派遣から正社員になる方法を解説!なれる人の特徴や確率も紹介
公開日:
最終更新日:
19 views
はじめに
「派遣から正社員になれるの?」「今の派遣先で正社員を目指すべきか、それとも転職すべきか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。派遣から正社員になる方法には、派遣先での正社員登用や紹介予定派遣、正社員求人への応募など複数の選択肢があります。この記事では、派遣から正社員になる方法やなれる確率、正社員になれる人の特徴、メリット・デメリットを解説します。履歴書や志望動機の書き方、面接対策、試用期間や有給休暇などの注意点も紹介するので、正社員を目指す際の参考にしてください。
派遣から正社員になる方法
派遣から正社員を目指す方法は、現在の派遣先での登用だけではありません。ここでは、正社員を目指す3つの方法と、雇用の安定を重視する人向けの無期雇用派遣について解説します。
現在の派遣先で正社員登用を目指す方法
現在の派遣先に正社員登用制度がある場合は、これまでの経験や実績を活かして正社員を目指せます。まずは派遣会社の担当者に、正社員登用の実績や条件、選考方法などを確認しましょう。
正社員登用を目指す際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 正社員登用制度や過去の登用実績を確認する
- 正社員を希望していることを派遣会社の担当者に伝える
- 日頃の業務を正確かつ丁寧に行う
- 周囲とのコミュニケーションを大切にする
- 主体的に仕事へ取り組む姿勢を示す
ただし、すべての派遣先に登用制度があるとは限りません。また、制度があっても必ず正社員になれるわけではありません。登用の可能性や条件を早めに確認し、必要なスキルや実績を積みながら準備を進めましょう。
紹介予定派遣から正社員を目指す方法
紹介予定派遣とは、派遣先での直接雇用を前提として、一定期間派遣社員として働く仕組みです。厚生労働省の資料では、紹介予定派遣を「派遣開始の前後を問わず、派遣労働者と派遣先への職業紹介を行う(または予定する)仕組み」と定義しています。派遣期間中に仕事内容や職場の雰囲気などを確認できるため、入社後のミスマッチを抑えやすい点が魅力です。
同じ資料では、通常の労働者派遣とは異なる次の取り扱いが示されています。
- 派遣先は、派遣就業開始前の面接や履歴書の送付など、派遣労働者を特定することを目的とする行為を行うことができる
- 派遣元事業主は、同一の派遣労働者について6か月を超えて労働者派遣を行ってはならない
- 派遣先が職業紹介を求めなかった場合などは、派遣元事業主の求めに応じ、理由を書面・FAX・電子メールで明示しなければならない
- 派遣労働者の特定にあたり、年齢・性別・障害による差別を行ってはならない
つまり、紹介予定派遣で同じ派遣先に派遣される期間は最長6か月で、その間に双方が合意すれば直接雇用へ移行します。ただし、直接雇用が必ず正社員とは限らないため、求人へ応募する段階で雇用形態や条件を確認しておくことが大切です。
正社員求人に応募して転職する方法
現在の派遣先で正社員登用が難しい場合は、働きながら別の企業の正社員求人へ応募する方法があります。派遣社員として培った実務経験やスキルも、正社員への転職活動でアピール材料になります。
履歴書や職務経歴書、面接では、以下の内容を具体的に伝えましょう。
- 派遣先で担当してきた仕事内容
- 業務を通じて身につけた知識やスキル
- 仕事で工夫・改善した経験
- 数字で示せる成果や実績
- 応募企業を選んだ理由
- 入社後にどのように貢献したいか
志望動機では「正社員になりたい」意欲だけでなく、応募先を選んだ理由まで明確に伝えましょう。在職中から動き出せば、収入を確保しながら自分の経験や希望条件に合った正社員求人を探せます。
無期雇用派遣という働き方を選ぶ方法
無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先企業で働く形態です。一般的な登録型派遣とは異なり、派遣先との契約が終了しても派遣会社との雇用関係は継続します。そのため、雇用の安定を重視しながら派遣という働き方を続けたい人に適した選択肢です。
