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貿易事務の年収はいくら?最新データで見る給与相場と収入アップのポイント

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貿易事務の年収はいくら?最新データで見る給与相場と収入アップのポイント

はじめに

貿易事務とは、商社やメーカーなどで輸出入取引を行う際に必要な事務業務全般を担当する職種です。この記事では仕事内容や給与を中心に貿易事務について解説していきます。

貿易事務の仕事内容とは?

貿易事務の仕事内容とは?

貿易事務とは、商社やメーカーなどで輸出入取引を行う際に必要な事務業務全般を担当する職種です。海外企業との原材料や商品の取引において、契約や納品、決済、輸送などの各種手続きを円滑に進めるために欠かせない存在です。ここでは貿易事務の主な仕事内容について紹介します。

 

1.貿易書類の作成・管理

貿易事務の中心的な業務は、インボイス(送り状)、パッキングリスト(梱包明細書)、船荷証券(B/L)、信用状(L/C)など、輸出入に必要な各種書類の作成・確認・送付です。これらの書類は国際取引の根拠となるため、内容の正確性が非常に重視されます。多くの書類が英語で作成されるため、英文書類の読み書き能力や、専門用語の知識が不可欠です。書類にミスがあると税関で許可が下りず、納期遅延やトラブルの原因となるため、細心の注意が求められます。

2.輸送・通関手配

貨物の輸送手段(船舶、航空便など)の手配や、運送業者・海運会社・倉庫業者との連絡・調整を行います。また、税関への通関手続きや必要書類の準備も重要な役割です。通関業務では、関税・消費税の計算や申告、税関検査の立ち合い、減税・免税手続きなども含まれます。通関書類の作成は専門性が高く、正確な申告が求められます。多くの場合、通関業者と連携して手続きを進めますが、通関士の資格があればより専門的な業務も担当できます。

3.納期・スケジュール管理

商品の受発注や納期、出荷スケジュールの調整・管理を担当します。納期遅延が発生しないよう、国内外の関係者(営業、物流、顧客、取引先など)と密に連携し、スケジュールを調整します。天候や国際情勢による遅延リスクもあるため、柔軟な対応力と先を見越した段取り力が求められます。

4.代金決済・利益計算

輸出入取引に伴う代金支払い手続きや、L/C(信用状)による決済業務、利益計算なども業務に含まれます。特に商社では、複雑な決済方法や為替管理、海外送金など多様な金融取引まで担うケースが多く、金融知識や正確な処理能力が必要です。

5.顧客・取引先対応

海外の顧客や取引先との電話・メール対応、来客対応も日常的に発生します。文化や商習慣の違いを理解し、柔軟かつ丁寧なコミュニケーション力が求められます。英語や中国語などの語学力が活かせる場面が多く、信頼関係の構築やトラブル時の迅速な対応も重要な役割です。

6.その他の事務作業

郵便物の発送・仕分け、備品管理、会議室準備など、一般事務的な業務も担当する場合があります。これらの業務を通じて、社内の円滑な業務運営を支える役割も担います。多忙な時期には、複数の業務を同時にこなすマルチタスク能力や、チームワークも必要です。

これらの業務をバランスよく遂行することで、貿易事務は国際取引の現場を支え、企業のグローバルビジネスを円滑に進める重要な役割を果たしています。


 

貿易事務の平均年収について

貿易事務の平均年収について

貿易事務の平均年収は厚生労働省の統計では511.9万円というデータがありますが、企業規模や雇用形態、個人の経験・スキルによって大きく変動するため、以下企業規模、雇用形態、地域による年収の違いをまとめました。

企業規模による年収の違い

大手商社

大手商社における貿易事務の正社員の年収は、400万円~600万円以上が相場であり、福利厚生や賞与が非常に充実しています。特に三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅などの大手総合商社では、基本給が高いだけでなく、年2回の賞与や各種手当(住宅手当・家族手当・海外赴任手当など)も手厚く支給されるため、年収レンジの上限が高くなっています。

また、これらの大手商社はグローバルに事業を展開しており、海外赴任の機会も多いことから、海外勤務手当やインセンティブが加算されることで、年収がさらに上がるケースも多く見られます。管理職や専門性の高いポジションに昇進すれば、年収1,000万円を超えることも十分に可能です。

この高い年収水準の背景には、商社の事業規模の大きさや、業績に応じて利益を人件費やボーナスへ積極的に還元する経営体制、そして一人当たりの純利益の高さがあります。さらに、商社は工場や在庫を持たない分、コストを抑え、その分を社員の待遇向上に充てやすいという特徴もあります。

