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被害状況の評価 |
事故の範囲を特定し、影響を評価する |
どのデータが損失または改ざんされたかを調査、確認する |
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迅速な報告と連絡 |
事故発生時には関係者に迅速に報告する |
経営層や法的機関、セキュリティ担当者への報告を早急に行う |
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証拠の保存 |
証拠としてのログやデータを保全する |
変更前の状態を復元できるように証拠を保存し、調査に備える |
出典:中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き_概要説明資料|情報処理推進機構(IPA)
企業のリカバリープランと事故後のリスク管理
リカバリープランには、バックアップデータを使用したデータ復元や、システムの再構築が含まれます。
また、事故後のリスク管理は、再発防止や新たな脅威に対応するために重要です。企業は、過去の事故から学び、セキュリティポリシーや対応プロセスを見直すことで、将来のリスクを最小限に抑えることが求められます。
リカバリープランとリスク管理の要素
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要素 |
定義 |
対策 |
|---|---|---|
|
バックアップ |
重要データを定期的にバックアップし、復旧を容易にする |
外部HDD、クラウドサービスへのバックアップ、バックアップの自動化 |
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システムの復旧 |
障害後にシステムを速やかに復旧する |
冗長化システムの導入、DRP(災害復旧計画)の実行 |
|
再発防止策 |
事故を防止するための予防策を講じる |
セキュリティポリシーの見直し、従業員教育、定期的な監査 |
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監視システム |
攻撃の兆候を早期に発見するための監視体制 |
セキュリティ監視ツールの導入、ネットワークトラフィックの分析 |
出典:地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン|総務省
企業が行うべき情報セキュリティ対策

ここでは、企業が情報セキュリティを強化するために行うべき基本的な対策について解説します。サイバー攻撃やデータ漏洩などのリスクから企業を守るためには、効果的なセキュリティ対策が必要です。ウイルス対策、パスワード管理、バックアップ体制の強化など、セキュリティの基盤を固めるために企業が講じるべき措置が存在します。また、セキュリティ対策にはMFA、多層防御(Defense in Depth)、ゼロトラストモデルの採用が重要視されています。
ウイルス対策とセキュリティソフトの導入
マルウェアやランサムウェア、フィッシングメールなど、サイバー攻撃の手法は進化しており、これらに対応するためには、最新のセキュリティソフトが必要です。ウイルス対策ソフトは、コンピュータやネットワークに接続されたデバイスに対してリアルタイムで脅威を検出し、除去します。
また、ウイルス対策ソフトは定期的に更新し、定義ファイルを最新の状態に保つことが重要です。これにより、未知のウイルスやマルウェアに対しても迅速に対応できます。
ウイルス対策とセキュリティソフトの主な対策
|
対策方法 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
ウイルス対策ソフト導入 |
コンピュータにマルウェアが侵入しないように防御 |
ノートPCやデスクトップにウイルス対策ソフトをインストール |
|
リアルタイム監視機能 |
セキュリティソフトが常に動作し、マルウェアを即座に検出 |
ファイルダウンロード時のスキャン、ウェブサイトのアクセス制御 |
|
定義ファイルの自動更新 |
セキュリティソフトの最新のウイルス定義データを保持 |
毎週、または毎日自動的にウイルス定義ファイルを更新 |
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定期的なスキャン |
システム全体を定期的にスキャンし、隠れた脅威を発見 |
毎月または週に一度の全ドライブスキャンの実施 |
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
パスワード管理の徹底と従業員教育
パスワードは情報セキュリティの最も基本的な防御手段ですが、適切に管理されていない場合、重大なリスクを引き起こす可能性があります。
企業は、強力なパスワードポリシーを設定し、社員にその重要性を理解させる必要があります。
例えば、異なるサービスで同じパスワードを使い回さないことが推奨されます。
さらに、パスワード管理ツールの導入や二段階認証の設定も効果的な対策です。また、従業員教育を実施し、サイバー攻撃やパスワードの管理に関する知識を深めさせることが、企業全体のセキュリティ強化に繋がります。
パスワード管理の基本対策
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対策項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
強力なパスワードポリシー設定 |
パスワードを強固にするため、文字数、記号の使用を義務化 |
12文字以上、英数字と記号を含める |
|
二段階認証の実施 |
追加の認証手段を用いることでセキュリティを強化 |
Google AuthenticatorやSMS認証を活用 |
|
パスワード管理ツール導入 |
強力なパスワードを記録し、管理を簡素化 |