厚生労働省の労働者派遣事業報告書の集計結果によると、2024年度(令和6年度)の派遣労働者数は約220万人でした。うち無期雇用派遣労働者が90万8,956人、有期雇用派遣労働者が129万683人で、無期雇用という働き方はすでに一定の規模で選択されています。
無期雇用派遣を検討する場合は、以下の条件を確認しておきましょう。
- 給与や昇給、賞与の有無
- 派遣先が決まっていない期間の待遇
- 勤務地や転勤の可能性
- 配属先や仕事内容の決まり方
- 福利厚生や研修制度
一方、無期雇用派遣は派遣先企業の正社員になる働き方ではありません。「特定の企業で正社員として長く働きたい」という希望がある場合は違いを理解し、正社員への転職などほかの方法とも比較したうえで、自分に合った働き方を選びましょう。
出典:令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省
派遣から正社員になれる確率と登用の実態
派遣から正社員を目指す際、「実際にどのくらいの確率で正社員になれるのか」と気になる人も多いでしょう。ここでは、公的統計でわかる紹介予定派遣の実績と、派遣先に課されている募集情報の周知義務について解説します。
紹介予定派遣から直接雇用に至った人数の実績
派遣から正社員になれる確率を一律に示すことはできませんが、紹介予定派遣については公的統計で実績を確認できます。厚生労働省の「労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、2024年度(令和6年度)に紹介予定派遣により労働者派遣された人は2万5,535人でした。そのうち職業紹介を経て直接雇用に結びついたのは1万3,881人です。
つまり、紹介予定派遣で就業した人のうち半数強が直接雇用へ移行している計算になります。一方で、残りは直接雇用に至っていません。紹介予定派遣は直接雇用を前提とした仕組みですが、派遣期間中の勤務状況や双方の意向によっては、直接雇用に至らない場合があります。
なお、この統計は直接雇用の全体数であり、そのうち何人が正社員になったかは示されていません。直接雇用には契約社員などの雇用形態も含まれるため、応募時に雇用形態を確認することが重要です。また、一般的な登録型派遣から正社員登用を目指す場合の全国的な確率を示した公的統計は確認できませんでした。
出典:令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省
派遣先に課されている募集情報の周知義務
正社員を目指すうえで、派遣先に課された義務を知っておくと役立ちます。厚生労働省の労働局が示す派遣先の受け入れルールでは、次の措置が挙げられています。
|
派遣先の措置 |
主な対象となる派遣労働者 |
|---|---|
|
正社員の募集情報の周知 |
同一の事業所等で1年以上継続して派遣労働に従事している派遣労働者 |
|
労働者の募集情報の周知 |
同一の組織単位の業務に継続して1年以上従事し、3年間継続して役務の提供を受ける見込みがある派遣労働者 |
|
雇い入れ努力義務 |
本人が継続就業を希望し、同一の組織単位の同一業務で1年以上従事している有期雇用派遣労働者(派遣元から引き続き労働者派遣の依頼がある場合) |
同じ事業所で1年以上働いている派遣労働者には、派遣先で正社員の募集があった場合に募集情報を周知する必要があるとされています。正社員を目指すなら、まず自分がこの対象に当たるかを確認し、社内の募集情報に注意を向けるとよいでしょう。
なお、期間制限を超えた受け入れなどの違法派遣が生じた場合、派遣先が直接雇用を申し込んだとみなす「労働契約申込みみなし制度」も存在します。
出典:派遣労働者の受け入れルールの具体的内容(派遣先)|厚生労働省 宮城労働局
派遣から正社員になれる人に共通する特徴
派遣から正社員になれる人は、仕事の正確さだけでなく、勤務態度やコミュニケーション能力なども評価される傾向があります。企業側に「長期的に働いてほしい」と思ってもらえるよう、日頃から安定した働き方を続けることが大切です。
正社員登用につながりやすい人の特徴として、以下が挙げられます。
- 遅刻や欠勤が少なく勤怠が安定している
- 任された仕事を正確にこなしている
- 周囲と円滑にコミュニケーションを取れる
- 指示を待つだけでなく主体的に行動できる
- 業務に必要な知識やスキルを身につけている
- 長期的に働く意思を伝えている
