介護事務になるには?資格・仕事内容・未経験から就職する方法を解説

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介護事務になるには?資格・仕事内容・未経験から就職する方法を解説

はじめに

「介護事務になるには何をすればよいの?」「資格がなくても働ける?」「未経験でも就職できる?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。介護事務は、介護保険の知識や介護報酬請求(レセプト)業務などの専門性が求められる一方、未経験・無資格から応募できる求人もあります。この記事では、介護事務になるための流れをはじめ、必要な資格や仕事内容、向いている人の特徴、将来性まで、公的機関のデータをもとに分かりやすく解説します。介護事務を目指す方が自分に合った準備を進められるよう、就職・転職に役立つ情報を紹介します。

介護事務とは

介護事務とは

介護事務とは、介護施設や訪問介護事業所などで、介護報酬請求(レセプト)や利用者情報の管理、書類作成、電話・来客対応などを担当する仕事です。

介護サービスを円滑に提供するため、介護職員やケアマネジャー、利用者とその家族を事務面から支える役割を担っています。直接介護を行うことは基本的にありませんが、勤務先によっては、利用者の見守りや介護補助を担当する場合があります。

介護事務を目指すなら、まずは仕事内容や介護職員・医療事務との違いを理解することが大切です。同じ介護・医療分野の仕事でも、担当する業務や必要な知識は異なります。自分に合った職種かどうかを判断するためにも、それぞれの特徴を把握しておきましょう。ここでは、介護事務の仕事内容や介護職員・医療事務との違いについて解説します。

介護事務と介護職員との違い

介護事務と介護職員の主な違いは、利用者への身体介護を担当するかどうかです。介護職員は、食事・入浴・排せつ・移動の介助などを行い、利用者の日常生活を直接支援します。

一方、介護事務は介護報酬請求(レセプト)や書類管理、電話対応などのデスクワークが中心です。介護職員が現場で利用者を直接支援するのに対し、介護事務は施設や事業所の運営を事務面からサポートします。

比較項目

介護事務

介護職員

主な仕事内容

介護報酬請求(レセプト)、書類作成、受付、会計

食事・入浴・排せつ・移動などの介助

利用者との関わり

受付や電話対応などが中心

日常的に直接支援する

身体介護

基本的に行わない

主な業務として行う

求められる知識

介護保険制度、事務処理、パソコン操作

介護技術、認知症ケア、身体の仕組み

仕事の中心

デスクワーク

介護現場での業務

体力的な負担

比較的少ない

比較的大きい

ただし、小規模な介護施設や事業所では、介護事務が利用者の見守りや送迎補助などを担当することもあります。

介護事務と医療事務の違い

介護事務と医療事務は、どちらも請求業務や受付、書類管理などを行う事務職です。ただし、扱う保険制度や請求内容、主な勤務先が異なります。

介護事務は介護保険制度に基づく介護報酬請求(レセプト)を行い、介護施設やデイサービス、訪問介護事業所などで勤務します。一方、医療事務は医療保険制度に基づく診療報酬請求を行い、病院や診療所(クリニック)などで勤務するのが一般的です。

比較項目

介護事務

医療事務

主に扱う制度

介護保険制度

医療保険制度

主な請求業務

介護報酬請求(レセプト)

診療報酬請求

主な勤務先

介護施設、デイサービス、訪問介護事業所

病院、診療所(クリニック)

主な対応相手

利用者、家族、ケアマネジャー、自治体

患者、医師、看護師、保険者

必要な知識

介護サービス、要介護認定、介護報酬

診療内容、医療費、診療報酬

受付業務

勤務先によって異なる

患者受付や会計対応が多い

医療事務では患者の受付や診療費の計算を行う機会が中心であるのに対し、介護事務では利用者や家族、ケアマネジャー、自治体とのやり取りが多い傾向にあります。どちらも正確な請求処理が求められますが、使用する専門用語や制度が異なるため、希望する勤務先に合った知識を身につけることが重要です。

 

