セキュリティエンジニアの年収はいくら?相場と将来性を徹底解説!

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セキュリティエンジニアの年収はいくら?相場と将来性を徹底解説!

はじめに

「セキュリティエンジニアの年収はどれくらいなのか」「未経験からでも年収1,000万円を目指せるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。サイバー攻撃の手口が高度化するなかで、企業の情報資産を守る人材の重要性は年々高まっています。
この記事では、厚生労働省(job tag・賃金構造基本統計調査)や警察庁、IPAなどの公的データをもとに、セキュリティエンジニアの年収相場と仕事内容を整理します。働き方による違い、年収1,000万円を目指すためのスキルと資格、そして将来性まで、転職やキャリア設計の判断に使える形でまとめました。

セキュリティエンジニアの年収相場|公的統計で見る平均水準

セキュリティエンジニアの年収相場|公的統計で見る平均水準

まず結論から確認します。セキュリティエンジニアの年収は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)で公表されている数値が、もっとも信頼できる目安になります。この章では、平均年収と時給、一般労働者との比較、年齢による賃金の変化、雇用形態ごとの構成を順に見ていきます。

厚生労働省の職業情報で見る平均年収と時給

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、セキュリティエンジニアが「セキュリティエキスパート(オペレーション)」として掲載されています。同サイトによると、平均年収は609.8万円、時給換算では2,954円です。賃金の算出元は2025年(令和7年)賃金構造基本統計調査です。

あわせて、ハローワークに登録された求人の賃金は月額31.8万円(令和7年度)、平均年齢は42.2歳、月間の平均労働時間は160時間と示されています。就業者数は約20万7,400人(2020年(令和2年)国勢調査)で、専門職としては一定の規模を持つ職種といえます。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

一般労働者の平均賃金・情報通信業との比較

セキュリティエンジニアの年収水準を評価するには、比較対象を押さえておく必要があります。2025年(令和7年)に実施された厚生労働省賃金構造基本統計調査の概況によると、一般労働者全体の賃金は月額34万600円、情報通信業では月額40万6,000円でした。情報通信業の所定内給与(月額40万6,000円)を単純12か月換算すると約487万円となりますが、ここには賞与や残業代が含まれません。同調査による情報通信業の年間賞与等を含めた平均年収水準(約600万〜700万円台)と比較しても、セキュリティエンジニアの609.8万円は相応に高い水準であることが読み取れます。

 

区分

賃金水準

セキュリティエキスパート(オペレーション)

年収609.8万円

情報通信業(男女計・所定内給与)

月額40万6,000円

一般労働者全体(所定内給与)

月額34万600円

 

情報通信業の内訳を見ると、男性が月額42万8,100円、女性が月額35万300円です。職種を限定しない産業全体の数値であるため、セキュリティ分野に特化した人材の水準はこれより高くなる傾向があると読み取れます。

 

出典:令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

 

年齢と賃金の関係から見る年収の伸び方

職種を限定した年齢階級別の年収は公的統計として公表されていません。そのため、ここでは一般労働者全体の年齢階級別賃金を手がかりに、年収がどう伸びるかの傾向を確認します。

厚生労働省「2025年(令和7年)賃金構造基本統計調査の概況」によると、賃金は20代から50代にかけて段階的に上昇します。20歳~24歳が月額24万2,800円、30歳~34歳が31万2,300円、40歳~44歳が36万4,300円、50歳~54歳が38万8,800円で、賃金がもっとも高いのは55歳~59歳の月額39万6,200円です。

 

年齢階級

所定内給与額(月額)

20~24歳

24万2,800円

25~29歳

27万9,400円

30~34歳

31万2,300円

35~39歳

34万600円

40~44歳

36万4,300円

45~49歳

37万7,900円

50~54歳

38万8,800円

55~59歳

39万6,200円

 

セキュリティエンジニアの平均年齢は42.2歳で、40代前半が職種全体の中心層にあたります。20代は平均を下回る水準から始まり、経験を積むにつれて上がっていくという一般的な賃金カーブを前提に、自分の位置づけを考えるとよいでしょう。なお、この数値は全産業の平均値であり、セキュリティエンジニア個別の年代別年収を示すものではありません。