このように、大手商社の貿易事務正社員は、給与・賞与・福利厚生のいずれも高水準であり、キャリアアップや専門性の向上によって、さらなる高収入を目指せる環境が整っています。
 

中小企業

中小企業における貿易事務の年収は、スタート時で300万円程度が多いのが特徴です。新卒や未経験で入社した場合、初年度は年収300万円~400万円ほどが一般的で、月給は21万円~23万円前後が相場となります。

成果や専門性が高く評価されると、より高収入を得ることも可能です。たとえば、貿易実務検定や通関士などの資格取得、英語力の向上、幅広い貿易実務の経験を積むことで、年収400万円~500万円以上を目指す人もいます。また、残業代や資格手当がしっかり支給される企業では、実際の手取りが増えるケースもあります。

さらに、実務経験を積んだ後に転職で年収を上げる人も多く、中小企業で基礎力を磨いた後、大手企業や専門性の高いポジションへキャリアアップする道も開かれています。

まとめると、中小企業の貿易事務はスタート時の年収は低めですが、専門性や実績を積み重ねることで収入アップやキャリアアップの可能性も十分にあります。

雇用形態による年収の違い

正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトといった雇用形態ごとに、貿易事務の年収や待遇には明確な違いがあります。また、勤務地による地域差も大きな要素です。

正社員

年収は300万~600万円で、賞与や福利厚生も手厚いのが特徴です。

大手商社やメーカー、都市部勤務では基本給・ボーナスが高く、管理職や専門職に昇進すれば年収1,000万円超も目指せます。

企業規模や経験によっては、スタート時で300万円台から始まる場合もあります。

年齢が上がるにつれて年収も上昇し、40代以降は管理職として活躍する人も多いです。

契約社員

年収は320万~450万円が目安で、仕事内容は正社員と大きく変わらないことが多いですが、賞与や昇給の幅はやや限定的です。

経験やスキルによって年収は上下し、交渉次第で高収入も可能です。

派遣社員

時給は1,600円前後、年収は300万円前後が多いです。

ボーナスは基本的になく、時給×就業時間で年収が決まります。

地域や業務内容によって時給には幅があり、1,256円~2,241円程度の求人も見られます。

パート・アルバイト

時給は平均1,200円程度が一般的です。

勤務時間が短く、補助的な業務が中心となるため、年収水準は低めです。

求められるスキルも比較的低く、未経験者でもチャレンジしやすい雇用形態です。

地域差による年収の違い

東京・大阪など都市部は給与水準が高く、正社員の平均年収は400万~600万円が相場です。

地方では300万円台が一般的となることもあり、同じ職種でも勤務地によって大きな差が生じます。

派遣やパートでも都市部は時給が高く、地方はやや低めの傾向です。

このように、貿易事務の年収は雇用形態や勤務地、企業規模、経験・スキルによって大きく異なります。正社員は安定した収入と福利厚生が魅力ですが、契約社員や派遣社員も条件次第で十分な収入が得られる可能性があります。パート・アルバイトは補助的な業務が中心ですが、未経験からキャリアをスタートする入り口としても活用されています。

日本の大手商社5社

日本の大手商社(総合商社)の代表例は、「5大商社」と呼ばれる以下の5社です。

  • 三菱商事株式会社

  • 伊藤忠商事株式会社

  • 三井物産株式会社

  • 住友商事株式会社

  • 丸紅株式会社

これらの総合商社は、食品、エネルギー、鉄鋼、化学品、IT、不動産など幅広い分野でグローバルにビジネスを展開しており、日本経済を支える存在です。

各社の主力分野と強み

  • 三菱商事

金属資源やエネルギー分野に強みを持ちつつ、生活産業や機械分野でも広く事業を展開。グローバルネットワークと事業開発力が特徴です。

  • 三井物産

資源事業に加え、ヘルスケアやインフラなど非資源分野も積極的に拡大。多角的な事業ポートフォリオを持っています。

  • 伊藤忠商事

繊維や食品など消費者に近い分野で強みを発揮し、安定した収益性を誇ります。

  • 住友商事

不動産やインフラ、メディア・デジタル分野など専門性の高い事業を展開。

  • 丸紅

食料・農業ビジネスや金属資源分野でグローバルネットワークを活かし、競争力を築いています。

これらの商社は明治時代から続く長い歴史を持ち、日本の近代化や経済成長の過程で国内外のサプライチェーン構築に大きく貢献してきました。伝統的なトレーディングから、現在は事業投資やバリューチェーン全体への関与など、グローバル経済の中核を担う存在となっています。