介護事務になるには資格が必要か

介護事務を目指す際に、「資格がないと働けないのでは?」と不安に感じる方は少なくありません。

実際には、介護事務は資格がなくても就職を目指せる職種です。しかし、資格を取得することで就職や転職で有利になるケースもあります。ここでは、未経験・無資格でも働ける理由や資格取得のメリット、主な民間資格、学習方法について解説します。

未経験・無資格から就職できる理由

介護事務には、法令上必須とされる資格はありません。介護保険法に基づく指定基準(「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」等)では、介護職員や看護職員、生活相談員などについて資格要件や配置基準が定められていますが、事務職員に資格要件を課す規定は設けられていないため、未経験・無資格からでも応募できる求人が数多く見られます。

入社後に実務を通して業務を覚えることを前提に、未経験者を募集している職場も少なくありません。そうした施設では、実務経験だけでなく、人柄やコミュニケーション能力、基本的なパソコンスキルが重視される傾向にあります。

未経験者が評価されやすいポイント

  • 基本的なパソコン操作ができる
  • コミュニケーション能力がある
  • 丁寧で正確な事務処理ができる
  • 介護業界で働く意欲がある
  • 学ぶ姿勢や向上心がある

ただし、介護報酬請求(レセプト)など専門知識が必要な業務もあるため、基礎知識を身につけておくことで採用後もスムーズに仕事を覚えられます。

出典:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 | e-Gov 法令検索

資格を取得するメリット

介護事務は資格がなくても働けますが、資格を取得することで介護保険制度や介護報酬請求(レセプト)の知識を体系的に学べます。そのため、未経験者であっても必要な知識を学んでいることを示しやすくなり、就職・転職活動での評価につながる可能性があります。

また、事前の学習を通じて基礎をしっかり身につけておけば、入社後の実務にもスムーズに活かせます。

資格取得の主なメリット

  • 基礎知識を身につけられる
  • 履歴書で学習意欲をアピールできる
  • 未経験でも採用時の評価につながりやすい
  • 介護報酬請求(レセプト)への理解が深まる
  • 転職時の選択肢が広がる

一方で、資格を取得したからといって必ず就職できるわけではありません。資格だけでなく、パソコンスキルやコミュニケーション能力もあわせて身につけることが大切です。

介護事務に関連する主な民間資格

介護事務には複数の民間資格があり、それぞれ学べる内容や試験方法が異なります。介護事務の実務がはじめての方は、介護保険制度やレセプト業務を基礎から学べる資格を選ぶとよいでしょう。

代表的な資格

資格名

実施団体

特徴

介護事務管理士®

技能認定振興協会(JSMA)

介護報酬請求(レセプト)の基礎から学べる代表的な資格

ケアクラーク®

日本医療教育財団

介護保険制度や事務知識を幅広く学べる

介護報酬請求事務技能検定試験

日本医療事務協会

実務に役立つ請求業務の知識を習得できる

※2026年(令和8年)7月時点の情報です。試験内容や実施状況は変更される場合があるため、最新情報は各実施団体の公式サイトでご確認ください。

資格ごとに受験方法や難易度、教材の内容が異なるため、自分の目的や学習スタイルに合った資格を選ぶことが重要です。

資格取得までの流れと学習方法

介護事務資格は、通信講座や独学、通学講座などさまざまな方法で取得を目指せます。働きながら学習したい方には、好きな時間に学べる通信講座が利用しやすいでしょう。

一般的な資格取得までの流れ

  1. 取得したい資格を選ぶ
  2. 教材や通信講座を申し込む
  3. テキストで基礎知識を学ぶ
  4. 問題集や過去問題で試験対策を行う
  5. 試験を受ける
  6. 合格後に就職・転職活動へ活かす

学習期間や受験料は、資格の種類や講座内容、学習ペースによって異なります。受験前に、各実施団体の公式情報や講座の標準学習期間・費用を必ず確認しましょう。効率よく知識を身につけるには、介護保険制度の仕組みを理解したうえで、レセプト作成や過去問題に繰り返し取り組むことが大切です。