 

出典:令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

雇用形態別の構成と年収を考えるときの注意点

職業情報提供サイト(job tag)によると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の就業形態は正規の職員・従業員が71.4%、契約社員が25.0%、派遣社員が10.7%です(複数回答のため合計は100%を超えます)。正社員が7割を占める一方で、契約社員と派遣社員を合わせた比率も3割を超えています。

学歴構成は大学卒が75.0%、専門学校卒が14.3%、高校卒が14.3%、修士課程卒が7.1%です(複数回答可の調査結果のため、合計は100%を超えます)。大学卒が多数を占めますが、学歴だけで決まる職種ではないことが構成比から読み取れます。

正社員・契約社員・派遣社員それぞれの年収を職種別に示した公的統計は公表されていません。求人情報サイトなどが独自に集計した数値は算出方法や母集団が明示されていないことが多く、相場として受け取る際には注意が必要です。雇用形態ごとの条件は、実際の求人票に記載された賃金・労働時間・契約期間を個別に確認することをおすすめします。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

セキュリティエンジニアとは|仕事内容と役割

年収の背景を理解するには、何を担う職種なのかを押さえておく必要があります。この章では、基本的な業務内容、企画から運用までの工程、インシデント対応と脆弱性診断の位置づけ、最新の攻撃動向への対応を解説します。

セキュリティエンジニアの基本的な業務内容

セキュリティエンジニアは、ITシステムやネットワーク、アプリケーションをサイバー攻撃や不正アクセスから守るため、技術的・組織的な対策を担う専門職です。情報システムやネットワークを常時監視し、不正アクセスや攻撃への防御・対応を担うことが中心的な役割です。

主な業務は、セキュリティに配慮したインフラやシステムの設計・構築、セキュリティ機器の導入、脆弱性診断、セキュリティポリシーの策定、従業員教育、セキュリティ監査と多岐にわたります。企業や利用者を情報犯罪から守る社会的責任の大きい職種であり、扱う情報の性質上、高い倫理観も求められます。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

企画から運用までの仕事の流れ

セキュリティエンジニアの仕事は、大きく「企画」「設計」「実装」「テスト」「運用」の工程に分かれます。企画段階では現状分析とリスク評価を行い、必要な対策を提案します。設計フェーズでは、ネットワークやサーバー、アプリケーションを横断した全体像を策定し、実装ではシステムへの設定やセキュリティ機器の導入を担当します。

テスト工程では擬似攻撃や脆弱性検証によって安全性を確認し、運用フェーズではシステムの監視、アップデート、障害や攻撃が発生した際の対応を継続します。情報処理推進機構(IPA)のデジタルスキル標準では、これらを担う人材像が「サイバーセキュリティエンジニア」として整理されています。上流の企画・設計から運用までを一貫して担える人材ほど、市場での評価が高くなります。

 

出典:デジタルスキル標準|デジタル人材の育成|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

インシデント対応と脆弱性診断の重要性

インシデント対応と脆弱性診断は、企業の事業損害に直結する極めて重要な領域です。脆弱性診断では、システムやアプリケーションに潜む弱点を洗い出し、ペネトレーションテスト(擬似攻撃による侵入試験)などでリスクを評価します。

情報漏えいや不正アクセスが発生した場合は、原因調査から被害拡大の防止、再発防止策の立案と実施までを一貫して担います。警察庁によると、ランサムウェア被害から1か月未満で復旧できた組織は全体の5割強にとどまります。対応の速さと復旧計画の整備が、事業継続に直結する構造です。

さらに同庁の資料では、復旧に総額1,000万円以上を要した組織が全体の5割を超えていることも示されています。復旧費用の規模を踏まえると、事前の診断と体制整備に投資する合理性は高いといえます。

 

出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁サイバー警察局

最新のサイバー攻撃動向と対策の役割

攻撃手法は年々変化するため、セキュリティエンジニアには最新動向の把握が欠かせません。情報処理推進機構(IPA)が2026年1月29日に公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威の1位が「ランサムウェア攻撃による被害」、2位が「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」でした。