LastPassや1Passwordなどのパスワードマネージャーを利用 |
出典:不正ログイン対策特集ページ|情報処理推進機構(IPA)
出典:安全なパスワードの設定・管理 | 国民のためのサイバーセキュリティサイト
従業員教育のポイント
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教育項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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フィッシング教育 |
フィッシング攻撃の手法を学び、注意喚起を促す |
メールリンクをクリックしない、送信者を確認する |
|
安全なパスワード設定方法 |
効果的なパスワードの作成方法と管理方法を教育 |
パスワードに誕生日や名前を使わない |
|
定期的なセキュリティセミナー |
セキュリティリスクを理解し、最新情報を学ぶ |
毎年、社内でセキュリティ関連セミナーを開催 |
出典:国民のためのサイバーセキュリティサイト セキュリティ啓発活動・教育の実施|総務省
ソフトウェアの定期的なアップデートとセキュリティ強化
ソフトウェアやアプリケーションは、定期的に更新することがセキュリティ維持に重要です。特に、OSやアプリケーションソフトウェアにはセキュリティホールや脆弱性が発見されることがあり、これらを放置するとサイバー攻撃の標的になります。定期的なアップデートにより、最新のセキュリティパッチを適用し、システムの脆弱性を修正することができます。
企業は、全てのデバイスに対して自動更新設定を適用し、重要なセキュリティ更新が漏れなく適用されるようにすることが求められます。これにより、既知の脅威から企業の情報資産を守ることができます。
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
ソフトウェアアップデートの重要性と対策
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対策項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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自動アップデートの設定 |
ソフトウェアを自動で最新状態に保つ |
Windows Updateの自動実行、アプリの自動更新 |
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セキュリティパッチ適用 |
セキュリティ脆弱性を修正するためにパッチを適用 |
Adobe Acrobat、Chrome、Javaの定期的な更新 |
|
旧バージョンの使用禁止 |
サポートが終了したソフトウェアの使用を避ける |
Windows XPや古いアプリケーションの使用禁止 |
アクセス履歴の管理と監視体制の強化
企業の情報セキュリティを強化するためには、システムへのアクセス履歴を管理し、不正アクセスを早期に検出する体制が必要です。アクセス履歴の管理により、誰がどのデータにアクセスしたか、何時にアクセスしたかを記録することができます。この情報を基に、異常なアクセスパターンを検出し、不正アクセスを防ぐことが可能です。
また、企業はセキュリティ監視システムを導入し、リアルタイムでネットワークのトラフィックやシステムの挙動を監視することが重要です。これにより、潜在的な脅威を早期に発見し、迅速に対応することができます。
アクセス履歴管理と監視の強化方法
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対策項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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アクセスログの記録 |
システムにアクセスした履歴を記録し、不正アクセスを検出 |
システムへのログイン履歴、ファイルアクセス履歴を記録 |
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リアルタイム監視システム |
システムやネットワークの状態を監視し、異常を検出 |
ネットワーク監視ツール(例:Splunk)で不正アクセスをリアルタイムに監視 |
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不正アクセス検出ツール |
不正アクセスや異常な動きを検出するツールを導入 |
IDS(Intrusion Detection System)で異常行動を検出 |
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アクセス権限の見直し |
ユーザーのアクセス権限を定期的に見直し、必要最低限に制限 |
定期的な権限確認と、役職変更に伴う権限更新 |
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
出典:組織における 内部不正防止ガイドライン|情報処理推進機構(IPA)
バックアップの重要性と復旧計画の策定
バックアップは、ハードウェアの故障やサイバー攻撃、データ損失のリスクに対して企業を守ります。バックアップデータは複数の場所に保管することが推奨され、クラウドサービスや外部HDD、物理的なバックアップを組み合わせることが効果的です。
また、バックアップデータを復旧するための復旧計画を策定し、定期的にリカバリーテストを行うことも重要です。これにより、システム障害が発生しても迅速に業務を再開できる体制を構築できます。
出典:IT システムにおける緊急時対応計画ガイド|情報処理推進機構(IPA)
バックアップと復旧計画の要素
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要素 |
定義 |
対策 |
