未経験から事務職への転職は難しい?成功のコツや志望動機を解説

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未経験から事務職への転職は難しい?成功のコツや志望動機を解説

はじめに

「未経験から事務職に転職できるの?」「経験がないと採用されるのは難しい?」と不安を感じている方もいるでしょう。事務職は未経験から応募できる求人もありますが、経験者がライバルになることもあり、事前の準備が重要です。
この記事では、厚生労働省の公表データをもとに事務職の求人状況を紐解きつつ、転職が難しいとされる理由や必要スキル、役立つ資格、志望動機・自己PRの作成法、成功のポイントを網羅して解説します。事務職への挑戦を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

未経験から事務職への転職が難しいといわれる理由

未経験から事務職への転職が難しいといわれる理由

未経験から事務職への転職は可能ですが、求人によっては競争率が高く、経験者が選考で有利になるケースもあります。ここでは、公的データとあわせて、難しいといわれる主な理由を解説します。

求人倍率データで見る事務職の採用状況

事務職の転職難易度は職種で大きく異なり、特に一般事務は求職者に対して求人が少なく激戦となりがちです。厚生労働省の「job tag」では、ハローワークの統計データをもとに職種別の有効求人倍率を公表しています。

 

職種

有効求人倍率(令和7年度)

求人賃金(月額・令和7年度)

一般事務

0.29倍

21.6万円

経理事務

0.55倍

25.2万円

人事事務

0.97倍

26.1万円

営業事務

1.31倍

23.8万円

 

有効求人倍率は、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標です。1倍を下回るほど求職者に対して求人が少ない状態を表します。一般事務は0.29倍で、求職者約3人に対して求人が1件に満たない計算です。一方、営業事務は1.31倍と1倍を上回っています。

なお、これらの数値はハローワークの公的データであり、民間求人サイトや転職エージェントの案件は含まれません。同じ事務職でも職種ごとに市場動向は異なるため、一般事務以外の選択肢にも目を向けましょう。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)
出典:経理事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)
出典:人事事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)
出典:営業事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

 

未経験OKの求人でも経験者がライバルになりやすい理由

「未経験OK」の求人は実務経験がない人でも応募可能です。ただし、未経験者ばかりが応募してくるとは限らず、経験豊富なライバルが応募してくるケースも少なくありません。企業側が即戦力を求めている場合、実務経験のある応募者が優遇されやすくなります。

未経験者が選考でアピールしやすいスキルには、次のようなものがあります。

 

  • コミュニケーション能力
  • 正確に作業を進める能力
  • スケジュール管理能力
  • PCの基本操作スキル
  • 周囲と連携して仕事を進める能力

 

経験の有無だけで勝負するのではなく、これまでの仕事で培った能力のうち、事務職でも活かせるものを具体的に伝えることが大切です。

一般事務など人気職種は応募が集まりやすい理由

一般事務は未経験向け求人が見つけやすく、転職先の定番として検討される職種です。それだけに求職者が集中し、選考のハードルが上がる傾向にあります。特に、以下のような条件がそろった求人は応募が集中しやすくなります。

 

  • 給与や待遇などの条件が良い
  • 土日祝日が休み
  • 残業が少ない
  • 通勤しやすい勤務地にある
  • 未経験でも応募できる

 

一般事務だけに固執せず、営業事務や総務、経理補助などへ視野を広げるのがポイントです。業務内容や必要スキルをチェックし、自身の経験を活かせる職種まで選択肢を広げましょう。

PCスキルや実務経験を求められるケース

事務職では、WordやExcelを使った資料作成、データ入力、メール対応など、PCを使用する業務が多くあります。そのため、未経験OKの求人であっても、基本的なPC操作を応募条件としている場合があります。

業務内容によっては、Excel関数による集計・データ管理や専用システムの操作など、実践的スキルを求められる場合もあります。事前に求人要件を確認し、不足している知識や操作を学んでおきましょう。資格取得や自主学習なども、スキルを示す材料として活用できます。

「未経験から事務職は目指さないほうがいい」といわれる背景

「未経験から事務職は目指さないほうがいい」といわれる背景には、主に次のような事情があります。

 