介護事務の仕事内容

介護事務の仕事内容

介護事務を目指すなら、実際にどのような仕事を担当するのかを理解しておくことが大切です。介護事務の業務はレセプト作成だけではなく、受付や電話対応、書類作成など多岐にわたります。仕事内容を知ることで、自分に向いている仕事かどうかを判断しやすくなるでしょう。ここでは、介護事務の主な仕事内容と一日の流れについて解説します。

介護報酬請求(レセプト)業務

介護事務の代表的な仕事が、介護報酬請求(レセプト)業務です。利用者に提供した介護サービスの実績をもとに請求データを作成し、国民健康保険団体連合会(国保連)へ介護報酬を請求します。

請求データは、サービスを提供した月の翌月1日から10日までに国保連へ提出しなければなりません。これは厚生労働省の通知に基づくルールとして定められており、期限を過ぎると原則として翌月以降の請求扱いとなります。したがって、月末から月初にかけては請求業務が非常に集中します。

レセプト業務では、サービス内容や利用日数、介護保険の適用内容などを正確に入力する必要があります。入力内容に誤りや不備があると、返戻や査定の対象となる可能性があるため、提出前の確認が欠かせません。

レセプト業務の主な流れ

  1. 介護記録やサービス実績を確認する
  2. 介護報酬を計算する
  3. レセプトを作成する
  4. 内容を確認・修正する
  5. 国保連へ請求データを提出する
  6. 請求後の返戻・再請求に対応する

なお、介護給付費の請求は、電子請求(インターネット経由または磁気媒体)で行うことが原則です。そのため、介護事務には介護ソフトの操作や電子証明書の管理といった、システムを用いた実務への対応力が求められます。

介護事務の中でも専門性が高い業務のため、介護保険制度や介護報酬の仕組みを理解しておくことが重要です。

出典:介護給付費請求書等の記載要領について|厚生労働省

 

受付・電話対応・利用者対応

介護事務の仕事は、事務作業だけでなく、受付や電話対応も重要な業務の1つです。来所した利用者や家族への案内、電話での問い合わせへの回答や、ケアマネジャー・自治体との連絡など、さまざまな人と関わります。

受付では、利用者や家族が疑問なく手続きを進められるよう、丁寧で分かりやすい対応が求められます。また、電話ではサービス内容の確認や利用日程の変更など、さまざまな問い合わせに対応します。

主な対応業務

  • 来所者の受付・案内
  • 電話対応
  • 利用者や家族からの問い合わせ対応
  • ケアマネジャーや自治体との連絡
  • 面会や見学の受付
  • 担当職員への取り次ぎ

施設の第一印象を左右する立場でもあるため、接遇マナーやコミュニケーション能力が重要になります。

書類作成やデータ入力

介護事務は、日々発生するさまざまな書類の作成やデータ入力も担当します。契約書や利用者情報の管理、各種申請書類の作成、介護ソフトへの入力など、正確さが求められる業務が中心です。

書類の誤りは請求や施設運営に影響するため、内容を確認しながら正確に作業を進めます。

主な書類作成・入力業務

  • 利用契約書の作成
  • 利用者情報の登録・更新
  • 請求書・領収書の作成
  • 介護記録の入力・管理
  • 勤怠データの入力や備品の管理
  • 各種申請書類の作成

パソコンを使用する機会が多いため、WordやExcelの基本操作に加え、介護ソフトの操作にも慣れておくと実務で役立ちます。

介護事務の一日の仕事の流れ

介護事務の業務内容は勤務先によって異なりますが、基本的には受付対応や書類作成、データ入力などを行います。

一般的な一日の流れ

時間帯

主な仕事内容

始業後

メール確認、受付、電話対応、書類整理

午前中

データ入力、利用者情報の更新

昼休憩

午後

書類作成、会計処理、電話対応

退勤前

翌日の準備、書類整理、最終確認

なお、月末から月初にかけては、上記の業務にレセプト作成・請求業務が加わるため、通常より忙しくなる傾向があります。

介護事務はデスクワークが中心ですが、介護職員やケアマネジャーなどと連携しながら業務を進めます。事務処理能力だけでなく、状況に応じて柔軟に対応する力も求められます。