|---|---|---|
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バックアップの頻度 |
データの損失を防ぐために定期的なバックアップを実施 |
毎日または毎週のバックアップ、重要データはリアルタイムバックアップ |
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バックアップ媒体の選定 |
バックアップを保存する媒体を複数準備する |
外部HDD、クラウドストレージ、NASに分散バックアップ |
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バックアップのテスト |
バックアップデータが正しく復元できるか定期的に確認 |
定期的なリカバリーテストを実施し、復元が正確に行えることを確認 |
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災害復旧計画(DRP) |
障害発生時に迅速に復旧するための計画を策定 |
システムの冗長化、代替手段の確保、定期的な復旧訓練の実施 |
企業のセキュリティインシデントへの備え
ここでは、企業がセキュリティインシデントに備えるための準備と対策について解説します。サイバー攻撃やデータ漏洩、内部不正などのリスクに対応するためには、事前の準備と迅速な対応体制が重要です。予防策として、リスク管理や従業員教育、最新のセキュリティ技術を活用することが求められます。企業全体でセキュリティ意識を高め、インシデントを未然に防ぐ体制を整えることが成功の鍵です。
セキュリティリスクを最小限にするための対策
情報セキュリティリスクは、外部からの攻撃や内部からの不正行為によって企業の情報資産が脅かされることを指します。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、セキュリティ対策の強化が欠かせません。例えば、ウイルス対策ソフトの導入やパッチの適用、強力なパスワード管理、従業員のセキュリティ教育など、基本的な対策を徹底することが重要です。
また、定期的にセキュリティ監査を行い、脆弱性を早期に発見して対応することもリスク管理の一環として必要です。
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
セキュリティリスクを最小限にするための主要な対策
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対策方法 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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ウイルス対策ソフト導入 |
コンピュータにマルウェアが侵入しないように防御 |
ノートPCやデスクトップにウイルス対策ソフトをインストール |
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強力なパスワード管理 |
脆弱なパスワードを防ぐため、強力なポリシーを実施 |
12文字以上、英数字と記号を含める |
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二段階認証導入 |
追加の認証手段を用いてセキュリティを強化 |
Google AuthenticatorやSMS認証を導入 |
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ネットワーク監視強化 |
不正アクセスの早期発見のため、ネットワーク監視を行う |
IDS/IPSを使用し、トラフィックを監視 |
企業のセキュリティ文化を醸成する方法
企業におけるセキュリティ文化の醸成は、情報セキュリティ対策の成功に不可欠です。従業員一人一人がセキュリティ意識を持ち、日々の業務においてその意識を実践することが求められます。
まず、経営層がリーダーシップを発揮し、セキュリティの重要性を全社に伝えることが重要です。次に、定期的なセキュリティ教育やフィッシングテストを実施し、実際のリスクに対する対応能力を高めることが効果的です。企業全体でセキュリティ意識を共有し、持続的に改善していくことが必要です。
出典:愛されるセキュリティ部署になるには|情報処理推進機構(IPA)
セキュリティ文化を醸成するための取り組み
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取り組み項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
経営層のリーダーシップ |
経営層がセキュリティ意識の重要性を伝える |
セキュリティポリシーを策定し、経営層が率先して周知する |
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定期的なセキュリティ教育 |
全従業員に対して定期的にセキュリティ教育を実施 |
フィッシング攻撃やパスワード管理の重要性を教育 |
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社内コミュニケーション |
セキュリティに関する情報を共有し、意識向上を図る |
セキュリティインシデント発生時に全社で迅速に情報を共有 |
情報管理体制の構築と強化
情報管理体制の整備は、企業の情報資産を守るための基本的な取り組みです。
まず、情報の分類と管理基準を策定し、機密情報や重要情報の取り扱い方を明確に定めることが求められます。
次に、アクセス権限の管理を徹底し、情報にアクセスできる人を制限することが必要です。また、情報の取り扱いに関するポリシーやルールを社内に周知し、従業員がそのルールに従って行動するように促すことが重要です。これにより、企業内での情報漏洩や不正アクセスを防ぐことができます。