  • 人気の求人は応募者が多くなりやすい
  • 未経験OKでも経験者が応募することがある
  • 基本的なPCスキルを求められる場合がある
  • データ入力以外にも幅広い業務を担当することがある
  • 入社前のイメージと実際の仕事内容に差が生じることがある

 

仕事内容を十分に理解せず「デスクワークだから」という理由だけで転職すると、入社後にギャップを感じる可能性があります。ただし、未経験だから事務職を諦める必要はありません。仕事内容や必要なスキルを事前に確認し、自分の経験や強みを活かせる求人を選ぶことが大切です。

未経験から事務職を目指す前に知っておきたい仕事内容

事務職と一口に言っても、一般事務・営業事務・経理事務・人事・総務事務など種類は様々で、求められるスキルも異なります。本章では代表的な職種と主な仕事内容を解説します。

一般事務の書類作成・データ入力・電話対応

一般事務は、規定や手順に沿った定型作業を中心に組織全体を支える職種です。厚生労働省のjob tagでは、文書作成・整理、メール対応、伝票・台帳管理、データ入力などが主な業務として挙げられています。

一般事務の主な仕事内容は、以下のとおりです。

 

  • WordやExcelを使用した書類作成
  • 顧客情報や売上高などのデータ入力
  • 電話・メール・来客への対応
  • 書類の整理やファイリング
  • 備品の管理や発注

 

数字や文字を正確に入力する力や、複数の業務を計画的に進める能力も求められます。未経験から目指す場合は、これまでの仕事で培った正確性やコミュニケーション能力などもアピール材料になります。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

 

営業事務の受発注管理・資料作成・営業サポート

営業事務は、営業担当者の指示を受けて資料や見積書を作成し、顧客対応や受発注管理などで営業活動を支える仕事です。主な仕事内容は、以下のとおりです。

 

  • 商品やサービスの受発注管理
  • 見積書・請求書などの作成
  • 営業資料や会議資料の作成
  • 顧客からの電話・メールへの対応
  • 営業担当者のスケジュールや進捗の管理

 

一般事務と比べて営業担当者や顧客とやり取りする機会が多く、コミュニケーション能力が求められます。また、納期や受注状況などを正確に把握し、優先順位を考えて対応する力も重要です。接客や販売、営業などの経験がある場合は、そこで身につけた対人スキルを活かせる可能性があります。

経理事務の仕訳・経費精算・請求業務

経理事務は、企業のお金の流れを記録・管理する仕事です。主な業務は、以下のとおりです。

 

業務

主な内容

仕訳

取引内容を勘定科目ごとに記録する

経費精算

従業員が立て替えた経費を確認・処理する

請求業務

請求書を作成・発行する

入出金管理

入金や支払いの状況を確認する

帳簿管理

会計データや帳簿を整理・管理する

 

お金を扱う仕事柄、正確な数値処理能力と細かなミスを見逃さない注意力が不可欠です。未経験から挑戦するなら、あらかじめ簿記や会計の基礎を学んでおくと業務の理解がスムーズになります。

人事・総務事務の採用・労務・社内管理業務

人事・総務事務は、従業員が働くための環境や企業運営を支える仕事です。人事では採用や勤怠管理など従業員に関する業務、総務では備品管理や社内文書の作成など、会社全体を支える業務を担当します。

 

  • 求人掲載や応募者への連絡などの採用業務
  • 勤怠管理や給与計算の補助
  • 入社・退職に関する手続き
  • 備品や設備の管理
  • 社内文書の作成・管理
  • 社内行事や会議の準備

 

個人情報や給与を扱う性質上、正確性はもちろん厳重な情報管理意識が不可欠です。また、部署を横断して人と関わるため、相手に応じた円滑なコミュニケーション能力も求められます。

事務職の種類によって異なる仕事内容と必要スキル

主な事務職の違いをまとめると、以下のとおりです。

 

職種

主な仕事内容

求められるスキル

一般事務

書類作成・データ入力

PC操作・正確性

営業事務

受発注・営業サポート

PC操作・調整力

経理事務

仕訳・経費精算

会計知識・正確性

人事・総務事務

採用・労務・社内管理

対応力・情報管理能力

 