正社員登用では、現在の業務をこなせるかだけでなく、将来的により幅広い業務を任せられる人材かどうかも判断材料になります。日頃の業務を着実に行いながら、自分から学ぶ姿勢や長期的に働く意欲を示しましょう。
派遣から正社員になるメリット・デメリット

派遣から正社員になると、雇用や収入の安定、福利厚生の充実などが期待できます。一方で、仕事の責任や業務量が増える場合もあります。ここでは、両面を解説します。
雇用や収入が安定しやすくなるメリット
派遣から正社員になる大きなメリットは、雇用や収入が安定しやすくなることです。正社員は一般的に雇用期間の定めがなく、長期的な勤務を前提として採用されます。派遣契約の更新や派遣期間の終了を気にする必要が少なくなるため、将来の生活設計もしやすくなるでしょう。
雇用や収入面では、以下のようなメリットが期待できます。
- 雇用期間を気にせず長期的に働きやすい
- 毎月の収入が安定しやすい
- 昇給によって収入が増える可能性がある
- 企業によっては賞与や各種手当を受けられる
- 長期的な生活設計を立てやすくなる
収入面の差は公的統計にも表れています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額は、正社員・正職員が月額35万8,800円、正社員・正職員以外が24万1,700円でした。雇用形態間の賃金格差は、正社員・正職員を100として67.4です。
ただし、給与や賞与、昇給制度などは企業によって異なります。正社員になれば必ず収入が増えるとは限らないため、登用前に基本給や手当、賞与などの労働条件を確認しておくことが大切です。
出典:令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省
福利厚生やキャリア形成で得られるメリット
正社員になると、企業独自の福利厚生や教育制度などを利用できる場合があります。また、長期雇用を前提として幅広い仕事を任される機会が増えれば、スキルアップやキャリア形成にもつながるでしょう。
福利厚生やキャリア面では、以下のようなメリットが考えられます。
- 住宅手当や家族手当などを受けられる場合がある
- 研修や資格取得支援制度を利用できる場合がある
- 幅広い業務を経験してスキルを高められる
- 昇進や昇格を目指せる可能性がある
- 長期的なキャリアプランを描きやすくなる
ただし、利用できる福利厚生やキャリア制度は企業ごとに異なります。正社員登用を検討する際は、給与だけでなく、研修制度や評価制度、昇進・昇格の仕組みなども確認し、自分の希望するキャリアを実現できる環境か判断しましょう。
責任や業務量が増える可能性があるデメリット
派遣から正社員になると、担当する業務の範囲が広がり、責任や業務量が増える可能性があります。派遣社員は契約によって担当業務が明確に定められていることが多い一方、正社員は会社の状況に応じて幅広い業務を担当する場合があります。
正社員になると、主に以下のような変化が生じます。
- 担当する業務の範囲が広がる
- 後輩や部下の指導を任される
- 売上や成果に対する責任が大きくなる
- 会議や社内業務が増える
- 残業や繁忙期の対応を求められる場合がある
業務範囲が広がることはスキルアップにつながる一方、負担が大きくなる可能性もあります。正社員登用を受ける前に、具体的な仕事内容や役割、残業の状況などを確認し、自分が無理なく続けられる働き方か検討することが重要です。
働き方の自由度が下がるデメリット
正社員になることで、派遣社員として働いていたときよりも働き方の自由度が下がる場合があります。派遣では勤務地や勤務時間、仕事内容などの希望条件に合った求人を選びやすい一方、正社員は会社の方針に応じた働き方を求められることがあります。
正社員になる際は、以下のような点に注意しましょう。
- 配置転換によって仕事内容が変わる場合がある
- 転勤や異動を求められる可能性がある
- 勤務時間や勤務日の調整が難しくなる場合がある
- 希望していない業務を担当する可能性がある
- 長期的な勤務を前提とした働き方が求められる
ただし、働き方の自由度は企業や職種によって大きく異なります。正社員という雇用形態だけで判断せず、勤務地や転勤の有無、勤務時間、業務内容などの条件を確認し、自分が重視する働き方と合っているか比較することが大切です。
派遣から正社員を目指す際の注意点