出典:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版|情報処理推進機構(IPA)
情報管理体制を構築するための要素
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要素 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
情報の分類と管理規定作成 |
情報の重要度に応じた分類と管理ポリシーを策定 |
機密情報、機密性の低い情報、公開情報の分類 |
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アクセス権限の管理 |
情報へのアクセスを必要最小限に制限 |
各役職に応じたアクセス権限を設定し、定期的に見直し |
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情報の暗号化 |
重要情報の暗号化を徹底 |
データ送信時や保存時の暗号化(AES256など) |
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内部監査体制の整備 |
定期的な監査を行い、不正アクセスや脆弱性をチェック |
内部監査によるセキュリティチェックと改善提案 |
情報セキュリティポリシーの作成と実践
情報セキュリティポリシーとは、企業が情報資産を守るために定めた基本的な方針やルールのことです。これにより、企業内で情報の取り扱いやアクセス管理が統一され、セキュリティの強化が図られます。
目的は、企業の情報を不正アクセスや漏洩から守り、業務を円滑に進めるための枠組みを作ることです。ポリシーを策定することで、従業員のセキュリティ意識が高まり、企業全体のセキュリティレベルが向上します。
また、法的コンプライアンスを遵守するためにも、明確なポリシーが必要です。さらに、情報セキュリティ事故が発生した際の対応方針も規定し、迅速に問題解決できるようにすることも重要です。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
情報セキュリティポリシーの目的と重要性
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目的 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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情報資産の保護 |
機密情報、顧客データなどを保護するための基本的なルールを定める |
顧客データ、知的財産の取り扱いに関するガイドラインの作成 |
|
リスク管理 |
セキュリティリスクを特定し、対応策を講じる |
サイバー攻撃や内部不正のリスクを予測し、対策を計画 |
|
法的コンプライアンス遵守 |
法律や規制に則った情報管理の実施 |
GDPRや個人情報保護法に基づくデータ管理ポリシー |
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企業文化の形成 |
従業員がセキュリティを意識する企業文化の醸成 |
セキュリティ意識向上のための教育プログラム |
ポリシー策定時に考慮すべき要素
情報セキュリティポリシーを策定する際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。まず、企業の業務に必要な情報資産を特定し、その取り扱い方法を決定します。
次に、機密性、完全性、可用性というセキュリティの基本要素を守るための具体的なルールや手順を策定します。また、企業の規模や業務内容に応じて、必要なセキュリティ対策のレベルや細かい方針を明確にすることが求められます。
さらに、ポリシーの実施にあたって、従業員への教育・訓練プランや、ポリシー違反時の対応方法も定めることが重要です。これにより、全社的なセキュリティ意識が向上し、ポリシーの有効性が高まります。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
ポリシー策定時に考慮すべき要素
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要素 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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情報の分類 |
情報の重要度に基づいて分類し、適切な管理を行う |
機密情報、公開情報、内部情報の分類と取り扱い基準 |
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アクセス管理 |
情報資産へのアクセス権限を管理し、必要最小限に制限 |
各部署の役職に応じたアクセス権限設定、管理 |
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セキュリティ対策の策定 |
リスクを最小限に抑えるため、具体的な対策を決定 |
ウイルス対策ソフトの導入、暗号化の実施 |
|
従業員教育 |
従業員に対してポリシーの理解と意識向上を促進 |
定期的なセキュリティ研修の実施、フィッシング対策 |
実際に企業が取るべきポリシー実践方法
情報セキュリティポリシーの実践には、策定したルールを企業全体に徹底させることが不可欠です。まず、ポリシーを全従業員に理解してもらうための教育・訓練を定期的に実施し、ポリシーに基づいた行動を促すことが必要です。
次に、ポリシーの遵守状況を定期的に監査し、実行力を高めるために改善を加えることが求められます。また、ポリシー違反が発覚した場合には、迅速かつ適切に対応し、再発防止策を講じることが重要です。
さらに、ポリシーは時折見直しが必要であり、業務環境や法令の変化に応じて更新し続けることが、企業の情報セキュリティの維持に繋がります。全社的な協力と意識の向上が、ポリシー実施を成功に導きます。