求人を探す際は、職種名だけで判断せず、具体的な仕事内容や応募条件まで確認しましょう。自分の経験や得意なことと照らし合わせることで、未経験でも強みを活かしやすい事務職を見つけやすくなります。

未経験から事務職への転職で活かせるスキル

事務職ではPCスキルに加え、前職で培ったポータブルスキルも大きな武器になります。本章では、転職時にアピールできる主なスキルを解説します。

Word・Excelなどの基本的なPCスキル

事務職では、書類作成やデータ入力、集計などでPCを使う機会が多くあります。厚生労働省のjob tagでも、一般事務でよく使う道具として文書作成ソフトや表計算ソフト、PCなどが挙げられています。

 

スキル

主な活用場面

Word

文書作成・表の挿入・書式設定

Excel

データ入力・表作成・簡単な計算や集計

メール

社内外への連絡・ファイルの送受信

タイピング

データ入力・文書作成

オンラインツール

Web会議・チャット・ファイル共有

 

高度な操作を最初からすべて身につける必要はなく、まずは基本操作を習得することが大切です。そのうえで、応募する求人で必要とされる機能を重点的に学ぶとよいでしょう。

接客・営業経験で培ったコミュニケーション能力

事務職は一人で黙々と作業するだけではなく、上司や同僚、取引先など様々な相手と連携しながら仕事を進める場面があります。接客・営業経験で培った次のような能力は、事務職でも役立ちます。

 

  • 相手の話を正確に聞き取る力
  • 必要な情報をわかりやすく伝える力
  • 電話やメールで丁寧に対応する力
  • 相手の要望を把握して対応する力
  • 周囲と協力して業務を進める力

 

特に営業事務では営業担当者や顧客とのやり取りが多く、対人業務の経験を存分に活かせます。職務経歴書や面接に向けて、具体的な対人エピソードや対応方法を整理しておきましょう。

正確性とスケジュール管理能力

事務職では、データ入力や書類作成、請求処理など、ミスなく正確に進めることが求められる業務が多くあります。数字や氏名、日付などの入力ミスが、その後の業務に影響することもあるため、細かな部分まで確認する習慣が重要です。複数の業務を同時に担当する場合は、次のようなスケジュール管理も求められます。

 

  • 作業後に入力内容を確認する
  • 締め切りから逆算して予定を立てる
  • 業務の優先順位を決める
  • タスクをリスト化して進捗を確認する
  • 遅れそうな場合は早めに周囲へ相談する

 

前職で納期を守って仕事を進めた経験や、複数の業務を並行して担当した経験があれば、事務職でも活かせる強みとしてアピールできるでしょう。

周囲を支える調整力と臨機応変な対応力

事務職は、自分の担当業務だけでなく、周囲が仕事を進めやすいようにサポートする役割を担うことがあります。調整力や対応力が求められる場面には、以下のようなものがあります。

 

  • 担当者同士のスケジュールを調整する
  • 必要な資料を事前に準備する
  • 急な依頼の優先順位を判断する
  • 担当者が不在の場合に適切な相手へ引き継ぐ
  • 業務の変更に合わせて予定を組み直す

 

チームのサポートや突発的なトラブル対応の経験があれば、具体的なエピソードを交えてアピールするのが効果的です。

事務職への転職後に身につけられるスキル

事務職に必要なスキルを、転職前にすべて身につけておく必要はありません。実際の業務を経験するなかで、様々なスキルを身につけられます。

 

スキル

身につく経験の例

PCスキル

Word・Excelを使った資料作成や集計

事務処理能力

データ入力・書類管理・請求処理

調整力

社内外との連絡やスケジュール調整

ビジネスマナー

電話・メール・来客への対応

専門知識

経理・人事・労務などの実務経験

 

まずは基本的な業務から経験を積み、徐々に担当できる仕事を増やしていくことが大切です。実務を通じて専門性を高めれば、その後のキャリアの選択肢を広げることにもつながります。