派遣から正社員になる際は、仕事内容や給与だけでなく、派遣会社との契約や試用期間、有給休暇の扱いなども確認する必要があります。ここでは、見落としやすい注意点を解説します。
派遣先と直接雇用の話を進める前に確認すべきこと
派遣先から正社員登用や直接雇用を打診された場合でも、すぐに話を進めるのではなく、現在の派遣契約や直接雇用後の条件を確認することが大切です。派遣会社との契約が残っている場合は、担当者へ事前に相談して今後の流れを把握しておきましょう。
直接雇用の話を進める際は、事前に以下を確認しておきましょう。
- 現在の派遣契約が終了する時期
- 派遣会社で必要となる手続き
- 直接雇用後の雇用形態
- 給与や勤務時間、休日などの労働条件
- 正社員として担当する仕事内容
- 入社日や選考の有無
正社員になることだけを優先せず、現在より条件がどのように変わるのかを比較することが重要です。不明点があれば派遣会社や派遣先へ確認し、納得したうえで直接雇用への移行を判断しましょう。
派遣会社への紹介料と正社員登用の関係
派遣先が派遣社員を直接雇用する場合、派遣会社との契約内容によっては、派遣先から派遣会社へ紹介手数料などが支払われるケースがあります。特に紹介予定派遣では、直接雇用に移行した際の手数料について派遣会社と派遣先の間で取り決められていることがあります。
紹介料について押さえておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 紹介料は基本的に派遣先と派遣会社の間で取り決められる
- 紹介予定派遣では手数料が設定されている場合がある
- 派遣社員本人が紹介料を負担するものではない
- 直接雇用の手続きは派遣会社を通して進める場合がある
紹介料の有無や金額は契約によって異なるため、一律ではありません。派遣社員自身が金額を判断する必要は基本的にありませんが、正社員登用の話が出た場合は、派遣会社の担当者にも相談し、正式な手順に沿って進めることが大切です。
正社員化後に試用期間が設けられる理由
派遣先で一定期間働いていた場合でも、正社員として採用された後に試用期間が設けられることがあります。これは、派遣と正社員では雇用契約の位置づけが異なり、直接雇用時に新たな労働条件が設定されるためです。
ただし、紹介予定派遣の場合は扱いが異なります。厚生労働省の資料では、紹介予定派遣で雇い入れた労働者について「試用期間を設けないようにしてください」と示されています。派遣期間中に適性を確認できる仕組みであるためです。紹介予定派遣から直接雇用へ移行する際に試用期間を提示された場合は、その内容を確認しましょう。
試用期間がある場合は、以下の項目を確認しましょう。
- 試用期間の長さ
- 試用期間中の給与
- 手当や福利厚生の適用範囲
- 本採用後との労働条件の違い
- 試用期間中の評価基準
試用期間が設定されているからといって、自由に解雇できるわけではありません。ただし、給与や手当などが本採用後と異なる場合もあるため、採用時に提示される労働条件を確認することが重要です。
派遣から正社員になった際の有給休暇の扱い
派遣から派遣先の正社員へ切り替わる場合、原則として雇用主が派遣会社から派遣先企業へ変わります。そのため、派遣会社で付与された年次有給休暇が、そのまま派遣先企業へ引き継がれるとは限りません。残っている有給休暇がある場合は、直接雇用へ移行する前に扱いを確認しておきましょう。
有給休暇については、以下の点を確認することが大切です。
- 現在残っている有給休暇の日数
- 派遣契約が終了する日
- 残っている有給休暇を取得できる時期
- 正社員になった後の有給休暇の付与時期
- 勤続期間の取り扱い
正社員になった後の有給休暇については、新しい雇用関係に基づいて扱われるのが基本です。ただし、企業独自の制度によって取り扱いが異なる場合もあるため、派遣会社と派遣先の双方へ事前に確認しておくと安心です。
労働条件通知書で給与や待遇を確認する重要性
派遣から正社員になる際は、口頭で説明された内容だけで判断せず、労働条件通知書などの書面で具体的な条件を確認することが重要です。
厚生労働省は、2024年(令和6年)4月から、募集広告や職業紹介を受ける際に求人企業などから明示される労働条件が追加されたことを周知しています。追加されたのは、「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準」の3点です。配置転換や転勤の可能性を確認する手がかりになります。