注目すべきは3位で、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が2026年に初めて選出されました。生成AIの業務利用が広がったことを受けた変化であり、対応できる人材の需要が今後高まる領域です。

 

順位

組織向けの脅威

1位

ランサムウェア攻撃による被害

2位

サプライチェーンや委託先を狙った攻撃

3位

AIの利用をめぐるサイバーリスク(初選出)

4位

システムの脆弱性を悪用した攻撃

5位

機密情報を狙った標的型攻撃

6位

地政学的リスクに起因するサイバー攻撃

7位

内部不正による情報漏えい等

8位

リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃

9位

DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)

10位

ビジネスメール詐欺

 

ランサムウェア、サプライチェーン攻撃、AI関連リスクが現在の主要テーマです。あわせて、個人情報保護法や業界ガイドラインの遵守、セキュリティ認証の取得支援も業務範囲に入ります。

 

出典:情報セキュリティ10大脅威 2026|情報セキュリティ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

セキュリティエンジニアの年収が高い理由

セキュリティエンジニアの年収が一般労働者の平均を上回る背景には、需給の逼迫と被害実態の深刻さがあります。この章では、有効求人倍率、サイバー攻撃の被害状況、IT人材全体の需給ギャップという3つの観点から理由を整理します。

有効求人倍率2.2倍が示す需給の逼迫

賃金は需要と供給の関係で決まります。職業情報提供サイト(job tag)によると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の有効求人倍率は2025年度(令和7年度)で2.2倍です。求職者1人に2件以上の求人がある売り手市場であり、企業間の獲得競争が激化しています。

就業者数は約20万7,400人にとどまる一方で、セキュリティ対策を必要とする組織は業種を問わず広がっています。人材の母数に対して求人が上回る状態が続く限り、待遇面での競争は継続すると考えられます。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

サイバー攻撃の被害実態と経営リスクの拡大

企業がセキュリティ人材に投資する理由は、被害が経営に直結するためです。警察庁「令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2025年(令和7年)のランサムウェア被害の報告件数は226件で、高い水準が続いています。

また、サイバー犯罪の検挙件数は1万5,108件と過去最高を記録しました。フィッシングの報告件数は245万4,297件、インターネットバンキングの不正送金は4,747件、被害額は約103億9,700万円にのぼります。

被害の裾野も広がっています。ランサムウェア被害を届け出た組織のうち中小企業が約6割を占めており、大企業だけの問題ではなくなりました。対策を担う人材の必要性が業種・規模を越えて高まっている状況です。

 

出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁サイバー警察局

 

年収1,000万円を目指すためのスキル・資格・キャリアパス

年収1,000万円を目指すためのスキル・資格・キャリアパス

平均年収609.8万円を大きく上回る水準を目指す場合、技術力だけでなく資格やキャリアの選択が影響します。この章では、国家資格、国際資格、マネジメント職への展開、独立や副業という4つの道筋を整理します。

情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)

情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティ分野を代表する国家資格です。情報処理推進機構(IPA)によると、2026年4月1日時点の登録者数は累計2万6,453名で、同日付の新規登録者は1,859名でした。

新規登録者の年代別内訳は30代が33.5%、20代が26.5%、40代が23.8%で、平均年齢は37.9歳です。業種別では情報処理・提供サービス業が27.7%、ソフトウェア業が23.2%、製造業が10.7%、官公庁・公益団体が7.5%と、事業会社や公的機関にも広がっていることが読み取れます。

 

区分

割合

20代

26.5%

30代

33.5%

40代

23.8%

50代

13.8%

60代以上

2.4%

 

登録者数が約2万6,000名という規模は、就業者数約20万7,400人という職種全体の規模に照らすと限られています。資格の保有が客観的な裏づけとして機能しやすい環境といえます。なお、2026年4月からは実務経験者に対する講習制度の導入が始まっています。

 

出典:国家資格「情報処理安全確保支援士」2026年4月1日付新規登録者1,859名の内訳|デジタル人材の育成|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

CISSPなどの国際資格と評価のされ方

国際的に通用する資格としては、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)やCISM(Certified Information Security Manager)が挙げられます。いずれも情報セキュリティのマネジメント領域を対象とし、一定の実務経験が受験や認定の要件に含まれます。