未経験から事務職への転職に役立つ資格

資格は、知識やスキルをアピールする材料の一つになります。ただし、資格取得だけを目的にせず、応募する職種に必要なスキルを身につけることが重要です。

PCスキルを証明しやすいMOS

MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)は、WordやExcelなどMicrosoft Office製品の操作スキルを証明できる資格です。厚生労働省のjob tagでも、一般事務の関連資格として、MOSのほか「秘書検定」「ビジネス・キャリア検定」「コンピュータサービス技能評価試験」などが挙げられています。

 

科目

主なスキル

Word

文書作成・書式設定・表の作成

Excel

表作成・数式や関数・データ管理

PowerPoint

スライド・プレゼンテーション資料の作成

 

事務職の実務経験がない人にとっては、資格取得に向けた学習を通じて、基本的なPC操作を身につけられる点もメリットです。ただし、求人によって求められるPCスキルは異なるため、応募先の仕事内容を確認したうえで必要な操作を身につけましょう。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

経理事務への転職で活かせる日商簿記

経理事務への転職を目指す場合は、日商簿記(日本商工会議所の簿記検定試験)の知識を活かせる可能性があります。日商簿記で学べる主な内容は、以下のとおりです。

 

  • 日々の取引に関する仕訳
  • 勘定科目の基本的な考え方
  • 帳簿への記録方法
  • 決算に関する基礎知識
  • 財務諸表の基本的な見方

 

簿記を学ぶことで、求人に記載されている業務内容や会計用語を理解しやすくなります。ただし、資格があれば必ず採用されるわけではありません。ExcelなどのPCスキルや正確な事務処理能力とあわせてアピールすることが大切です。

資格取得より実務につながるスキルを優先すべきケース

求人によっては資格の有無より、基本的なPC操作やコミュニケーション能力など、入社後の業務に直接活かせるスキルを重視している場合があります。以下のようなケースでは、資格取得よりも実務につながるスキルの習得を優先するとよいでしょう。

 

  • 応募条件に資格が指定されていない
  • WordやExcelの操作に不安がある
  • タイピングやメール作成に慣れていない
  • 希望する職種で必要なスキルが明確になっている
  • 早めに転職活動を始めたい

 

資格取得を理由に応募を遅らせるのではなく、学習と応募を並行しながら現場で使える実務スキルの習得を目指しましょう。

未経験から事務職への転職を成功させる方法

未経験から事務職への転職を成功させる方法

未経験から事務職を目指す場合は、これまでの経験を整理し、求人の探し方を工夫することが大切です。ここでは、転職を成功させるための方法について解説します。

これまでの経験から事務職に活かせる強みを棚卸しする方法

まずは「担当業務」「工夫した点」「あげた成果」の3点を軸に、過去の仕事を書き出してみてください。事務職に展開しやすい経験例は以下の通りです。

 

これまでの経験

事務職で活かせる強み

接客・販売

コミュニケーション能力・対応力

営業

顧客対応・スケジュール管理能力

製造・軽作業

正確性・確認する習慣

リーダー業務

調整力・進捗管理能力

PCを使った業務

データ入力・資料作成スキル

 

職種名だけで判断せず、具体的な業務経験を細かく整理することが強みを見つけるポイントです。応募書類や面接では、その強みを事務職でどのように活かせるのかまで伝えましょう。

未経験可・正社員の事務職求人を効率よく探す方法

求人サイトや転職エージェント、ハローワークなど複数の方法を組み合わせて求人を探すと効率的です。求人を探す際は、次のようなポイントを確認しましょう。

 

  • 「未経験可」「未経験歓迎」などの記載があるか
  • 雇用形態が正社員になっているか
  • 具体的な仕事内容が記載されているか
  • 必須のPCスキルや資格は何か
  • 研修や教育制度が用意されているか
  • 給与や休日、勤務地などが希望条件に合っているか

 

厚生労働省のjob tagでは、一般事務は契約社員、パートタイマー、派遣社員の占める割合が高いとされています。正社員を希望する場合は、雇用形態を必ず確認しましょう。希望条件に優先順位をつけておくと、自分に合った求人を効率よく比較できます。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