また、厚生労働省の同周知資料では固定残業代を採用する場合に必要な記載として、次の3点が示されています。
- 基本給 ●●円(下記手当を除く額)
- ■■手当(時間外労働の有無に関わらず、●時間分の時間外手当として▲▲円を支給)
- ×時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給
労働条件通知書では、基本給や各種手当、賞与・昇給、就業場所、勤務時間、試用期間や退職に関する規定まで網羅的に確認します。特に「正社員化で待遇が良くなる」と鵜呑みにせず、現在の派遣条件と入念に比較しましょう。
出典:企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!|厚生労働省
派遣から正社員になるための履歴書・志望動機のポイント

派遣から正社員を目指す場合、履歴書や志望動機では、派遣社員として培った経験やスキルを正社員としてどのように活かせるかを伝えることが重要です。ここでは、書類作成のポイントを解説します。
派遣経験を強みに変える履歴書の書き方
派遣経験も、書き方を工夫すれば正社員への転職で十分なアピール材料になります。履歴書や職務経歴書では、どのような職場で何を経験し、どのようなスキルを身につけたのかを具体的に伝えることが大切です。
派遣経験を記載する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 派遣会社と派遣先を区別して記載する
- 担当した仕事内容を具体的に示す
- 使用したソフトや身につけたスキルを記載する
- 業務改善や効率化などの工夫を盛り込む
- 数字で示せる成果があれば具体的に記載する
複数の派遣先で働いた経験がある場合は、それぞれの業務内容や身につけたスキルを整理すると、自分の強みが伝わりやすくなります。応募する正社員求人で求められる経験と関連づけて記載することも重要です。
派遣から正社員を目指す志望動機の組み立て方
派遣から正社員を目指す志望動機では、「なぜ正社員になりたいのか」に加えて、「なぜその企業を選んだのか」「入社後にどのように貢献できるのか」を伝える必要があります。
志望動機は、以下の流れで組み立てると整理しやすくなります。
- 派遣業務で得た経験やスキル
- 正社員を目指すようになった理由
- 応募先企業を選んだ理由
- 活かせる経験や自分の強み
- 入社後に実現したいことや貢献したいこと
たとえば、派遣社員として事務経験を積んだ場合は、その経験を活かして担当業務の幅を広げたいなど、キャリアの方向性を示すと効果的です。正社員になることをゴールにせず、入社後の働き方まで伝えましょう。
正社員になりたい理由だけでは不採用になりやすい原因
志望動機で「安定した雇用を得たい」「長く働ける正社員になりたい」と伝えるだけでは、企業側に採用するメリットが十分に伝わらない可能性があります。正社員を希望する理由だけでは応募者側の事情にとどまり、その企業を選んだ理由や入社後にどのように貢献できるのかが伝わりにくいためです。
志望動機では、以下の内容まで具体的に伝えることが大切です。
- なぜ正社員を目指しているのか
- なぜ他社ではなく応募先企業なのか
- これまでの経験をどのように活かせるのか
- 入社後にどのような仕事へ取り組みたいのか
- 将来的にどのような人材を目指しているのか
なお、安定を求めること自体は一般的な動機です。総務省統計局の労働力調査によると、非正規の職員・従業員が現職についた主な理由のうち「正規の職員・従業員の仕事がないから」と回答した人は173万人でした。非正規の職員・従業員2,128万人の約8%にあたります。ただし企業に伝える際は、事業内容や仕事内容への関心と自分の経験を結びつけましょう。
出典:労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約|総務省統計局
派遣先での経験をアピールする自己PRの方法
自己PRでは、派遣先で担当した仕事内容を並べるだけでなく、その経験から得た強みや成果を具体的に伝えることが重要です。「何を担当したか」「どのように取り組んだか」「どのような結果につながったか」の順番で整理すると、採用担当者にも強みが伝わりやすくなります。