これらの資格は、グローバル案件や外資系企業での選考において専門性の説明材料になります。ただし、資格取得による年収上昇幅を示す公的データはありません。資格は評価材料の一つであり、取得のみで年収が保証されるわけではない点に留意しましょう。

実務での位置づけを踏まえると、資格と実務経験を組み合わせる発想が現実的です。担当領域の実績を具体的に説明できる状態を作ったうえで、資格を客観的な裏づけとして添える形が、選考の場面では説明しやすくなります。

マネジメント・コンサルティング職へのキャリアアップ

現場での経験を積んだ後の選択肢として、セキュリティマネージャー、セキュリティコンサルタント、CISO(最高情報セキュリティ責任者)といった上流のポジションがあります。これらの職種では、技術力に加えて経営視点でのリスク管理、プロジェクトマネジメント、関係者との調整力が求められます。

賃金構造基本統計調査の年齢階級別データでは、賃金は50代後半まで上昇を続けます。役職や職責の拡大が賃金を押し上げる構造を踏まえると、技術的な専門性を保ちつつ管理・提案領域へ業務を広げることが、年収アップの現実的な道筋です。

ただし、特定のポジションで年収1,000万円以上が得られるという断定はできません。企業規模、業界、担当範囲によって条件は大きく異なるため、求人票に記載された賃金・職務内容・労働時間を個別に確認する必要があります。

 

出典:令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

フリーランス・副業という選択肢と留意点

独立や副業によって収入源を広げる選択肢もあります。セキュリティ診断、コンサルティング、研修や講演といった業務は単発でも成立しやすく、会社員としての収入に上乗せする形も取りやすい領域です。

一方で、フリーランスの年収に関する公的統計は存在しません。民間サイトが掲げる金額も算出根拠が不透明なケースが多いため、安易に相場と判断するのは危険です。案件単価や年収見込みは、契約前に業務範囲・報酬・支払期日を書面で必ず確認しておきましょう。

独立にあたっては、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)により、発注者には取引条件の明示などが義務づけられています。報酬額・支払期日・業務範囲を契約段階で明確にしておくことが、収入の安定に直結します。あわせて、社会保険や福利厚生が会社員時代と異なる点も踏まえて判断してください。

年収アップのための具体的な戦略

年収を上げるには、目の前の業務をこなすだけでなく、市場価値が高まる方向へ意識的に投資する必要があります。この章では、知識のアップデート、需要が高い技術領域の選び方、業界ネットワークの構築という3つの方法を解説します。

専門知識を継続的にアップデートする

サイバーセキュリティの分野は、攻撃手法も防御技術も短期間で変化します。情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威」でも、2026年版で「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選出されました。脅威の順位が毎年入れ替わる分野であるため、知識の更新を止めた時点で市場価値は下がりはじめます。

具体的な手段としては、公的機関が公表する資料の定期的な確認、公式ドキュメントの読み込み、技術書やオンライン講座の活用が基本です。暗号化、ネットワーク、クラウド、AI関連のリスクといった領域を横断して押さえておくと、対応できる案件の幅が広がります。

 

出典:情報セキュリティ10大脅威 2026|情報セキュリティ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

 

需要が高い技術領域に軸足を置く

どの領域に力を入れるかは、公表されている脅威動向から判断できます。「情報セキュリティ10大脅威 2026」で上位に挙げられた領域は、そのまま企業が対策を急いでいる領域です。

具体的には、ランサムウェアへの備えとしてのバックアップ設計や復旧計画の策定、サプライチェーンを意識した委託先管理、生成AIの業務利用に伴うリスク評価が挙げられます。警察庁の発表によれば、ランサムウェア被害に関する届出のうち、約6割を中小企業が占めており、大企業向け以外にも対応の余地があります。

クラウド環境の設計やゼロトラストの考え方に基づくアクセス制御も、リモートワークの定着とともに需要が続く領域です。上流の設計・評価まで担える経験を持つと、担当できる範囲と単価の双方で有利になります。

 