 

一般事務だけに絞らず幅広い事務職を検討する理由

前述の求人倍率データのとおり、一般事務は求職者に対して求人が少ない職種です。応募先を一般事務だけに絞らず、経験と相性の良い事務職まで対象を広げると、応募できる求人を増やせます。

 

事務職の種類

活かしやすい経験・スキル

一般事務

PC操作・正確な事務処理

営業事務

営業・販売・顧客対応

経理事務

簿記・数字を扱った経験

人事事務

採用・教育・対人業務

総務事務

調整業務・幅広いサポート経験

 

求人検索では「一般事務」だけでなく、複数の職種名で検索してみましょう。

応募前にPCスキルを身につけて選考に備える方法

WordやExcel、メールなどは多くの職場で使用されるため、基本操作に慣れておくと選考でもアピールしやすくなります。まずは、以下のような操作を練習しておきましょう。

 

  • Wordでの文書作成や、文字・段落の書式設定
  • Excelでの表作成や、基本的な数式・関数の使用
  • データを正確かつスムーズに入力する
  • ビジネスメールの作成
  • ファイルやフォルダの整理・管理

 

求人票に「Excelの基本操作」「Wordでの文書作成」などの記載がある場合は、その内容を参考に学習するのがおすすめです。応募先で必要な操作を優先して身につければ、効率よく選考に備えられます。

転職エージェントを活用して未経験求人を探す方法

転職エージェントでは、希望する職種や働き方、これまでの経験などを伝えることで、条件に合った求人を紹介してもらえる場合があります。主に以下のようなサポートを受けられます。

 

  • 希望条件に合った求人の紹介
  • キャリアや応募先に関する相談
  • 履歴書・職務経歴書の添削
  • 面接対策
  • 面接日程の調整
  • 入社条件に関する確認や調整

 

ただし、扱う求人やサポート範囲は事業者ごとに異なります。エージェント一択に絞らず求人サイトも併用し、自ら比較検討しながら進めましょう。

未経験から事務職へ転職する際の志望動機と自己PR

志望動機や自己PRでは、「なぜ事務職を選んだのか」「これまでの経験をどう活かせるのか」を具体的に伝えることが重要です。ここでは、その作り方について解説します。

未経験でも説得力のある志望動機を作るポイント

これまでの経験や強みを事務職の業務内容と結びつけると、志望動機に説得力が生まれます。志望動機を考える際は、以下の要素を整理しましょう。

 

  • 事務職を目指すようになった理由
  • 応募先の企業や職種を選んだ理由
  • これまでの経験で活かせること
  • 入社後にどのように貢献したいか

 

例えば、前職で資料作成やデータ管理を経験したのであれば、その経験から事務業務に関心を持った流れを説明できます。応募先の仕事内容も確認し、自分の経験や強みがどの業務に活かせるのかまで具体的に伝えましょう。

前職の経験を事務職につなげる志望動機の考え方

職種そのものではなく、担当した業務や工夫したことを振り返り、事務職との共通点を探してみましょう。

 

前職の経験

事務職へのつなげ方

接客・販売

顧客対応やコミュニケーション能力

営業

顧客管理・スケジュール管理・資料作成

製造

正確性・進捗管理・確認する習慣

コールセンター

電話対応・PC入力・情報管理

リーダー業務

メンバー間の調整・業務管理

 

「未経験だから活かせる経験がない」と考えるのではなく、業務を細かく分解することがポイントです。前職で培った能力を事務職でどのように活かし、応募先に貢献したいのかを一貫して伝えましょう。

事務職で求められる強みを伝える自己PRの作り方

自己PRでは、自分の強みを挙げるだけでなく、その強みを裏付ける具体的な経験を伝えることが重要です。以下の順序で組み立てると内容を整理しやすくなります。

 

  1. 自分の強みを簡潔に伝える
  2. 強みが発揮された具体的な経験を説明する
  3. 工夫したことや成果を示す
  4. 事務職でどのように活かすかを伝える

 