自己PRに盛り込みたい内容は、以下のとおりです。
- 担当していた具体的な業務
- 業務上の課題や工夫したこと
- 工夫によって得られた成果
- 身についた知識やスキル
- 正社員として活かせる自分の強み
たとえば、事務職で業務手順を見直して作業時間を短縮した経験があれば、改善前後の変化を具体的に示すと説得力が高まります。派遣という雇用形態ではなく、実際にどのような価値を提供してきたのかを中心にアピールしましょう。
派遣から正社員になるための面接対策
派遣から正社員を目指す面接では、正社員を希望する理由だけでなく、派遣社員として培った経験やスキル、入社後のキャリアについて具体的に伝えることが重要です。ここでは、面接対策を解説します。
「なぜ派遣から正社員になりたいのか」への答え方
面接で「なぜ派遣から正社員になりたいのか」と質問された場合は、雇用の安定だけをアピールせず、仕事への意欲や今後のキャリアと結びつけて回答しましょう。派遣社員として働くなかで感じたことを踏まえ、正社員として実現したいことを伝えましょう。
回答を組み立てる際は、以下のポイントを意識します。
- 派遣社員として経験してきた業務
- 正社員を目指すようになったきっかけ
- 正社員として挑戦したい業務や役割
- 応募先企業で活かせる経験やスキル
- 長期的に働きたいという意思
たとえば、「派遣業務で培った事務経験を活かし、より幅広い業務に携わりたい」など、前向きな理由を伝えると説得力が高まります。待遇面だけではなく、仕事やキャリアに対する意欲を示すことが重要です。
事務職の正社員面接で聞かれやすい質問
事務職の正社員面接では、志望動機や自己PRに加えて、パソコンスキルや業務経験、周囲とのコミュニケーションについて質問されることがあります。
なお、事務職は求人の競争が比較的厳しい職種です。厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2026年(令和8年)8月の職業別の有効求人倍率(常用・パートを含む)は、一般事務従事者が0.29倍でした。計算の方法は異なりますが、同じ月の全職業の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で、事務職は求職者に対して求人が少ない状況です。一般事務従事者が0.29倍でした。同じ月の全職業の有効求人倍率は1.18倍(季節調整値)です。選考対策を十分に準備することが大切です。
事務職の面接では、以下のような質問が想定されます。
- これまでどのような事務業務を経験しましたか
- WordやExcelはどの程度使用できますか
- ミスを防ぐためにどのような工夫をしていますか
- 複数の業務をどのように優先していますか
- 周囲と協力して仕事を進めた経験はありますか
- なぜ当社で正社員として働きたいのですか
質問には抽象的な回答を避け、実際の経験を交えて答えるのがポイントです。面接前に想定質問への回答を整理し、自分の言葉で簡潔に説明できるよう練習しておきましょう。
出典:一般職業紹介状況(令和8年8月分)について|厚生労働省
正社員としての長期的なキャリアを伝える方法
正社員の採用面接では、入社後に長く働く意思があるか、将来どのような仕事に取り組みたいかを確認される場合があります。そのため、目の前の採用だけを意識するのではなく、数年後を見据えたキャリアの方向性を伝えることが大切です。
長期的なキャリアを伝える際は、以下の順序で整理するとわかりやすくなります。
- 入社後に身につけたい知識やスキル
- これまでの派遣経験を活かせる業務
- 将来的に担当したい仕事や役割
- 企業にどのように貢献したいか
ただし、実現性の低い目標を無理に掲げる必要はありません。「まずは担当業務を確実に身につけ、将来的には業務改善や後輩のサポートにも携わりたい」など、段階的な目標を示すと伝わりやすくなります。自分の希望だけでなく、企業への貢献と結びつけて説明しましょう。
派遣から正社員への転職を成功させるポイント
派遣から正社員への転職を成功させるには、派遣期間中にスキルや実績を積み重ねながら、現在の派遣先以外の求人も比較することが大切です。ここでは、そのポイントを解説します。
派遣期間中にスキルと実績を積み上げる重要性