介護事務に求められる知識とスキル

介護事務として働くには、介護保険制度の知識に加え、パソコン操作や事務処理、コミュニケーションなどの幅広いスキルが必要です。専門資格がなくても働ける職種ですが、必要な知識やスキルを身につけることで、就職後もスムーズに業務へ対応できるでしょう。ここでは、介護事務に必要な知識とスキルについて解説します。

介護保険制度の基礎知識

介護事務には、介護保険制度の基礎知識が欠かせません。介護報酬請求(レセプト)業務では、制度に沿って請求内容を作成するため、仕組みを正しく理解していることが重要です。

また、利用者や家族から制度について質問を受けることもあるため、基本的な仕組みを理解していれば、質問の内容を把握し、適切な担当者へつなぎやすくなります。

介護事務が理解しておきたい主な知識

  • 介護保険制度の仕組み
  • 要介護・要支援認定の概要
  • 介護サービスの種類
  • 介護報酬請求(レセプト)の流れ
  • 利用者負担割合
  • 国保連への請求手続き

介護報酬は原則として3年に1度見直され、直近では2024年度(令和6年度)に改定されました。次回は2027年度(令和9年度)の予定です。また、介護保険事業計画も3年を1期として策定されるなど(介護保険法第117条)、制度が定期的に見直される分野であるため、就職後も最新情報を確認し、知識を更新する必要があります。

出典:介護保険法 | e-Gov 法令検索
出典:令和6年度介護報酬改定について|厚生労働省

パソコン操作・事務処理能力

介護事務はデスクワークが中心となるため、基本的なパソコン操作や事務処理能力が必要です。利用者情報の入力や請求書類の作成、介護ソフトの操作など、毎日の業務でパソコンを使用します。

特に、正確かつ効率よく入力作業を行うことが重要です。WordやExcelの基本操作ができると、仕事を進めやすくなります。

介護事務で役立つスキル

  • Wordでの文書作成
  • Excelでの表作成や簡単な関数の使用
  • タイピングスキル
  • 介護ソフトの基本操作
  • データ入力
  • 書類整理・ファイリング

高度な操作ができること以上に、基本的な操作を正確に行い、丁寧に処理できることが大切です。

コミュニケーション能力

介護事務は事務作業だけでなく、多くの人と関わる仕事でもあります。利用者や家族、介護職員、ケアマネジャー、自治体など、さまざまな相手と連携しながら業務を進めるため、コミュニケーション能力が重要です。

相手の話を丁寧に聞き、分かりやすく伝える力があれば、円滑な連携につながります。また、受付では施設の第一印象にも関わるため、相手に合わせて落ち着いて丁寧に対応することが大切です。

求められるコミュニケーション能力の例

  • 丁寧な電話対応
  • 来所者への受付・案内
  • 職員との情報共有
  • 利用者や家族への分かりやすい説明
  • 相手の話を正確に聞き取る力
  • 状況に応じた柔軟な対応

介護事務には、事務処理能力だけでなく、周囲と協力しながら仕事を進める姿勢も必要です。

正確性とスケジュール管理能力

介護事務では、請求業務や書類作成など期限が決まっている仕事が多くあります。入力ミスや提出期限の遅れは施設運営にも影響するため、正確性とスケジュール管理能力が欠かせません。

特に月末から月初はレセプト請求業務が集中するため、優先順位を考えながら効率よく仕事を進めることが重要です。

介護事務で求められる能力

求められる能力

求められる理由

正確性

請求ミスや入力ミスを防ぐため

スケジュール管理能力

提出期限を守るため

優先順位を判断する力

複数の業務を効率よく進めるため

確認・見直しの習慣

書類やデータの誤りを防ぐため

集中力

細かな事務作業を正確に行うため

一つひとつの業務を丁寧に進める姿勢が、介護事務として信頼されるための大切なポイントになります。

介護事務に向いている人の特徴

介護事務は、事務処理だけでなく利用者や職員とのやり取りも多い仕事です。そのため、パソコンスキルだけでなく、周囲と協力し、仕事へ丁寧に取り組む姿勢も大切です。自分の性格や得意なことが介護事務に向いているかを知ることで、就職後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。ここでは、介護事務に向いている人・負担を感じやすい人の特徴と、働きながらスキルアップする方法について解説します。