例えば、「正確性」が強みであれば、ミスを防ぐためにダブルチェックを徹底した経験などを示すと、強みに説得力を持たせられます。応募先の仕事内容を確認し、実際の業務で活かしやすい強みを選ぶこともポイントです。

未経験を理由にした消極的な志望動機を避ける方法

「未経験でも応募できるから」という理由だけでは、意欲や志望度が相手に伝わりません。また、前職への不満など消極的な動機を前面に出すのも避けましょう。次のように前向きな内容へ言い換えることがポイントです。

 

避けたい表現

伝え方の例

未経験でもできそうだから

これまでの経験を活かして事務業務に挑戦したい

営業をしたくないから

営業経験で培った調整力をサポート業務に活かしたい

デスクワークが楽そうだから

PCスキルや正確性を活かせる仕事に携わりたい

何となく事務職に興味がある

○○の経験から事務業務に関心を持った

 

転職のきっかけに消極的な理由があったとしても、志望動機では「事務職で何をしたいのか」「どのように貢献できるのか」に焦点を当てることが大切です。

未経験から事務職へ転職するための応募書類と面接対策

応募書類や面接では、職歴を並べるだけではなく、具体的な実績や工夫した経験を整理し、応募先での活かし方まで説明しましょう。ここでは、その方法について解説します。

未経験者の職務経歴書でアピールすべき経験

採用担当者が注目するのは、事務職経験の有無だけでなく「応募者の強みを自社で活かせるか」という点です。職務経歴書でアピールしやすい経験には、以下のようなものがあります。

 

  • PCを使用したデータ入力や資料作成
  • 顧客や取引先への電話・メール対応
  • 売上や在庫などの数値管理
  • スケジュールや進捗の管理
  • チーム内での連絡や調整
  • ミスを防ぐために工夫した経験

 

応募先の仕事内容を確認し、関連性の高い経験を優先して記載することがポイントです。

数値や具体的なエピソードで強みを伝える方法

「正確性があります」と説明するだけでなく、具体的な行動や成果を示すことで、強みに説得力を持たせやすくなります。

 

抽象的な表現

具体的な伝え方の例

正確性がある

チェックリストを作成し、確認漏れの防止に取り組んだ

効率よく作業できる

作業手順を見直し、処理時間の短縮につなげた

管理能力がある

複数の案件を管理し、期限内に対応した

調整力がある

関係者と進捗を共有し、スケジュールを調整した

 

件数や人数、期間、達成率など、示せる数値があれば盛り込みましょう。ただし、無理に数値を作る必要はなく、具体的な行動や工夫を説明するだけでも強みを伝えやすくなります。

事務職の面接でよく確認されるポイント

未経験者の場合は、事務職の仕事内容を理解しているか、必要なスキルを身につける意欲があるかも重要なポイントです。面接前には、以下の項目を整理しておきましょう。

 

  • 事務職を志望する理由
  • 応募先の企業を選んだ理由
  • これまでの経験で活かせる強み
  • WordやExcelなどのPCスキル
  • 複数の業務を進める際の優先順位の付け方
  • 入社後に身につけたいスキル

 

回答を丸暗記するのではなく、自分の経験をもとに説明できるよう準備することが大切です。

未経験から事務職を志望する理由の伝え方

面接で「なぜ未経験から事務職を志望するのか」と質問された場合は、以下の流れで組み立てると整理しやすくなります。

 

  1. 事務職を目指したきっかけを伝える
  2. 前職で身につけたスキルや経験を示す
  3. 事務職でその経験をどう活かすか説明する
  4. 応募先でどのように貢献したいか伝える

 

例えば、前職でデータ管理や進捗確認を担った経験があれば、「正確な情報管理で周囲を支える点にやりがいを感じた」と接続できます。単に「未経験可だから」ではなく、自身の原体験と志望動機を一貫させることがポイントです。