派遣から正社員を目指す場合、派遣期間中の働き方が重要な評価材料になります。与えられた業務をこなすだけでなく、必要なスキルを身につけ、具体的な実績を積み重ねることで、正社員として採用するメリットを企業側に示しやすくなります。
派遣期間中は、以下のような行動を意識しましょう。
- 担当業務を正確かつ期限内に完了する
- 業務に必要な知識やスキルを身につける
- 作業効率や業務品質を高める工夫をする
- 周囲と積極的にコミュニケーションを取る
- 新しい業務にも前向きに取り組む
- 成果や改善実績を記録しておく
特に成果を数字や具体的な事例として記録しておけば、履歴書や職務経歴書、面接でも活用できます。日々の業務を将来の転職活動につながる経験として捉え、意識的にスキルと実績を積み上げましょう。
正社員登用だけにこだわらず求人を比較する理由
現在の派遣先に正社員登用制度があっても、その会社への登用だけにこだわる必要はありません。正社員になることを優先しすぎると、給与や仕事内容、勤務地などが自分の希望条件に合っているかを十分に検討できない可能性があります。
正社員求人を比較する際は、以下の項目を確認しましょう。
|
比較項目 |
確認するポイント |
|---|---|
|
給与 |
基本給・賞与・昇給・各種手当 |
|
仕事内容 |
経験を活かせるか・希望する業務か |
|
勤務条件 |
勤務時間・休日・残業時間 |
|
勤務地 |
通勤時間・転勤の有無 |
|
福利厚生 |
休暇制度・各種支援制度 |
|
キャリア |
研修・昇進・スキルアップの機会 |
なお、転職市場の規模も参考になります。総務省統計局の労働力調査によると、2025年(令和7年)平均の転職者数は330万人でした。「正社員になること」だけをゴールにせず、長期的に働き続けられる環境かどうかも重視しましょう。
出典:労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約|総務省統計局
まとめ
派遣から正社員になる方法には、現在の派遣先での正社員登用、紹介予定派遣、正社員求人への応募、無期雇用派遣という選択肢があります。紹介予定派遣では派遣就業開始前の面接が認められており、同一の派遣労働者への派遣は6か月が上限です。
紹介予定派遣の実績をみると、2024年度(令和6年度)に紹介予定派遣で派遣された2万5,535人のうち、職業紹介を経て直接雇用に結びついたのは1万3,881人でした。半数強が直接雇用へ移行していますが、直接雇用が必ず正社員とは限りません。また、同じ事業所で1年以上働く派遣労働者には、派遣先で正社員の募集があった場合の募集情報の周知が必要とされています。
正社員になると雇用や収入が安定しやすく、所定内給与額でも正社員・正職員と正社員・正職員以外では差があります。一方で、責任や業務量が増え、配置転換や転勤を求められる可能性もあります。労働条件通知書で基本給や手当、固定残業代の内訳、就業場所と業務の変更の範囲まで確認しましょう。
履歴書や志望動機では、派遣先で何を経験し、どのスキルを身につけたのかを具体的に示します。雇用の安定だけを理由にせず、応募先を選んだ理由と入社後の貢献まで伝えることが、選考を通過するポイントです。
派遣から正社員に関するよくある質問

派遣から正社員を目指す際は、登用までの期間や年齢、給与、有給休暇など、さまざまな疑問が生じるでしょう。ここでは、よくある質問について解説します。
Q1.派遣から正社員になるまで何年かかる?
A1.派遣から正社員になるまでの期間に、一律の基準はありません。数か月で登用されるケースもあれば、数年かかるケースもあり、派遣先の正社員登用制度や選考基準、本人の勤務実績などによって異なります。
ただし、制度上の目安はあります。派遣先には、同一の事業所等で1年以上継続して派遣労働に従事している派遣労働者に対し、正社員の募集情報を周知することが求められています。まずは同じ事業所で1年以上という区切りを一つの目安として、派遣先の登用実績や条件を早めに確認するとよいでしょう。
確認しておきたいポイントは、正社員登用制度の有無、過去の登用実績、登用までの目安となる勤務期間、面接や試験などの選考方法、登用に必要なスキルや評価基準です。一定期間働けば自動的に正社員になれるとは限らないため、派遣会社の担当者にも相談しましょう。
出典:派遣労働者の受け入れルールの具体的内容(派遣先)|厚生労働省 宮城労働局
Q2.派遣から正社員になれる年齢に制限はある?