介護事務に向いている人

一般的に、正確な事務処理が得意で、人と関わることに抵抗がない方は、介護事務の業務をスムーズに進めやすいとされています。利用者や家族、介護職員、ケアマネジャーなど、多くの人と連携しながら仕事を進めるため、コミュニケーション能力も重要です。

また、介護保険制度は定期的に改正されるため、新しい知識を学び続ける姿勢も求められます。

介護事務に向いている人の特徴

  • 細かな作業を丁寧に進められる
  • パソコン操作が苦にならない
  • 利用者や職員と丁寧にやり取りできる
  • 相手の話を正確に聞き取れる
  • 責任感を持って仕事に取り組める
  • 新しい知識を学ぶ意欲がある
  • スケジュール管理が得意

これらの特徴に当てはまる方は、介護事務として長く活躍しやすいでしょう。

介護事務で負担を感じやすい人

介護事務はデスクワークが中心ですが、単純作業だけを繰り返す仕事ではありません。電話対応や受付、職員との連携など、人とのコミュニケーションも多いため、それらが苦手な方は負担を感じやすい傾向にあります。

また、請求業務では小さなミスが大きな影響につながることもあるため、確認をせずに作業を進めてしまう方は、チェック方法を工夫しなければなりません。

介護事務の仕事で負担を感じやすい人の特徴は、次のとおりです。

  • 細かな確認作業が苦手
  • デスクワークが苦痛に感じる
  • 人と関わることを避けたい
  • 締め切りを守ることが苦手
  • パソコン操作に強い苦手意識がある
  • 優先順位を考えて行動するのが苦手

ただし、これらに当てはまる場合でも、経験を積みながら改善できることは多いため、必ずしも介護事務に向いていないとは限りません。

働きながらスキルアップする方法

介護事務は、実務経験を積みながら知識やスキルを高められる仕事です。介護保険制度の改正に対応したり、資格取得を目指したりすることで、仕事の幅が広がります。

また、日々の業務を振り返りながら経験を重ねることで、事務処理能力やコミュニケーション能力も自然と向上していきます。

スキルアップの方法としては、以下のようなものがあります。

スキルアップ方法

身につくこと

介護事務資格を取得する

介護保険制度やレセプトの知識

制度改正の情報を学ぶ

最新の介護保険制度への対応力

パソコンスキルを磨く

Word・Excel・介護ソフトの操作

レセプト業務を経験する

実践的な請求処理能力

研修や勉強会へ参加する

実務知識や最新情報

他職種と積極的に連携する

コミュニケーション能力や対応力

介護事務は経験を積むほど専門知識が身につき、転職やキャリアアップにも活かせます。継続して学ぶ姿勢を持つことが、長く活躍するためのポイントです。

 

介護事務の将来性

介護事務の将来性

内閣府「高齢社会白書」によると、日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は上昇を続けており、2070年(令和52年)には、2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上になると推計されています。

また、厚生労働省は介護保険事業計画をもとに、将来必要となる介護職員数の推計を公表しています。同データでは、高齢化の進行に伴い、今後さらに多くの介護職員が必要になると見込まれています。

なお、この数値はあくまで介護職員を対象としたものであり、介護事務の必要数を直接示すものではありません。ただし、介護サービスの提供体制が拡大すれば、それを事務面から支える人材の必要性も継続すると考えられます。介護サービスを提供する事業所では、介護報酬請求(レセプト)をはじめとする事務業務が必ず発生するためです。