5大商社は、安定した経営基盤とグローバルな事業展開力で、就職市場でも高い人気と競争率を誇ります。

 

貿易事務の魅力とキャリアパス

貿易事務の魅力とキャリアパス

ここでは商社で働くメリットと他業種から転職する際のポイント、必要なスキルについて紹介します。

商社で働く貿易事務のメリット

商社で働く貿易事務には、他の事務職にはない多くのメリットがあります。

まず、グローバルな環境で多様な国や分野と関われる点が大きな魅力です。日常的に海外の取引先やパートナー企業とやり取りを行うため、国際的な視野や語学力、異文化理解が自然と身につきます。英語や中国語などの語学スキルを実践的に磨けるだけでなく、国ごとの商習慣や文化的背景を理解しながら働く経験は、他の職種では得がたい強みとなります。

また、貿易事務で得られる専門知識や実務経験は、他職種や国際的な仕事へのキャリアチェンジにも有利です。例えば、通関士やバイヤー、営業職、物流管理など、貿易実務の知識を活かせる幅広い選択肢が広がります。特定分野に特化したスペシャリストや、マネジメント職へのステップアップも可能です。

さらに、業務経験や語学力、資格(貿易実務検定・通関士など)を積むことで、年収アップやキャリアアップのチャンスが大きいのも商社の貿易事務ならではのメリットです。スキルや成果が正当に評価されやすく、やりがいや成長実感を持ちながら働くことができます。

このように、商社で働く貿易事務は、グローバルな環境、安定した待遇、多様なキャリアパス、専門性の高さという点で、非常に魅力的な職種です。

 

他業種から転職する際のポイント

他業種から貿易事務に転職する際は、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、英語力の証明としてTOEICスコアを取得しておくことが非常に有効です。多くの貿易事務の求人で英語力が求められるため、TOEICや英検のスコアがあれば書類選考や面接で強みになります。また、貿易実務検定や通関士などの資格取得も、知識や実践力の証明となり、採用担当者にアピールしやすくなります。

転職活動では、これまでの職務経験を貿易事務にどう活かせるかを具体的に伝えることが重要です。例えば、他業種での事務処理、調整業務、顧客対応、マルチタスクの経験などは、貿易事務でも大いに役立ちます。面接や職務経歴書では「どのようなスキルが貿易事務に応用できるか」を明確に説明しましょう。

未経験からのチャレンジの場合、派遣社員や契約社員からスタートし、実務経験を積みながら正社員を目指すルートも有効です。また、事前に貿易実務の基本用語や業務の流れを学んでおくと、即戦力として評価されやすくなります。

貿易事務で得た経験やスキルは、将来的に他職種や異業種への転職にも活かせます。例えば、海外営業、通関士、国際物流コーディネーター、外資系企業の事務職、バイヤー、コンサルティング職など、国際ビジネスに関わる幅広いキャリアパスが開けます。

さらに、貿易事務の専門性は再就職や復職にも有利であり、ライフイベントで一度職を離れても、再びキャリアを築きやすい点も大きなメリットです。

必要なスキル

貿易事務を目指すうえで求められる主なスキルは、以下の通りです。

  • ビジネス英語力・語学力

貿易事務では、英文メールや書類作成、海外取引先との電話対応など多くの場面で英語が必須です。ビジネスレベルの英語読解・ライティング力はもちろん、部署や取引国によっては英会話や他言語(中国語、韓国語、スペイン語など)が求められる場合もあります。TOEIC600点以上が目安とされることが多く、語学力を証明できる資格やスコアは大きなアピールポイントになります。

  • 貿易実務の専門知識

インボイスやパッキングリスト、船荷証券(B/L)、信用状(L/C)などの貿易書類の知識や、輸出入の流れ、国際物流、関税・貿易法令などの専門知識が不可欠です。これらは実務経験を通じて身につく部分も多いですが、事前に学習しておくことで就職・転職時に有利になります。貿易実務検定や通関士資格の取得も専門性を証明する手段です。

  • PCスキル(事務処理能力)

ExcelやWordなどのOfficeソフトの操作スキルは必須です。特にExcelではデータ整理・集計、関数やピボットテーブルの活用などが日常的に求められます。また、貿易管理システムやデジタルツールの操作、メール・チャットツールを使ったやり取りも多いため、ITリテラシーの高さが業務効率化に直結します。