A2.労働者の募集・採用では、原則として年齢不問が義務付けられています。厚生労働省の資料では、例外事由として、定年年齢を上限としてその上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合などが挙げられています。
つまり、年齢を理由に応募できないケースは例外に限られます。正社員登用や中途採用では、これまでの経験やスキル、仕事への適性などを踏まえて採用の可否が判断されます。
年齢だけを気にするのではなく、経験してきた仕事内容、応募先で活かせる知識やスキル、派遣期間中の実績、長期的なキャリアプランを整理しておきましょう。なお、紹介予定派遣で派遣労働者を特定する際も、年齢・性別・障害による差別を行ってはならないとされています。
出典:その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?|厚生労働省
Q3.派遣から正社員になると給料は上がる?
A3.派遣から正社員になっても、必ず給料が上がるとは限りません。派遣社員は時給制、正社員は月給制など給与体系が異なる場合があり、月々の給与だけでは単純に比較できないためです。
公的統計では、雇用形態による差が示されています。賃金構造基本統計調査によると、一般労働者の所定内給与額は正社員・正職員が月額35万8,800円、正社員・正職員以外が24万1,700円でした。また、2024年度(令和6年度)の派遣労働者の賃金は8時間換算の平均で1万6,735円、派遣料金は2万6,257円です。
給与や待遇を比較する際は、以下の項目を確認しましょう。
|
比較項目 |
確認する内容 |
|---|---|
|
基本給 |
毎月支給される基本的な給与 |
|
賞与 |
支給の有無・回数・実績 |
|
昇給 |
制度の有無・評価方法 |
|
手当 |
住宅・家族・資格・通勤手当など |
|
残業代 |
計算方法や固定残業代の有無 |
|
福利厚生 |
企業独自の制度や支援 |
月々の給与だけでなく、賞与や各種手当などを含めた年収ベースで比較することが大切です。
出典:令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省
Q4.紹介予定派遣なら必ず正社員になれる?
A4.紹介予定派遣を利用しても、必ず正社員になれるわけではありません。2024年度(令和6年度)の実績では、紹介予定派遣により派遣された2万5,535人のうち、職業紹介を経て直接雇用に結びついたのは1万3,881人でした。派遣期間中の勤務状況や双方の意向によっては、直接雇用に至らない場合があります。
また、直接雇用後の雇用形態が必ず正社員になるとは限らない点にも注意が必要です。応募する際は、直接雇用後の雇用形態、給与や賞与などの待遇、仕事内容や勤務時間、直接雇用へ移行するための条件、選考や評価の方法を確認しましょう。「紹介予定派遣」という言葉だけで判断せず、直接雇用後に正社員となる求人なのかを確かめることが大切です。
監修者
横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。
関連コラム
人気のコラム
カテゴリー
タグ
- #事務職
- #派遣社員
- #正社員
- #未経験
- #給与
- #転職
- #総務
- #キャリアアップ
- #営業事務
- #医療事務
- #経理事務
- #人事事務
- #総務事務
- #貿易事務
- #秘書事務
- #特許事務
- #受付事務
- #不動産事務
- #法務事務
- #学校事務
- #外勤事務
- #一般事務
- #広報事務
- #自由業
- #ホワイトハッカー
- #委託
- #委任
- #フリーランス
- #個人事業主
- #エンジニア
- #プログラマー
- #イラストレーター
- #資格
- #報酬
- #セキュリティエンジニア
- #インフラエンジニア
- #JAVA
- #Qiita
- #NET Framework
- #CCNA
- #Oracle
- #AWS
- #自営業
- #日商
- #mos
- #勉強時間
- #アルゴリズム
- #SNS
- #プログラミング
- #OSPF
- #プロトコル
- #Word
- #WEBアプリケーション
- #ルーティング
- #高卒
- #ボーナス
- #Linux
- #OS
- #履歴書
- #職務経歴書
- #第二新卒
- #新卒
- #中途
- #アプリ
- #ネットワーク
- #ソフトウェア
- #オープンソース
- #クラウド
- #ファイアウォール
- #サイバー攻撃
- #セキュリティ
- #API
- #AI
- #オープンソースソフトウェア
- #Docker
- #マイクロサービス
- #介護事務
- #庶務
- #定時
- #残業
- #産後
- #産休・育休
- #復職
- #選考対策