出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁サイバー警察局

業界ネットワークを構築する

セキュリティ分野は、情報の鮮度が業務の質に直結します。勉強会や業界団体の活動への参加は、一次情報や対応ノウハウを得る好機となります。転職・独立を見据えた情報収集の場としても有効です。

情報発信も選択肢のひとつです。技術記事の執筆や登壇を通じて実績を外部から確認できる状態にしておくと、選考や案件相談の場面で説明の手間が減ります。ただし、業務上の機密情報は厳格に保護し、守秘義務の範囲内で発信することが大前提です。

なお、非公開求人や好条件の案件がネットワーク経由でしか得られないという性質のものではありません。求人票の内容を自分で確認し、条件を比較する姿勢を併せ持つことが大切です。

セキュリティエンジニアに向いている人・今後求められる力

最後に、セキュリティエンジニアの適性や、今後求められる資質を整理します。技術力に加え、思考力やコミュニケーション力も成果を左右する職種です。

問題解決能力と論理的思考力

セキュリティエンジニアにもっとも強く求められるのは、論理的思考力と問題解決能力です。攻撃やシステムの脆弱性は原因が複数の要素にまたがることが多く、表面的な現象だけを見ていては再発を防げません。

事象を分解して根本原因を特定し、優先順位をつけて対処する力が、インシデント対応の現場で問われます。システム全体を俯瞰し、短期の復旧と中長期のリスク管理を切り分けて判断できることも重要です。原因の切り分けや優先順位づけは、日常的な脆弱性診断でも不可欠です。

コミュニケーション力とチームワーク

セキュリティエンジニアは、社内外の多様な関係者と連携して業務を進めます。経営層や開発チーム、外部ベンダーなど、立場の異なる相手に専門知識をわかりやすく伝えるコミュニケーション力が欠かせません。

インシデント発生時には、迅速な情報共有と役割分担が被害の規模を左右します。技術的に正しい判断を、関係者が動ける言葉に翻訳できるかどうかが成果を分けます。単独作業だけでなく、チームで結果を出すための協調性が評価される職種です。

継続的な学習意欲と自己投資

技術革新の速い分野であるため、学び続ける姿勢が前提になります。専門書やオンライン講座、勉強会への参加、資格取得などを通じて知識を更新し続けることが必要です。

情報処理推進機構(IPA)の情報処理安全確保支援士では、2026年4月から実務経験者に対する講習制度の導入が始まりました。資格取得後も継続的な学習が制度に組み込まれていることは、この分野の性質をよく表しています。暗号化や認証技術、ネットワーク、OS、クラウドといった領域を横断して学ぶ姿勢が、キャリアの選択肢を広げます。

 

出典:情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)|デジタル人材の育成|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

基礎的なIT・セキュリティ技術力

セキュリティは、ITの基礎の上に成り立つ領域です。サーバー、OS、ネットワーク、プログラミングといった基礎知識がないまま防御策だけを学んでも、実際のシステムに適用する判断ができません。

そのうえで、暗号化・認証技術、脆弱性診断、インフラとアプリケーションそれぞれのセキュリティ、監視・運用といった領域をカバーする力が求められます。インフラやネットワークの実務経験は、セキュリティ分野と親和性が高く、キャリアチェンジの土台になります。職業情報提供サイト(job tag)でも、この職種の業務内容は監視と対応を中心とするものとして整理されています。

法令・規格への理解と高い倫理観

セキュリティエンジニアは、個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法、ISO/IEC 27001などの規格への理解も必要です。技術的に可能なことと、法令や契約上許されることは必ずしも一致しません。

また、クライアントの機密情報を扱うため、高い倫理観と守秘義務の徹底が不可欠です。job tagでも、社会的責任の大きい職種として位置づけられています。法令遵守と職業倫理を守り続けられることが、長期的なキャリア形成の土台になります。

まとめ

セキュリティエンジニアの年収は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると平均609.8万円です。一般労働者全体の所定内給与が月額34万600円、情報通信業が月額40万6,000円という水準に照らすと、専門職として高い位置にあります。有効求人倍率は2.2倍で、就業者数約20万7,400人という規模に対して求人が上回る状態が続いています。