  • コミュニケーション能力・調整力

貿易事務は、社内外の多くの関係者(営業、物流、顧客、取引先、通関業者など)と連携し、調整を行う仕事です。異なる文化や価値観を持つ相手と明確かつ簡潔に意思疎通できる力、トラブルや納期遅延時に柔軟かつ迅速に対応する力が求められます。また、ビジネスマナーや社会人としての基本的な常識も重要です。

  • 正確性・スピード・マルチタスク能力

貿易事務はミスが許されない業務が多く、書類作成や手続きの正確性、複数業務を同時に進めるマルチタスク能力、迅速な対応力も大切です。

これらのスキルをバランスよく身につけることで、貿易事務として活躍できるだけでなく、キャリアアップや他職種への転身にも大きな武器となります。
 

キャリアアップのために必要なスキル

キャリアアップのために必要なスキル

キャリアアップを目指す貿易事務職にとって、以下のスキルをバランスよく伸ばすことが重要です。

専門知識の深化

  • 貿易実務の専門知識(インコタームズ、L/C、国際物流、各国の規制、通関手続きなど)を深めることで、分野特化型のエキスパートや管理職を目指せます。

  • 輸出入業務の流れや法規制、リスク管理、最適な輸送方法の選定など、実務に直結する知識が不可欠です。
  • 貿易実務検定や通関士などの資格取得は、知識の証明とキャリアアップの武器になります。

語学力(特に英語の読み書き)

  • 英語でのコレスポンデンス(メールや書類作成)や電話応対が日常業務の中心であり、英文読解・ライティング力は必須です。

  • 英会話力もあると、海外取引先との交渉や会議など、より幅広い業務に対応できます。
  • TOEICや英検などの資格取得は、語学力の客観的な証明となり、昇進や転職時の強みになります。

コミュニケーション・調整力

  • 社内外の多様な関係者(営業、物流、顧客、取引先、通関業者など)と連携し、納期や条件調整、トラブル対応を行うための調整力や対人スキルが不可欠です。

  • 異文化理解や柔軟な対応力も求められ、信頼関係の構築がキャリア成長に直結します。

タイムマネジメント・段取り力

  • 輸出入業務は納期厳守が基本であり、複数案件を同時進行するマルチタスク能力や、効率的な時間管理能力が重要です。

  • 優先順位をつけて業務を進める段取り力が、業務効率と信頼性の向上につながります。

ITリテラシー

  • Excelや貿易管理システムなどのITスキルは業務効率化に直結し、データ管理・分析・書類作成などで必須となります。

  • デジタルツールや新しいシステムの活用に積極的であることが、現場での評価やキャリアアップのポイントとなります。

問題解決力・リーダーシップ

  • トラブルやイレギュラーな事態に迅速かつ的確に対応する問題解決力も、上位職を目指すうえで重要です。

  • 経験を重ねる中で、チームをまとめるリーダーシップやマネジメント力も身につけていくことが望まれます。

資格取得

  • 貿易実務検定、通関士、TOEICなどの資格はキャリアアップや転職時の武器になります。大手商社や都市部勤務、専門資格・語学力を持つ場合は高収入が期待でき、キャリアアップや転職の際にも有利です。貿易事務は必須資格があるわけではありませんが、以下の資格を取得しておくと就職・転職で大きなアピールポイントとなります。

資格名

概要・ポイント

貿易実務検定

貿易実務の知識とスキルを証明できる資格。C級(基礎)~A級(上級)まである。

通関士

通関業務のスペシャリスト。国家資格で難易度は高いが、保有者は高く評価される。

TOEIC

英語力を客観的に証明。600点以上が目安、700点以上でさらに高評価。

MOS(Office系資格)

WordやExcelなどのPCスキルを証明。業務効率化の観点からも有利。

貿易事務で培った専門性やスキルは、同業他社への転職や、通関士・バイヤー・営業職など他職種へのキャリアチェンジにも活かせます。商社での経験は、長期的なキャリア形成においても大きな強みとなるでしょう。

 

商社での貿易事務で成功するためのポイント

ここでは貿易事務として成功するための3つのポイントについて紹介します。

専門的な知識の深掘り

商社の貿易事務は、輸出入に関する幅広い専門知識が求められます。インボイスやパッキングリスト、船荷証券などの貿易書類作成、現地の規制や法律、通関手続き、物流手配など、業務範囲は多岐にわたります。また、商社は多種多様な商材を扱うため、製品ごとの特性や市場動向、国ごとの商習慣や規制も理解する必要があります。日々の業務を通じて知識を深め、変化する国際情勢や法規制にも柔軟に対応できる力が不可欠です。