未経験から事務職へ転職した人が苦労しやすいポイント

未経験から事務職へ転職した人が苦労しやすいポイント

転職前に想像していた仕事内容との違いに戸惑うケースもあるため、事前に大変な点を把握しておくことが大切です。ここでは、苦労しやすいポイントを解説します。

入社直後に業務知識やPC操作を覚える大変さ

WordやExcelの基本操作ができても、独自システムや自社特有の業務フローに慣れるには時間がかかります。厚生労働省のjob tagでは、一般事務について、補助的な業務から始めて経験を積み、事務処理能力を向上させるとされています。入社後に覚えることの例は、以下のとおりです。

 

  • 社内システムや業務ツールの操作方法
  • 書類やデータの作成・管理方法
  • 電話やメールへの対応方法
  • 商品・サービスに関する基礎知識
  • 社内のルールや業務の進め方

 

最初からすべてを完璧にこなそうとせず、教わった内容をメモしたり、わからないことを確認したりしながら覚えることが大切です。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

複数業務を同時に進めるマルチタスクの難しさ

事務職では、データ入力をしている途中に電話が入ったり、急ぎの資料作成を依頼されたりするなど、複数の業務を並行して進める場面があります。以下のポイントを意識することが大切です。

 

  • 業務ごとの締め切りを確認する
  • 緊急度と重要度から優先順位を決める
  • タスクを一覧にして進捗を管理する
  • 急な依頼を受けたら期限を確認する
  • 判断に迷った場合は上司や担当者へ相談する

 

タスク管理の方法を身につければ、業務量が増えた場合でも落ち着いて対応しやすくなります。

正確性とスピードの両方を求められる場面

焦ると入力ミスが増える一方、確認に時間をかけすぎても業務が停滞してしまいます。正確性とスピードを両立するためには、次のような工夫が役立ちます。

 

工夫

期待できること

作業手順を決める

無駄な作業を減らしやすい

チェック項目を作る

確認漏れを防ぎやすい

ショートカットキーを覚える

PC操作を効率化しやすい

ミスしやすい箇所を把握する

重点的に確認できる

締め切りを確認する

優先順位を判断しやすい

 

入社直後は速さよりも、まず正しい手順を覚えることが大切です。業務に慣れてから効率化を進めることで、正確性を保ちながら処理速度を高めやすくなります。

入社後のミスマッチを防ぐために確認したい仕事内容

事務職といっても、企業や職種によって仕事内容は大きく異なります。求人票や面接では、以下の項目を確認しておきましょう。

 

  • 具体的に担当する業務の内容
  • 電話・メール・来客対応の有無や頻度
  • 使用するソフトや社内システム
  • 1日の業務の流れ
  • 入社後の研修や引き継ぎの有無
  • 繁忙期や残業の状況

 

「事務職=デスクワーク中心」といったイメージだけで判断せず、求人票の業務詳細まで必ず確認しましょう。

年代別に見る未経験から事務職への転職ポイント

年代によって、アピールしやすい経験や強みは異なります。ここでは、20代・30代・40代に分けてポイントを解説します。なお、「労働施策総合推進法」により、事業主は募集・採用において原則として年齢制限を設けることが禁止されています。

20代がポテンシャルと基礎スキルをアピールする方法

20代で未経験から事務職を目指す場合は、これまでの経験だけでなく、仕事への意欲や基礎的なビジネススキルもアピール材料になります。

 

  • WordやExcelなどの基本的なPCスキル
  • 電話・メールなどの基本的なビジネスマナー
  • 新しい業務を積極的に学ぶ姿勢
  • 周囲と協力して仕事を進める力
  • 接客や販売などで身につけた対人スキル

 

「若さ」だけを強みにするのではなく、事務職を目指してどのような準備をしているかを具体的に伝えることが大切です。

30代がこれまでの職務経験を事務職に活かす方法

30代で未経験から事務職を目指す場合は、これまでの職務経験で培ったスキルを事務職の仕事内容と結びつけて伝えることがポイントです。

 

これまでの経験

事務職で活かせるスキル

営業・販売

顧客対応・調整力

製造・物流

進捗管理・正確性

接客

コミュニケーション能力

リーダー経験

メンバー管理・業務調整

PCを使った業務

データ入力・資料作成

 