出典:地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和4年3月発表)|総務省
企業のポリシー実践方法
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実践項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
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ポリシーの周知徹底 |
全従業員にポリシーを理解させ、実行を促す |
社内イントラネットでポリシーを公開し、全社員に定期的に通知 |
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定期的なレビューと更新 |
ポリシーの効果を評価し、必要に応じて改善 |
年に一度のポリシー見直し会議、法令改正に応じたアップデート |
|
ポリシー違反の監視と対応 |
ポリシー違反を早期に発見し、迅速に対応する |
内部監査や自動監視ツールを使用してポリシー違反を検出 |
|
コンプライアンス確認 |
法令遵守を徹底し、ポリシーが適切に運用されているか確認 |
法律に基づくデータ保護対策の実施、GDPRの遵守 |
情報セキュリティにおける可用性の確保
可用性とは、システムやデータが必要なときに利用できる状態を指します。企業にとって、可用性を維持することは、業務の継続性と顧客満足度を確保するために欠かせません。
システムやサービスがダウンすると、生産性の低下、顧客の信頼失墜、さらには法的な問題を引き起こすことがあります。例えば、オンラインショップがシステム障害により利用できなくなると、売上の損失が生じ、顧客が他の競合へ流れる可能性もあります。
そのため、可用性の確保は、企業の競争力を維持し、業務の中断を最小限に抑えるための重要な要素です。
出典:情報セキュリティポリシーの順守 国民のためのサイバーセキュリティサイト|総務省
可用性の重要性と企業への影響
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要素 |
詳細 |
影響 |
|---|---|---|
|
業務継続性 |
システムやデータが利用できることを保証する |
サービス停止による売上損失、業務の遅延 |
|
顧客満足度 |
システムの可用性が高いことで顧客の利便性向上 |
顧客の信頼を失うことなくサービスを提供 |
|
競争力の維持 |
常にサービスが提供される状態を維持すること |
システム障害により競合他社に対して劣位に立つリスク |
|
法的コンプライアンス |
一部の業界では可用性が法的要件として義務付けられている |
データ損失やサービス中断により法的な罰則や規制違反のリスク |
情報システムの可用性を維持するための対策
情報システムの可用性を維持するためには、いくつかの重要な対策を講じる必要があります。まず、システムの冗長化が効果的です。重要なシステムやデータを複数のサーバーやデータセンターに分散して配置することで、一部の障害が発生しても、業務が停止することを防げます。
また、バックアップの実施も不可欠です。定期的なバックアップを行い、障害発生時に迅速に復旧できる体制を整えておくことが重要です。
さらに、監視システムを導入し、リアルタイムでシステムの状態を把握し、異常を早期に発見することが可用性維持に繋がります。これらの対策により、システムの可用性を高く保つことが可能になります。
出典:重要情報を扱うシステムの要求策定ガイド Ver.1.0|情報処理推進機構(IPA)
可用性維持のための主要対策
|
対策項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
システムの冗長化 |
重要なシステムやデータを複数のサーバーや拠点に分散配置する |
クラウドサービス、データセンターの二重化 |
|
バックアップ体制の構築 |
定期的なデータバックアップを実施し、迅速な復旧が可能にする |
毎日・毎週のバックアップ、外部HDDやクラウドへの保存 |
|
監視システムの導入 |
システムやネットワークの状態を常時監視し、異常を早期に発見する |
ネットワーク監視ツール(例:Splunk)によるトラフィック解析、IDS/IPSの利用 |
|
負荷分散 |
トラフィックやシステム負荷を分散させ、過負荷を防ぐ |
複数のサーバーを使ってトラフィックを分散、負荷分散機器(L4スイッチ)の使用 |
障害発生時に備えた復旧計画とテスト方法
障害発生時に備えるためには、復旧計画(DRP:Disaster Recovery Plan)の策定とそのテストが欠かせません。復旧計画には、システム障害発生時にどのように対応し、業務を迅速に復旧させるかの手順を定める必要があります。
計画には、データバックアップからの復元方法、冗長化システムの利用、代替手段の準備などが含まれます。また、復旧計画は一度作成するだけでは不十分です。定期的にテストを実施し、計画が実際に機能するかを確認することが重要です。
テストを通じて問題点を発見し、改善することで、障害発生時に確実に対応できる体制を構築します。復旧計画のテストは、システム障害への迅速かつ効果的な対応に繋がります。
出典:IT システムにおける緊急時対応計画ガイド|情報処理推進機構(IPA)
障害発生時の復旧計画とそのテスト
|
計画項目 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
バックアップの実施 |
定期的にデータをバックアップし、障害発生時に備える |
毎日のデータバックアップ、外部HDDやクラウドサービスへの保存 |
|
災害復旧計画(DRP) |
障害が発生した場合の具体的な対応手順を策定 |
システム障害発生時の迅速なデータ復元手順、代替サーバーの使用 |
|
定期的なリカバリーテスト |
バックアップデータが正常に復元できるかを定期的にテスト |
毎月、バックアップデータを使ってリカバリーテストを実施し、復元確認を行う |