日々の業務効率化の工夫

貿易事務は納期管理や多数の書類作成など、正確さとスピードが求められる仕事です。Excelや貿易管理システムなどITツールを活用し、業務の自動化やテンプレート化を進めることで、ミスを防ぎつつ効率的に作業を進めることが重要です。また、最新の技術や情報を積極的に取り入れ、業務プロセスの見直しや改善を継続する姿勢が、商社の現場で高く評価されます。

チームワークとリレーション構築のコツ

商社の貿易事務は、社内外の多くの関係者と連携しながら業務を進めます。営業や物流担当、海外取引先、通関業者などとの密なコミュニケーションが不可欠であり、情報共有や調整力が成功のカギとなります。異文化理解や柔軟な対応力を持ち、トラブル時にも冷静に対処できる姿勢が信頼構築につながります。チーム全体で課題を乗り越える一体感や、円滑なパートナーシップの構築が、商社の貿易事務で活躍するための大きなポイントです。

 

貿易事務に似た職業

貿易事務に似た職業

貿易事務に似た職業には、以下のような多様な職種があります。それぞれの職種は、国際取引や物流、事務処理に関わる点や、語学力・専門知識が活かせる点で共通していますが、担当する業務や専門性には違いがあります。

1. 通関士

輸出入貨物の通関手続きを専門に行う国家資格職です。税関への申告や関税納付、法令手続きの確認・対応などが主な業務で、通関業務に特化し法的責任も伴います。メーカーや商社、通関業者、海貨業者、倉庫会社などで活躍し、貿易事務よりも法規制や税務知識が求められます。

2. 輸出入事務員

商品の輸出入に関する事務を専門に担当します。貿易事務と業務内容が重なる部分が多く、書類作成や納期管理、運送・通関手配、受発注管理などを行います。商社やメーカー、物流会社で活躍し、英語や中国語などの語学力が求められることもあります。

3. フォワーダー(国際物流会社)・物流事務

自社で輸送手段を持たず、荷主(輸出入者)と運送業者をつなぐ役割を担う企業の事務職です。輸送手配や通関書類の作成、在庫・納期管理、スペースブッキング、関連会社との調整・交渉などを行い、貿易事務と非常に近い業務内容となっています。国際物流のコーディネーターとして、調整力や事務処理能力が求められます。

4. 一般事務・営業事務

書類作成やデータ入力、社内外の調整業務などを担当します。貿易事務とは異なり、国際取引や英語書類の作成は少ないですが、基本的な事務処理能力や調整力が求められる点は共通しています。営業事務の経験は、貿易事務へのキャリアチェンジにも役立ちます。

5. 航空貨物係・船舶貨物係

航空会社や海運会社、船会社などで、貨物の輸送手配や書類作成、運賃請求、スペース管理などを担当する職種です。国際物流や輸送に関わる事務処理を行い、貿易事務と同様に正確な事務処理や語学力が必要とされます。

6. 海貨業者・倉庫会社の事務

商社やメーカーの依頼で、輸出入に関する一連の業務を代行する業者の事務職です。通関書類の作成、船積・荷卸し、通関業務、在庫管理など幅広い業務を担当し、通関士資格があると有利です。

7. その他関連職種

  • NVOCC(外航利用運送事業者):複数の顧客貨物を集約して運ぶ事業者で、書類作成や輸送手配を担当。

  • 金融機関(銀行・信用保険会社):輸出入取引の決済や信用供与、保険引受などを担当。
  • 検査機関・商工会議所・政府機関:商品の検査や証明書発行、輸出入許可・承認業務などを行う。

これらの職種は、勤務先や担当業務によって求められるスキルや知識が異なりますが、国際取引の現場を支える専門性の高い事務職であることが共通しています。貿易事務の経験やスキルは、これらの職種へのキャリアチェンジやステップアップにも大いに活かせます。

まとめ

商社の貿易事務は、専門知識・語学力・コミュニケーション力を駆使し、グローバルビジネスを支える重要な仕事です。年収は経験やスキル、雇用形態、勤務先によって大きく異なりますが、一般事務より高めであり、キャリアアップ次第で高収入も目指せます。未経験からでも挑戦可能な一方、継続的な学習と自己成長が不可欠です。商社で輝くためには、専門性の深化と効率化、そしてチームワークを意識して日々の業務に取り組むことが成功のポイントです。

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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