また、未経験から事務職へ転職する理由についても、今後のキャリアと結びつけて説明できるようにしておくことが大切です。

40代が経験・専門性を活かせる事務職を探すポイント

40代で未経験から事務職を目指す場合は、これまでの職務経験や業界知識、専門性を活かせる求人を探すことがポイントです。

 

  • 前職と同じ業界の事務職を探す
  • 営業経験を活かせる営業事務を検討する
  • マネジメント経験を活かせる業務を探す
  • 資格や専門知識を活かせる求人を選ぶ
  • PC操作や事務処理の経験を活かせる求人を探す

 

これまでの経験と応募先業務の共通点を洗い出し、培った知識やスキルをどう還元できるか具体的にアピールしましょう。

まとめ

未経験から事務職への転職は十分可能ですが、職種によって求人状況は大きく異なります。厚生労働省のjob tagのデータによると、一般事務の有効求人倍率は0.29倍にとどまる一方、営業事務は1.31倍に達しています。一般事務だけに絞らず、営業事務や経理事務、人事・総務事務など、自分の経験と相性の良い職種まで視野を広げることが大切です。

転職を成功させるには、これまでの経験を棚卸しして事務職で活かせる強みを整理し、WordやExcelなどの基本的なPCスキルを身につけておくことが有効です。MOSや日商簿記などの資格はアピール材料になりますが、資格取得より実務につながるスキルを優先すべき場合もあります。

志望動機や自己PRでは、「未経験でも応募できるから」といった消極的な理由ではなく、前職の経験と事務職の仕事内容を結びつけて伝えましょう。入社後のミスマッチを防ぐため、求人票や面接で具体的な仕事内容を確認することも欠かせません。

未経験から事務職への転職に関するよくある質問

未経験から事務職への転職に関するよくある質問

Q1.未経験から事務職になるのは難しい?

A1.未経験から事務職へ転職することは可能です。ただし、一般事務の有効求人倍率は令和7年度で0.29倍と1倍を大きく下回っており、求人によっては応募者が多く、経験者と競うこともあります。基本的なPC操作を身につけ、一般事務以外の事務職にも選択肢を広げ、前職で培ったスキルを志望動機や自己PRで具体的に伝えることが大切です。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

 

Q2.資格なしでも未経験から事務職へ転職できる?

A2.資格がなくても未経験からの転職は可能です。厚生労働省のjob tagデータによると、一般事務・営業事務・経理事務のいずれも、採用時に特別な学歴・資格を必須としていません。資格よりも、基本的なPCスキルや正確性、対応力などが重視されることがあります。ただし、経理事務などでは簿記の知識が役立つ場合があるため、希望する職種の求人を確認し、必要に応じて資格取得を検討しましょう。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

Q3.未経験から事務職は目指さないほうがいい?

A3.未経験であることだけを理由に、事務職を諦める必要はありません。ただし、「デスクワークだから」「未経験でもできそうだから」といったイメージだけで判断すると、入社後にミスマッチが生じる可能性があります。具体的な仕事内容や求められるスキル、電話・来客対応の有無、研修体制などを確認したうえで、自分の強みや希望する働き方に合っているかを判断しましょう。

Q4.一般事務の正社員求人は未経験でも応募できる?

A4.一般事務の正社員求人には、未経験者が応募できるものもあります。求人票に「未経験可」「未経験歓迎」「経験不問」などの記載があれば、事務職の実務経験がなくても応募できます。ただし、厚生労働省のjob tagデータによると一般事務は契約社員やパート、派遣社員の割合が高いため、雇用形態や応募要件、研修体制を事前にしっかり確認しておきましょう。

 

出典:一般事務 - 職業詳細 | 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

 

Q5.40代でも未経験から事務職へ転職できる?

A5.40代でも、未経験から応募できる事務職求人はあります。「労働施策総合推進法」では、事業主に対し、募集・採用において年齢を理由とした制限を設けることを禁止しています(例外事由あり)。ただし、応募先によって求める経験やスキルは異なるため、営業経験があれば営業事務、経理に関する知識があれば経理事務など、これまでの経験との共通点が多い職種を検討しましょう。

 

出典:募集・採用における年齢制限禁止について | 厚生労働省

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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