|
冗長システムの導入 |
システムの冗長化により、障害時に迅速な切り替えを行う |
サーバー冗長化、ストレージのクラスタリング、ネットワークの二重化 |
情報セキュリティにおける資格と役割

企業が情報セキュリティ体制を強化するためには、資格を持つ専門家の採用や育成が不可欠です。情報セキュリティ資格は、知識やスキルの証明となり、業界の最新動向にも対応できる能力を示します。資格取得により、専門知識を深めるとともに、企業内での価値も向上します。
情報セキュリティに関連する資格の種類と取得方法
情報セキュリティに関連する資格には、さまざまな種類があり、それぞれのレベルや目的に応じた資格が求められます。例えば、基礎的な知識を学べる「CompTIA Security+」や、上級者向けの「CISSP(Certified Information Systems Security Professional)」、国内では「情報セキュリティマネジメント試験」や「ISMS審査員資格」などがあります。これらの資格は、業界標準のスキルを証明し、セキュリティ管理の基礎から高度な技術まで学べます。資格取得には、まず認定機関が定める試験を受け、一定の条件を満たす必要があります。また、資格の更新や継続的な学習も重要です。
出典:CompTIA Security+: CompTIA, "CompTIASecurity+Certification"
出典:CISSP: ISC2, "Certified Information Systems Security Professional (CISSP)"
出典:情報セキュリティマネジメント試験|情報処理推進機構(IPA)
情報セキュリティ資格の種類と取得方法
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資格名 |
対象者 |
取得方法 |
例 |
|---|---|---|---|
|
CompTIA Security+ |
初級者向け |
試験に合格することで取得 |
基礎的なセキュリティ知識が学べる |
|
CISSP (Certified Information Systems Security Professional) |
上級者向け |
実務経験と試験合格が求められる |
高度なセキュリティスキルを証明 |
|
情報セキュリティマネジメント試験 |
中堅・管理職向け |
受験後、一定の基準を満たすと資格が取得できる |
企業のセキュリティ管理を行う能力 |
|
ISMS審査員資格 |
管理職・審査業務従事者向け |
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に関する試験を通じて取得 |
組織のセキュリティ体制を審査する能力 |
セキュリティ専門家の役割と求められるスキル
セキュリティ専門家は、企業の情報セキュリティを守るために、システムの監視やリスク管理、セキュリティ対策の実施を行います。これにより、企業の情報資産を不正アクセスやサイバー攻撃から守ることが求められます。
必要なスキルとしては、ネットワークセキュリティ、暗号化技術、インシデント対応、リスク評価能力が挙げられます。また、セキュリティの脅威は日々進化しているため、常に最新技術やトレンドを学び、対応する能力も求められます。
さらに、リーダーシップやコミュニケーション能力も重要であり、経営層や他の部門と連携してセキュリティ対策を強化する役割も担います。
出典:ISC2, "Cybersecurity Workforce Study"
セキュリティ専門家の役割と求められるスキル
|
役割 |
具体的な業務 |
必要なスキル |
|---|---|---|
|
システム監視 |
システムの運用状態を監視し、不正アクセスや異常を検出 |
ネットワーク監視ツールの利用、IDS/IPSの管理 |
|
リスク評価 |
システムの脆弱性を評価し、改善点を見つけ出す |
脆弱性スキャナーの使用、リスク分析技術 |
|
インシデント対応 |
サイバー攻撃などのインシデントが発生した場合に迅速に対応 |
迅速な問題解決能力、分析・報告能力 |
|
セキュリティ教育とトレーニング |
従業員へのセキュリティ教育を実施する |
プレゼンテーション能力、教育スキル |
資格取得後のキャリアアップと企業での活用方法
資格を取得した後、キャリアアップの道が開かれます。情報セキュリティの資格は、専門知識や技術を証明するものであり、企業内での評価や役割を大きく変える可能性があります。
資格を持つことで、より高度なセキュリティポジションに就くことができ、情報セキュリティの管理者やコンサルタントとして活躍するチャンスが広がります。
さらに、資格取得者は、企業内でのセキュリティ意識の向上や、具体的なセキュリティポリシーの策定に貢献することができます。
また、キャリアアップには実務経験も重要で、資格を活用して実践的なスキルを積むことが、将来的な役職や給与の向上に繋がります。
出典:ISACA (Information Systems Audit and Control Association), "Cybersecurity Career Pathways"
資格取得後のキャリアアップと企業での活用方法
|
活用方法 |
詳細 |
例 |
|---|---|---|
|
セキュリティ管理職の任命 |
資格を活かして、企業の情報セキュリティの管理を担当する |
情報セキュリティ部門の責任者、CSO(最高セキュリティ責任者) |
|
セキュリティコンサルタント |
資格を基に外部コンサルタントとして企業にアドバイスを行う |
サイバーセキュリティコンサルタントとして活動 |
|
インシデント対応リーダー |
重大なセキュリティインシデントの際に指揮を取る |
大規模データ漏洩事故やランサムウェア攻撃の対応 |
|
セキュリティ教育担当 |
資格を活かして、社内セキュリティ教育を主導する |
定期的な社内研修や教育プログラムの運営 |
よくある質問と回答
Q1.情報セキュリティとは何ですか?