年収が高い背景には、被害実態の深刻さがあります。警察庁の資料では2025年(令和7年)のランサムウェア被害報告が226件、サイバー犯罪の検挙件数が1万5,108件と過去最高を記録し、被害を届け出た組織の約6割が中小企業でした。復旧に1,000万円以上を要した組織が5割を超えるなど、対策の必要性は業種・規模を越えて高まっています。

年収を引き上げる道筋は様々です。具体的には、情報処理安全確保支援士などの資格取得、上流工程(設計・評価)の経験蓄積、マネジメント職へのキャリアアップ、独立・副業による収入源の分散などが挙げられます。いずれも特定の年収を保証するものではないため、求人票や契約書に記載された条件を個別に確認することが前提です。脅威の順位が毎年入れ替わる分野であることを踏まえ、公的機関が公表する一次情報を定期的に確認しながらキャリアを設計していくことをおすすめします。

よくある質問

よくある質問

 

Q1.セキュリティエンジニアの年収は高いですか?

A1.厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の平均年収は609.8万円です。一般労働者全体の所定内給与が月額34万600円、情報通信業が月額40万6,000円であることを踏まえると、専門職として高い水準にあります。時給換算では2,954円、ハローワーク求人の賃金は月額31.8万円です。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

Q2.セキュリティエンジニアの求人は多いですか?

A2.職業情報提供サイト(job tag)によると、セキュリティエキスパート(オペレーション)の有効求人倍率は2025年度(令和7年度)で2.2倍です。求職者1人あたり2件以上の求人がある状態で、就業者数は約20万7,400人にとどまります。母数に対して求人が上回る状況が続いています。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

Q3.未経験からセキュリティエンジニアになれますか?

A3.未経験からの挑戦も可能ですが、IT全般の基礎知識は必須です。job tagのデータでは大学卒が75.0%を占める一方で、専門学校卒・高校卒も各14.3%となっており、多様な学歴層から挑戦可能で実力が評価されやすい職種であることがうかがえます。インフラやネットワークの実務経験はセキュリティ分野と親和性が高く、キャリアチェンジの足がかりになります。

 

出典:セキュリティエキスパート(オペレーション)-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)

 

Q4.年収1,000万円を目指すには何が必要ですか?

A4.特定の資格やポジションで年収1,000万円が得られると示した公的データはありません。一般的には、上流の設計・評価まで担える経験、情報処理安全確保支援士などの資格による裏づけ、マネジメントやコンサルティング領域への展開が選択肢になります。企業規模や業界によって条件は大きく異なるため、求人票に記載された賃金と職務内容を個別に確認してください。

Q5.どのような資格が評価されますか?

A5.国家資格としては情報処理安全確保支援士があります。情報処理推進機構(IPA)によると、2026年4月1日時点の登録者数は累計2万6,453名です。国際資格ではCISSPやCISMがマネジメント領域を対象としています。いずれも年収への影響を示した公的データはないため、実務経験と組み合わせて評価材料とするのが現実的です。

 

出典:国家資格「情報処理安全確保支援士」2026年4月1日付新規登録者1,859名の内訳|デジタル人材の育成|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

Q6.今どの技術領域を学ぶべきですか?

A6.「情報セキュリティ10大脅威 2026(IPA)」によると、組織向けの脅威は1位がランサムウェア攻撃、2位がサプライチェーンや委託先を狙った攻撃、3位がAIの利用をめぐるサイバーリスクでした。3位のAI関連リスクは2026年の初選出です。上位に挙がった領域は企業が対策を急いでいる領域と重なります。

 

出典:情報セキュリティ10大脅威 2026|情報セキュリティ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

 

Q7.フリーランスとして独立する場合の注意点は何ですか?

A7.フリーランスのセキュリティエンジニアの年収を示した公的統計は公表されていません。案件単価の情報は算出根拠が明示されていない場合が多いため、契約前に業務範囲と報酬、支払期日を書面で確認することが前提です。特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)により発注者には取引条件の明示などが義務づけられています。社会保険や福利厚生が会社員時代と異なる点も踏まえて判断してください。

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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