一方、介護分野では業務の効率化やICT化が政策的に進められており、介護ソフトや電子請求への対応力が求められる場面は増えていくと考えられます。

また、経験を積んで担当できる業務を増やせば、キャリアアップにもつなげられます。

介護事務の主なキャリアアップ例

  • レセプト業務の専門担当になる
  • 事務リーダー・事務長を目指す
  • ケアマネジャーや介護福祉士などの資格取得を目指す
  • 医療事務や福祉事務へキャリアチェンジする
  • 本部事務や管理部門へ異動する

介護保険制度や事務スキルを継続的に学ぶことで、転職や昇進の選択肢が広がります。さらに、制度改正や業務のデジタル化に対応しながら事務経験を積むことで、長期的なキャリアを築きやすくなります。

出典:高齢社会白書について|内閣府

出典:第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省

就職・転職活動の進め方

介護事務として働くためには、自分に合った求人を見つけるだけでなく、履歴書や面接の準備も重要です。介護事務には未経験者を受け入れている求人もあります。応募前に仕事内容を理解し、書類や面接の準備を整えることが採用につながります。ここでは、求人の探し方や応募書類の作成方法、面接で評価されるポイント、未経験から採用されるためのコツについて解説します。

求人の探し方

介護事務の求人は、求人サイトや転職エージェント、ハローワーク、介護施設の公式ホームページなど、さまざまな方法で探せます。勤務条件や仕事内容は施設ごとに異なるため、複数の求人を比較しながら自分に合った職場を選ぶことが大切です。

「介護事務」の求人であっても、見守りや送迎などの介護補助を含む場合があるため、応募前には具体的な仕事内容や介護補助の有無を必ず確認しましょう。

主な求人の探し方

探し方

特徴

求人サイト

条件を絞り込んで検索しやすい

転職エージェント

求人紹介や応募書類・面接対策のサポートが受けられる

ハローワーク

地域に密着した求人を探しやすい

施設・法人の公式ホームページ

最新の採用情報を確認できる

知人からの紹介

職場の雰囲気を事前に把握しやすい

 

履歴書・志望動機のポイント

履歴書では、介護事務として働きたい理由や自分の強みを具体的に伝えることが重要です。未経験の場合でも、事務経験や接客経験、パソコンスキルなど、仕事に活かせる実績を明記することで、採用担当者へ効果的にアピールできます。

志望動機では、「なぜ介護業界なのか」「なぜその施設を選んだのか」を明確に伝えることが大切です。

履歴書・志望動機で意識したいポイント

  • 志望理由を具体的に書く
  • パソコンスキルや事務経験をアピールする
  • コミュニケーション能力を伝える
  • 介護業界への興味や学ぶ意欲を示す
  • 誤字・脱字がないか確認する

志望動機では、仕事への意欲に加え、応募先でどのように経験を積みたいかを具体的に伝えましょう。

面接で評価されるポイント

介護事務の面接では、経験や資格だけでなく、周囲と協力する姿勢やコミュニケーション能力も確認されます。利用者や家族、介護職員と関わる仕事であるため、質問の意図を理解し、落ち着いて分かりやすく回答できることが評価につながります。

また、介護業界への理解や仕事への意欲を具体的に伝えることも重要です。

面接で評価されやすいポイント

  • 質問の意図を理解し、落ち着いて回答できる
  • 身だしなみやマナーが整っている
  • 介護事務への志望理由が明確である
  • 学ぶ意欲が感じられる
  • パソコンスキルや事務経験を説明できる
  • 協調性や責任感が伝わる

事前に想定される質問への回答を準備し、落ち着いて受け答えできるよう練習しておきましょう。

未経験から採用されるためのコツ

未経験から介護事務を目指す場合は、経験不足を補うためのアピールが重要です。資格取得や基本的なパソコンスキルの習得はもちろん、介護業界への理解を深めておくことで、採用担当者へ意欲がしっかりと伝わります。

また、未経験者を歓迎している求人を選択することで、内定を獲得するチャンスを広げられます。

未経験から採用されるためのポイント

  • 介護事務資格の取得を検討する
  • Word・Excelなどの基本操作を身につける
  • 介護保険制度の基礎知識を学ぶ
  • 未経験歓迎の求人へ積極的に応募する
  • 志望動機で学ぶ意欲を伝える
  • 面接では相手の話をよく聞き、落ち着いて丁寧に回答する