A1.情報セキュリティの主な目的は、情報の機密性、完全性、可用性を確保し、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐことです。これには、ウイルス対策、アクセス制御、バックアップシステムの導入などが含まれます。情報セキュリティは企業活動において不可欠であり、適切な対策がなければ重大なリスクにさらされます。
情報セキュリティの要点
- 機密性: 情報が許可された者のみアクセスできるようにすること
- 完全性: 情報が改竄されていないことを保証すること
- 可用性: 情報が必要なときに利用可能であることを確保すること
- リスク管理: 外部や内部の脅威に対して適切に対処すること
Q2.情報セキュリティの3大要素は?
A2.情報セキュリティは「機密性」「完全性」「可用性」の3つです。
機密性は情報へのアクセスを許可された者に限定すること、完全性は情報が正確で変更されていないことを保証すること、可用性は必要な時に情報を利用できる状態を保つことを意味します。
これらの要素が適切に守られることで、企業の情報資産が保護され、業務の継続性が確保されます。これらを実現するためには、技術的な対策とともに、組織全体での意識向上が必要です。
情報セキュリティの3大要素
- 機密性: 情報が正当な権限を持つ者だけにアクセス可能
- 完全性: 情報の正確性を保ち、改竄を防止
- 可用性: 必要な時に情報が利用可能であること
出典: 情報セキュリティの3要素 情報セキュリティ対策の基礎|日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)
Q3.情報セキュリティの代表的な脅威は?
A3.情報セキュリティ上の脅威は、例えば「意図的(攻撃・不正)」「偶発的(ミス)」「環境的(災害等)」のように分類して整理されることがあります。
なお、IPAの「情報セキュリティ10大脅威」は“その年の重要脅威のランキング/解説”であり、「三大脅威」を公式に定義する資料として引用するのは適切ではありません。
サイバー攻撃は、外部からの不正アクセスやマルウェア、フィッシングなどを指し、企業のデータを危険にさらします。
内部不正は、従業員や関係者による意図的な情報漏洩や改ざんです。自然災害は、地震や洪水、火災などによってシステムが物理的に損傷するリスクです。これらの脅威に対応するためには、包括的なセキュリティ対策とリスク管理が必要です。
出典:情報セキュリティ10大脅威 2025|情報処理推進機構(IPA)
Q4.セキュリティの代表的な資格は?
A4.情報セキュリティ関連の代表的な資格として、CISSP、CISA、CompTIA Security+ などがあります。
セキュリティ資格の三大資格
|
資格名 |
対象者 |
取得方法 |
内容 |
|---|---|---|---|
|
CISSP |
上級者 |
試験、実務経験 |
高度なセキュリティスキルを証明 |
|
CISA |
システム監査担当者 |
試験 |
情報システムの監査スキルを証明 |
|
CompTIA Security+ |
初級者 |
試験 |
基本的なセキュリティ知識を習得 |
出典:CISSP: ISC2, "Certified Information Systems Security Professional (CISSP)"
出典: ISACA, "CISA Certification"
出典:CompTIA Security+: CompTIA, "CompTIASecurity+Certification"
まとめ
今後の情報セキュリティ対策の方向性は、技術革新と新たなリスクに対応することが求められます。AIや機械学習を活用したセキュリティツールが広まり、異常行動の検出や攻撃の予測能力が向上することが期待されています。
また、クラウドサービスの普及により、クラウドセキュリティの強化が重要な課題となります。ゼロトラストセキュリティモデルの導入が進み、内部からの脅威にも対応できる体制が求められます。さらに、法規制やコンプライアンス要求も強化され、企業は新たな規範に適合するために迅速に対応しなければなりません。
監修者
横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。
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