未経験であっても、事前準備をしっかり行い、仕事への意欲を伝えることで採用につながりやすくなります。

まとめ

介護事務は、介護施設や訪問介護事業所などで、介護報酬請求(レセプト)業務や利用者情報の管理、書類作成、受付・電話対応などを担当する仕事です。介護職員のように身体介護を行うことは基本的になく、事業所の運営を事務面から支える役割を担います。

内閣府「高齢社会白書」によると、日本の高齢化率は今後も上昇が見込まれており、厚生労働省も将来的に必要となる介護職員数の増加を推計しています。介護サービスを提供する事業所における事務業務の需要も、あわせて継続すると考えられます。介護報酬は原則として3年に1度改定されるため、制度改正やICT化に対応しながら経験を積むことで、事務リーダーや関連資格の取得など、長期的なキャリアを描くことも可能です。

よくある質問

よくある質問

Q1.介護事務になるにはどうしたらいい?

A1.介護事務になるために、必須の資格はありません。まずは仕事内容と介護保険制度の基礎を学び、自分の条件に合う未経験者向けの求人を探しましょう。

就職までの一般的な流れ

  1. 介護事務の仕事内容を理解する
  2. 必要に応じて資格取得や基礎知識を学ぶ
  3. 求人を探して応募する
  4. 履歴書・面接の準備を行う
  5. 採用後に実務経験を積む

資格は必須ではありませんが、取得しておくと就職活動で知識や意欲をアピールしやすくなります。

Q2.介護事務の資格はどれを選べばよい?

A2.介護事務の資格は複数あり、目的や学習方法によって適した資格が異なります。介護報酬請求(レセプト)を基礎から学びたい方には、介護事務管理士®などが選択肢になります。受験方法や学習内容を比較し、自分に合った資格を選びましょう。

介護事務に関する主な民間資格は、以下のとおりです。

  • 介護事務管理士®(技能認定振興協会(JSMA))
  • ケアクラーク®(日本医療教育財団)
  • 介護報酬請求事務技能検定試験(日本医療事務協会)

どの資格を選ぶ場合も、自分の学習スタイルや目標に合ったものを選ぶことが大切です。

Q3.介護事務は未経験でも採用される?

A3.未経験者を対象とした求人もあるため、採用される可能性はあります。求人によっては、未経験者を対象に研修や指導を行っている職場もあります。特に、基本的なパソコン操作ができることや、学ぶ意欲、コミュニケーション能力などが評価される傾向があります。

未経験から採用されるためには、以下のような準備がおすすめです。

  • パソコンの基本操作を身につける
  • 介護保険制度の基礎を学ぶ
  • 資格取得を検討する
  • 志望動機で意欲を具体的に伝える

事前準備を行うことで、採用担当者へ前向きな姿勢をアピールできます。

Q4.介護事務の仕事は難しい?

A4.介護事務は、介護保険制度やレセプト業務などの専門知識を覚える必要があります。最初は難しく感じることもありますが、職場の研修や実務を通して業務の流れを学び、少しずつ対応できる範囲を広げていきます。

難しいと感じやすい業務には以下があります。

  • レセプト作成
  • 介護保険制度の理解
  • 請求内容の確認
  • 月末・月初の請求業務

一方で、正確に作業を進めることが得意な方には取り組みやすい仕事といえるでしょう。

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

監修者

株式会社DYM 人事部長 熊谷直紀

横浜国立大学理工学部卒。
株式会社DYMに新卒一期生として2011年に入社し、WEBプロモーションなどのデジタルマーケティング領域で業務に従事し、その後新規事業立ち上げを経験。
2015年よりDYMの人事部へ異動し人事領域を統括、毎年多くの就活生や求職者との面接・面談を実施。
内定チャンネルなどの採用関連メディアへの出演や記事監修を通して人事・人材関連の情報を発信中。

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